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「今月初めのFOMCと日銀金融政策決定会合で、市場トレンドがまた変わった可能性もある、今後のマネートレンドに注意が必要」

日銀金融政策決定会合10/31とFRBのFOMC11/1

先週の日銀金融政策決定会合で長期債の上限金利に融通性を持たせる実質利上げ及び緩和政策の継続が決定され、予想通りでしたが概ね市場に歓迎される形となったと思います。
また、翌日の米国FRBによるFOMC(金融政策決定会合)についても、予想通り利上げ見送りがされ、パウエル議長によるタカ派スタンスは変わらないものの、利上げプロセスの終わりを意識した発言もあり、かねてから逸る国際金融スジは利上げ終了を期待してこれも市場からは歓迎される形となりました。

雇用情勢の緩和を受けて、米長期金利が大きく低減

また、翌日に発表された米国雇用統計は、下記の記事の通り、需給緩和したことを伝えました。

そして、「雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比15万人増と、市場予想以上に減速した。平均時給の前年比での上昇率は約2半ぶりの低水準に、失業率は3.9%に上昇し、2022年1月以来の高水準となった」(前掲記事)等、インフレの元凶である雇用情勢の需給緩和を受けて、10月の間上昇を続け市場に影響を与え続けた米長期金利が大きく低下しました。
ウクライナや中東問題への対応による米国の財政拡大を受けて上昇していた面のある長期債金利ですが、先週のこの米長期債金利の低下には、米政府の長期債発行テクニックの変更が寄与している面もあるようです(下記記事参照)。

米株式市場の上昇と今週初めの日本株式市場の上昇期待

相場の重しとなっていた米長期金利の大幅低下で、株式市場は久しぶりに大きく上げてダウ、ナスダックともに大きく上げ、
「週間ではS&P総合500種が5.9%高、ナスダック総合が6.6%高と両指数とも2022年11月以来最大の上昇を記録。ダウ工業株30種は5.1%高で22年10月下旬以来の大幅上昇となった。」(前掲記事)
また、これを受けて、先週初めから1000円以上上げていた日経平均(先週終値31949円)の先物シカゴ日経平均先物は11/3終値で32720円と大幅な上昇となり、今週初めの日本株式の上昇が予想されています。

11月以降長期金利低下で量的引き締め(QT)の影響による株式軟調がどの程度変わるか?

今後の注目点は、11月以降長期金利の上昇と量的引き締め(QT)による株式軟調がどの程度変わるか、ということかと思います。長期金利は当面低下すること蓋然性が高まりました。このことは株式相場には大変良いことです。一方で量的引き締め(QT)は兆ドルオーダーでマネーを収縮させていく措置で相場にはネガティブで、このことについては本コラムでも繰り返し論及してきました。
ですので、国際金融スジは10月に、QTの市場に与える影響を見て、FRBをけん制するような情報をたびたび発信しています(下記参照)。

来週の相場動向と国際金融情報に注目!

このように、量的引き締め(QT)と長期金利低下の引っ張り合いがあるとすると、ひとまず来週初めの日本市場が上がることは間違いないにしても、その後の相場動向が11月以降の当面の情勢のヒントになると思います。
もちろん、ウクライナや中東情勢に何か大きな変化が出てくると影響は不可避ですが、それに大きな影響を受けないとき、来週後半の相場展開や国際金融情勢に関する情報には敏感になっておいたほうが良いと思います。

日本の金融情勢は今のところ日経を中心に(ただあまり日本の情報には影響を受けることはないかもしれません)、世界のものは、ロイターやブルームバーグなどと細かいものを含めて、丹念に見ていくことです。

本コラムでも何かあればさらに発信していきたいと思っています。



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