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「FRB政策金利、実質マイナスで利上げ終了の異例事態か」(ロイターコラム)/まだなお当局も市場もデフレマインドから脱していない

今日4/7(金)もロイターのコラムが金融の現状を良く表していると思い、引用して記してみたいと思います。

実質マイナス金利で利上げ終了

昨年から急激な利上げを繰り返してきたFRBですが、現在現時点での実質金利はと言うとなんとマイナスなのです。
これは本コラムでもかなり以前にご紹介していますが、どうもこのまま今年2023年が想定通りあと1回の利上げをもって利上げストップということになると実質金利がマイナスのまま利上げ終了するということを上記記事は言っています。

FRBの認識、国際金融スジの認識

FRBのシナリオでは、年内の利下げは無く、おそらく実質金利はプラスに浮上するとしています。そういう意味でFRBはインフレ重視です。
しかし、このFRBの認識はインフレが来年には収まる、つまり目標インフレ率2%以下になるということですが、この読みはインフレに対して甘いのではないかと思います。
一方市場、すなわち国際金融スジは景気後退リスクに敏感であり年内3から4回の利下げを見込んでいます。市場は景気重視ということです。
この市場の認識についても、どちらかといえばインフレに対するう読みの甘さがあります。FRBはそこまで甘くはないでしょう。

FRB、国際金融スジ、どちらもインフレを軽視している状況

そうなのです、現状FRBも国際金融スジも立場の違いはインフレから見た時は相対的なものとなり、今回の粘着質のインフレに対してはこれを軽視しているということになります。

これを裏返せば、インフレ目標2%の維持は難しいということ

以上を見てきますと、上に引用した記事の意味を裏返すと、やはりインフレ目標2%の維持は非常に難しい、このインフレはこれから中長期にわたって続くインフレだということが読めてくるように思います。

そして、FRB当局も国際金融スジ、市場もデフレ経済のイナーシャから脱していないということが明らかになってきていると思います。
その中で、今現に起きているシリコンバレー銀行破綻に端を発している金融危機もあるということでしょう。

先に記した記事でも申し上げましたように、
インフレパラダイムへの転換には、少し時間が必要だということだと思います。


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