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「米欧金融当局と国際金融スジとの認識ギャップ縮まらず、今年の中で歩み寄るとすればこのままある程度のインフレ容認になる、日本は日銀の金融緩和姿勢で米欧と同スタンスになり米欧に遅行してインフレトレンドになるか」

ここのところの世界の金融政策に関する記事を散見しているとどうやら今年の先行きの一つの候補シナリオがあるらしいことを感じます。
もちろん、その通りになる蓋然性がどうのこうのというつもりはありません。
FRB関連では、

などに典型的に見られるように、FRB各委員は民間の国際金融スジの楽観シナリオには一定の距離を置く、タカ派主張を繰り返しています。
このことはしばらく続くと予想して間違いないと思います。インフレはやはりそれほど怖いことなのです。

しかし、ここでよく考えてみる必要があります。
良く日経等では、FRBと民間金融スジのこの認識のギャップを認識の官民乖離と言いはやしていますが、ちょっと待ってください。
実は、FRBとても民間なのです。ここは非常に重要な点ですので押さえておく必要があります。
FRBとは民間銀行のトップで選ばれてはいますが、所詮民間であることに違いはありません。
そうとすれば、このギャップというのは、本当にギャップなのでしょうか?
結局同じ穴の狢であるとすれば、いずれ収斂していくというものではないでしょうか。

とすれば、今年の中のどこかでどちらかが歩み寄り、収斂していくと見るのが妥当だという気がしてきます。
恐らくインフレはそう簡単に2%とかいう数字に収斂はしていきません。せいぜい3%、4%というところがいいところでしょう。
FRBもそこらへんで手打ちにしても度を越えたインフレにならなければ問題は小さいと見ていく可能性はあると思われます。

これはまさしくインフレの容認です。このことがデフレには決して戻れない、世界の歴史的インフレトレンドへの転換を意味し、裏書きすることになります。

いつも引用する豊島逸夫氏の下記コラムを読んでいてそういうイメージが出てきました。

さて、そう言うシナリオだとしたとき、日本はどうなるでしょう?

これまで、米国に少し遅行して欧州、それに遅行して日本がインフレに動いています。このことは下記の記事で指摘しました。

そういう流れの中で、現在の日銀の緩和政策が出来るだけ維持し続けることが日本の国益ですが、多少のブレは有ったとしても基本は米欧に比し、低金利政策を続けますので、米欧と続くインフレトレンドに遅行追随する形で高圧経済のインフレトレンドへと転換する可能性が高くなってきます。

おそらくその流れになって来れば日本もそうなるでしょう。

以上、述べてきたシナリオは一つの候補です。起きるかどうかはわかりませんが、このシナリオは日本にとって、あるいは世界にとっても悪くない、いや良い方のシナリオだと思われます。

今年の金融経済情勢は、いずれにしても転換期を画す可能性が高く、一瞬の瞬きも許されないほど興味深いものになる気がします。

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