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「一技術者が仕事の意義について考えてきた一側面 エピローグ5」/宗教戦争とウェストファリア条約後の近代と旧約聖書 定年講演

近代とは、ウェストファリア条約後の信仰と世俗の分離だと講演で紹介しました。

また、宗教改革と不可分であり旧約聖書と分かちがたく結びついているとも言いました。

宗教戦争といわれる三十年戦争ですが、旧教のフランスが新教側に立って参戦したことで宗教戦争とは言えなくなったとウィキペディアには書いてあります。
しかし、神聖ローマ帝国やローマ教皇の権威主義に対して、国家の主権を重要視する国家主義の近代側が対したと見れば、フランスも国家主義であり、そのままある種の宗教戦争であったことは間違いないところでしょう。

この独立国家の主権を確立したことが、近代を招来し、独立国家を担保とする個人の自由と独立が確立していくのですね。
その根拠に、旧約聖書があるということなのです。
この記述は、以下のコラムで書いたようにユダヤ人シオニストのヨラムハゾニーに依っています。

つまり、旧約聖書中の、古代エジプトやアッシリア、ペルシャという帝国に対して、ユダヤ人の生き筋としての新しい概念としてモーゼが提示したのが、ユダヤ民族の独立国家の概念なのです。
そして、時代は下り神聖ローマ帝国とローマ法王からなる帝国主義、権威主義に対して、旧約のその部分を根拠にして宗教改革と共に立ち上がってできたのが、イギリス、オランダ、フランスという国民国家でありアメリカの建国もその流れの中にあるということなのです。

この構図が、日本の近代を考えるとき、巡り巡っての自己認識の重要な考え方となります。


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