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「BSテレ東 『男はつらいよ』再開、第一作『男はつらいよ』」

BSテレ東で『男はつらいよ』、通称寅さんが再開しました。
4/1(土)本日は、第一作の『男はつらいよ』でした。
この第一作は、なんといっても「さくら」と「博」の恋と結婚というものが主軸として有る、通常の「寅さん」に対しては異例の構成になっています。

さくらと博の恋と結婚が主軸

突然生き別れた兄の寅さんが柴又に帰ってくる、そして丸の内に勤めるさくらの見合いに同席し、せっかくの見合い話をぶち壊す。
しかしさくらはさっぱりしたもの。ただこのことで寅さんが周りと一悶着二悶着起こす中で、隣のタコ社長の職工の博がさくらを思っていることを知る。
結局、博の仲介役を引き受けた寅さんは、丸の内の勤め先にさくらの意思を確かめに行くが早とちりしてしまい、柴又に戻ってその気無しと博に伝える。
博はさくらへの恋をあきらめ出ていこうとし、さくらに思いを告げて立ち去ろうとする。
このとき博を見つめるさくら、倍賞千恵子の表情が観客の胸を締め付ける。
飛び出していった博を柴又の駅まで追いかけ、二人は見つめ合い、今は無い押上行きの電車のドアに一緒に飛び乗る、、、、、、どこまでもさくらの倍賞さんが美しい。
そして、おいちゃん、おばちゃんが寅さんを問い詰めているとら屋にさくらが戻って来て、その美しい目をキラキラさせながら「お兄ちゃん、わたし決めたの、博さんと結婚する、ね、いいでしょ、お兄ちゃん」、、、、もうたまりません、こんな美しい女性が隣に住んでいたら恋をしない男はいません。観客は泣きながらさくらに恋しています。

そして結婚式ですが、ここで大御所志村喬(博を勘当していた父親)のいぶし銀の如くしぶく光る演技が素晴らしいです。
「さくらさん、博をよろしくお願いします」という結びの言葉、それに応じるキラキラと目を光らせてうなずくさくら、、、、、この場面も本当に名場面です。

いやあ、倍賞千恵子は真に名女優であり、永遠のマドンナと言ってよい、まさに女神です。

この作品は寅さんの恋が副題のようにさくらと博の恋と結婚の主軸に寄り添っていて、この後延々と続くことになる寅さんの恋物語の序章のような作品になっていると思います。





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