「三十五年越し エピローグ2」/エロスについてと『智子、そして昭和』
およそ男女の恋物語やラブコメディにはエロスの要素が不可欠かと思います。
『寅さん』においてもあからさまにエロスが表現されているのは、第27作『浪花の恋の寅次郎』の松坂慶子扮するおふみさんが旅館で寅さんの膝に泣き伏すシーンと第29作『寅次郎アジサイの恋』でいしだあゆみ扮するかがりに求愛されるシーンくらいだと思いますが、その他の作品でもマドンナの中に秘められているエロスがあるから私たちはやはり寅さんのドラマに惹かれてしまうんだと思います。
これは、最近のラブコメディ『逃げるが恥だが役に立つ』も同じで、新垣結衣のイノセントに私たちは胸キュンもので惹きつけられるのですが、彼女が100%イノセントかというと決してそんなことはなく、匂うか匂わないか、でも匂うという何とも言えない微妙なエロスが私たちを惹きつけて止まないのだと思います。
そういう意味でこの『三十五年越し』もほのかにエロスを匂わせています。中年以降の方にはお気付きかと思いますが、「三十五年越し (2) 一回きりのデート」の中でそれを表現したつもりです。彼女は本当にかぐわしい色気を醸しておりました。
そしてこの部分で記したエロスがその後出てくる仮想部分で活かされれば、と思って書きました。
ただ、この『三十五年越し』は、これ以上の色香を表現する作品ではありませんので、美智子さんの魅力をお伝えするという点では、残念ながら私の筆力ではこの程度になるざるを得ないのは致し方ありません。
そういう意味で、彼女の色気を表現させていただいたのは、実は『智子、そして昭和』の方なのです。モノローグやエピローグに述べましたが、智子の第二のモデルは美智子さんです。
『智子、そして昭和』(2)、(3)、(4)の中で能う限り美智子さんの色香、エロスを書かせていただいたつもりです。
もしよろしければ、『智子、そして昭和』の方でも美智子さんの魅力を感じていただければと思います。また、エロスだけでなく、女性として、人間としての美智子さんの魅力を精一杯書いてみたつもりですのでご一読をお願いできればと思っております。
追伸
『三十五年越し』と『智子、そして昭和』でのエロスについては読んでいただければわかるように、ほんのり優しく匂うものです。
今後の中で別途このテーマについてはもう少し掘り下げた作品を書かせていただくつもりでいます。
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