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板橋の西北、そのまた西北 〜板橋区赤塚カルチャーウォーク〜

板橋区にはかつて1年間強住んでいた。麻布十番から引っ越して、下赤塚に住んだ。それは職場を辞めて、収入が減ったからだけれど、のんびりとした時間が流れていて、過ごしやすかった。

駅前には古本屋と新刊本が混在した本屋があったし、安いスーパーもあった。住宅地で、静かだった。

今回は、上の子を連れて、「向こうから手」の取材を兼ねて、板橋区四葉、大門付近を歩いてみました。

板橋区赤塚は8丁目くらいまであって、結構広い街区。それに比して、四葉や大門は2丁目までしかない街区。これ、なぜなんだろうと考えてましたが、特に答えはなく。単純に、昭和期までの共同体の形態に準拠したらこうなった、と区史には書いてあるようです。

赤塚は、練馬に近い下赤塚駅周辺から北西に伸びていく街区で、見どころとしては、松月院、東京大仏、そして、植物園、板橋区美術館と郷土資料館があります。赤塚公園は鬱蒼としていて、蚊が多く、夏場も冬場も、善き善きと手放しに勧められるスポットとは言い難いですが、ポイントを絞れば、悪くない公園だと思います。

今回は、松月院からスタート。

寺の門、というのは若い頃にはあまり関心もありませんでしたが、年をとると、趣があっていいものですね。健康寿命は残り20年、長くても25年と考えると、1日1日が重要です。門の中にまた門のある、この感じがたまりません。そんなふうに思うのは、日々自分の終わりを考えるからなのでしょうか。辛気臭い。

今回は寺に行くというわけではなく、この、見ようによっては微妙にエロティックな風貌のオブジェ。すなわち西洋砲術導入の父、である高島秋帆(たかしま・しゅうはん 1798-1866)の顕彰碑を訪れました。トンキョ帽と筒袖筒袴にて、洋風砲術の訓練を、高島秋帆、この板橋は徳丸が原で行ったわけですが、新たな時代を見ることなく、幕末に亡くなっています。

人となりについてはあまりよくわからないのですが、

消えかかった、紀功碑の解説があります。講武所の開設と教授に尽力したとあります。墓所は文京区向丘にあります。

さて、ここから大仏を見学に行きます。東京大仏と呼ばれるやや大きな仏が鎮座しているのは、乗蓮寺というお寺の中にあります。

趣のある門ですね。風神雷神もおり、気持ちが落ち着きます。

本堂を正面に見つつ、右手へ曲がると、大仏様が鎮座ましましております。

大仏!

鎌倉とか牛久の大仏ほどではありませんが、まあまあの風格です。私は、この東京大仏が、割と好きで、またお会いできたことを嬉しく思います。

昭和46年から7年の歳月をかけて、とありますから、昭和53年くらいにできたもので、決して古くはない。けれどまあ、大体私と同じくらいの人生を歩んでおるようです。

さて、大仏様を見学した後は、美術館へと向かいます。赤塚公園でも、赤塚城址のある側の公園です。薄暗いので、休憩には促していませんが、虫が少なくなった頃に、歩いてみたいものですね。

起伏も多く、そのせいか滝なるものもあります。

滝?


滝ちゅうか湧水だろ、というコメント、いただくでしょう。これ、赤塚不動の滝と申します。飲めはしないので、気をつけられたし。ちょっとした水のせせらぎに気を止めながら歩いていくと、公園脇から美術館に入れます。

私が訪れていた時期から、改装されたんですかね。綺麗になっています。

今回やっていた企画展は「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」です。絵本の原画って、買えるのでしょうか。かなりアバンギャルドな絵もあって、インテリアに欲しいです。

挿絵?どんな絵本の挿絵なんだろ?と疑問に思うと、実際の絵本も読めるようになっています。全てではないですが。もちろん、その国の言葉で書かれているので、翻訳ではありませんが。

これはイランの作家さんの原画。どう考えても戦争がモチーフなので、絵本を見てみたいと思ったのですが、これはありませんでした。残念。

これは2023年の大賞作品から。

これはブラジルの作家さん。真ん中にセーラームーンがおりますが、どんな作品なんだろ。

これはイタリアの作家さん。『VOLA!』という作品でした。読んでみましたが、さすがにイタリア語はわかりません。

日系アメリカ人作家の日系人強制収容所を描いた絵本もありました。上の子はこれをじっくり読んでいました。

ローレン・タマキさんの作品ですね。あるものは、このように「絵本コーナーにあります」と説明に書かれています。


私はどうしても、こういう暗いトーンの絵に関心が向かいがちです。

世界各国の絵本と挿絵の現在が見られて、楽しかったのと、とてもオシャレな雰囲気でした。ワタリウム美術館でやっても全然あり。板橋区で、こんなオシャレな雰囲気になれるとは、恐れ入りました。

今回郷土資料館と植物園は、時間の都合でなし。


帰りは、大門、四葉を散策して、私の作品の背景を掴むようにしてきました。暑い中、歩かせたので、上の子は不機嫌になりました。日露戦争の碑も、うーんという感じでしたしね。

四葉では水車公園の中に徳水亭という庭園があるのですが、こちらも次回ですね。

今回歩いた道は赤、本当は黄色を周りたかった!

よくばり過ぎかな。

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