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漱石の笹飴

認知症日記でお馴染みですが、再拡大期だというのに義父に面会を許可して頂きまして、まことにありがとうございました。

義父の調子は悪く、ずっと寝ておりまして、どうにもいかんなあと思いつつ、私ができることであるお墓参りと年表作りを一生懸命やっていきたいと思います。

とはいえ、すぐさま何かが起こるというわけでもないので、ひとまず帰るわけですが、先だって漱石の笹飴関係をいくつか買ってまいりました。

高橋孫左衛門商店

こういう軒先が通路を作るようにできているのが雁木というやつで、これが商店街の目印でもあるわけですが、今や飴屋さん以外は、店を閉めている状況。しかしながら400年間続いているということは、こういうことも、ああいうこともあって、それでも続いて来たということですから、瞠目せねばならぬわけです。

雁木の下の入り口

雪が降ると、道は埋まっても雁木は埋まらないという雪国ならではの工夫ですが、雁木の家の開口部は道沿いと裏手の2箇所しかなく、採光がままならないということを雁木住みの同級生が言ったとか言わないとか。文化というのものは、そうした不便も含めて維持していかなければならないのか、と思ったりします。

でも駐車場は多少広いです。

左に斜めに並ぶスペースが4台分くらいあります

ちなみに、かつて東海道中膝栗毛の十返舎一九が逗留したとかなんとかで、こうした碑があるわけですが、店内には江戸ないし明治の雰囲気が充満しております。

絶妙に渋い

それで、飴を買いました。

写真は、まだ撮ってないのですが、翁飴、古代飴、笹飴…と色々買ってみました。それでおまけでもらった氷飴。

おまけの氷飴

一口舐めて思い出しました。あっ、この雑穀系の甘さ!

なんというか、甘くない甘さなんですよね。一見、ゼリーやグミの甘さがくる!と予想しつつ口に入れると、オブラートを舐めているような味わいの後に、フワッと玄米を30回以上噛むと出てくる甘い感じと、ご飯が炊き上がった時の甘い香りがフワッと。

カステラ食いてえと言ってた漱石が、この甘さで満足するとは思えない。そんな不思議な甘さです。これ玄米で作った甘酒の味と言ったらいいのかな。

昔、そういえば妻の家で出されて、イマイチ食指が動かなかった理由があったけど、思い出したのです。この独特な甘さを。

ただ、独特の甘味で、これが好きな人にはいいと思います。自然食派にもピッタリ。私の母も気にいるんじゃないかな。

では、酒を飲みながら、笹飴の食レポをしたいと思います。

笹飴

笹団子のように、飴が包まれています。今日のような高温の日は、溶けて、笹にくっついて取れなくなってしまいます。量は少ないです。

剥がすと

笹の香りが芳しいです。今日、高温の中を放置しているのでやっぱり表面が溶けております。若干剥がすのに苦労しました。

氷飴に比べて、口に入れてすぐに甘みがくるので、梯子を外された感じはありません。意外に美味しい。折って、分けて食べました。雑穀感がどうのと申しましたが、笹飴には不思議と笹の風味が残っているので、甘味が全然くどくないですね。

この飴を上顎につけ、なくなるまで舐めるという方式は、やってみると意外に効率的。くっちゃくっちゃ飴を舐めている姿を見せずに飴を舐められるということで、意外に農作業の人らにも適したお菓子だったのではないかと推測されます。

これはでも、おそらく似たようなつくりのお菓子はたぶんにあると思うんです。埼玉でいえば五家宝。でも、まあ、ちょっと一度試してみてくださいよ。

創業1624年

よろしくお願いします。

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