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ロワール、AOCクール・シュヴェルニー、ドメーヌ・デ・ウアー、ロモ2017

前回飲んだSail the ship vinyardsのワインの中に少しだけブレンドされていたブドウ品種ロモランタン。

無駄だと思っても、その品種だけで造られたワインがあるというなら是非とも飲んでみたくなるというのが人情というもの。

デ・ウアー ロモ2017

ロモランタンで検索すると、それだけでできたワインのアペラシオン「AOCクール・シュヴェルニー」がヒットする。経堂のワインショップ「Anyway-Wines」さんで、ドメーヌ・デ・ウアー、ロモ2017を注文した。

このドメーヌ・デ・ウアーは、色々なカタカナ表記がなされているようで、「ドメーヌ・デ・ユウアール」や「ドメーヌ・デ・ユアール」などという表記もある。確かに、ワイン裏に貼られているシールには「デ・ユウアール」と書かれていた。

裏エチケットに貼られたシール

ロワール地方のシュヴェルニーのアペラシオンには「シュヴェルニー」と「クール・シュヴェルニー」の2つがあり、「シュヴェルニー」はピノやガメイ、ソービニヨン・ブランなど、様々なものがあるが、「クール・シュヴェルニー」になるとロモランタンだけのアペラシオンになるというのだ(WINE BAZAARさんの記事が分かりやすい)。

ロモランタンは、16世紀のフランス国王、フランソワ1世が植樹したというエピソードがあるという。しかし徐々に、酸が強く、熟成させないと厳しいこの品種は、ソービニヨン・ブランなどに植え替えられていったという。しかし、1993年にAOCに認定され、再復活したようだ。

ドメーヌ・デ・ウアーの造り手はミシェル・ジャンドリエ。7世代のファミリー経営が続くらしい。100年以上前のロモランタンの樹を所有し、1998年よりビオディナミを採用したという。ミシェルの父、マルセル・ジャンドリエやから受けついだ畑。ミシェル曰く。

「ビオディナミは特別ではない。土、空気、水といった自然の力を利用する。私達にとっては自然に寄り添いワインを造る唯一の魔法。」「ビオディナミの導入は50年前のワイン造りに戻ることだった。植物の生長リズムを細かく観察し、それに合わせて畑の手入れをするだけ。」「畑のバランスが崩れたらハーブや調剤を少しだけ与える。あとは葡萄樹が自ら病気への耐性を強めてバランスを取り戻す」(TERRA VERT

ワインの外観

外観をみてみよう。やや深めのグラスに注ぐ。温度は8度くらい。トロミを感じる。色は濃い目のイエロー。

香りは、リースリングのようなぺトロール香、白い花、アプリコット、熟したリンゴの香り。結構甘いのかしらと想像する。

口に含むと、シャープな酸味がまっすぐに来て、ばらけてじわっとミネラル感。余韻は温度が上がると長くなる。

2日目の外観

二日目は酸はほどよくなり、香りにキンモクセイやジャスミンの感じが含まれる。馥郁とした、とまではいかないまでも、植物園の温室のような花の香り。このくらいがちょうど飲み頃かな、などと思いながら堪能した。

AOCクール・シュヴェルニーではない、ロモランタンのワインは、他にも多く手に入るようだ。そのほとんどは品切れのようだが。一つだけ手に入れたのは、新井順子さんのボワ・ルカ、ロモランタン ヴィニフィエ パー ジュンコ 2019だ。

かわいらしいエチケットとともに、ロモランタン探求の旅は続く。


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