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「バイオ医薬のCDMOへ」/化学メーカー、材料加工メーカーこぞって参入だが、、、、

今朝の日経に、バイオ医薬のCDMO(医薬品の開発製造受託)へ化学メーカー、材料加工メーカーがこぞって参入との意図の記事が掲載されています。

この記事自身は、これまでの記事を整理まとめたものでいまさらといった感もあるものですが、これまで早いメーカーで20年以上前からバイオ医薬が創薬の主戦場になることが明らかになって以来、バイオ医薬品の開発製造受託事業、すなわちCDMOへの参入を企図してきています。

以前の医薬からして創薬メーカーから、その医薬の化学合成による製造を受託製造したり、場合によっては開発受託したりする化学メーカーは多くありました。現在も大手化学メーカーはかなりその事業で利益を出しているようです。

そのデンから、医薬モダリティーそのものが、いわゆる化学合成により製造される低分子医薬から、抗体を主とした細胞までに至るバイオ医薬に変遷するという技術トレンドが明らかになっている現在、化学メーカーがその製造受託や開発受託に走るというのは非常に理解しやすいものです。

また、少し毛色が変わって見えるのは、富士フィルムや日東電工、旭硝子(AGC)といった材料加工系のメーカーがバイオ医薬のCDMOに早くから参入をはかってきていることでしょうか。
ただ、これはバイオ医薬が純化学的な低分子医薬と違い、高分子やコロイド、コンポジット系の化学種と類似している点で、材料加工系メーカーの方が取っつきやすいということが有ります。
富士フィルムなどはそういう点で20年以上、あるいは机上では30年以上前から参入を企図してきたものとみられ、業界でも最先で進めてきたものが今現在の事業規模(売上1000億円以上)に現れて来ています。

そしてこの10年では、実の多くの化学メーカーや材料加工メーカーが参入或いはその企図をもって取り組んでおり、この記事をみていると率直にすべてが上手く行くわけないようにも見えます。

一方、海外はスイス・ロンザそしてコリアのサムスンまでが大手として日本企業に比し相当大きな投資を既に行った上で取り組んでおり、そういう意味からも競争は厳しいものがあります。

しかし、バイオ医薬に関しては、その製造調達を海外に頼るというのは、昨今のCOVIDの件でも話題になりましたがワクチンの自前供給の問題は国策として非常に重要なことです。

こういう将来も含めた錯雑な事業環境、政策環境ですが、日本が半導体やエレクトロニクス、自動車で得意としてきた化学材料技術に関する、将来伸びていく必須戦略物資とも言える事業競争戦場でやはり生き残り勝っていくことは国策として必要な領域であろうと思います。

この領域が幸いにも、私が調べる限りにおいて、十把一絡げの技術或いは事業ではなさそうであり、上手く環境整備すれば日本が勝っていける可能性のある領域だと思われます。

以上記事中のメーカーをはじめとした日本メーカーにおいては、国内メーカー間で競争は大いに進めながら、国際間での競争には何とか勝ち残り、日本の国民にとっても不可欠なこれからの医薬事業の発展と成功に是が非でも進んでいってもらいたいと思います。

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