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「バフェットの通貨感 人々が通貨への信頼を失ってしまうと回復するのは極めて困難だろう」まさにもっともです。日本は通貨の信用の本質を見間違うことなく国益を追求していかなくてはならない。

バークシャー社の年次総会でのウォーレンバフェットの発言に対する記事が喧しい。
下記のBusinessInsiderJapanの記事中に通貨に関する発言が有ったので今回取り上げてみます。

「他の通貨を基軸通貨とする選択肢はないと思う。しかし、慎重になる必要がある。ただ紙幣を刷り続けるのは狂気の沙汰だ。その影響で人々が通貨への信頼を失ってしまうと、回復させるのは極めて困難だろう」

ドル基軸体制

もちろん、これはドルについての発言です。
短い言葉で信用の本質について、鋭く語っていると思います。さすが、バフェットです。
FRBと米政府はまさにドルの信用を維持するために一瞬の気も抜くことなく通貨政策を実行していることが感じられる毎日です。

それは、ニューヨークの株と債券の市場でしょうし、そこにマネーを集める仕掛けでしょうし、世界の戦略物資のオイルとドルを不可分とするオイルダラー体制でしょうし、覇権国家米国の通貨であることの実態としての軍事力でしょう。

一方、円はどうなのか。

もちろん、広く国際視野から見なければなりません。残念ながら円、つまり日本は、大きな意味でドル、米国の従属変数となっています。
しかし、もちろん独立項が無いわけではありません。

金利と財政により、立派な国際通貨である円を運用できる部分は存在しています。
かつて、日銀はゼロ金利以降の金融緩和を渋りました。また、財務省は赤字財政を忌避し、プライマリーバランスにこだわり続け、国民をデフレのどん底に叩き落しました。

しかし、円の信用を維持する限りにおいて、そういう原則のタガを外して国益を追求する手段とすることが出来るのです。
そのことを、バフェットの言葉が物語っています。
斜めサイドからの解釈かもしれませんが、通貨や財政を信用という観点からその本質を見極めていかなければならい所以をバフェットの言葉は表していると思います。

もちろん、ヘリコプターマネー論などは鵜呑みにしてはいけません。そして今はそれ以上に財務省の財政均衡論も鵜呑みにしてはいけないのです。
米政府やFRBが毎日毎時間、ドルの信用を細心の注意を払って維持し続けて米国の国益を追求しているように、
日銀や政府は、円の信用を維持し続けながら、細心の金融政策と財政政策を駆使しながら、日本の国益、つまり国民の幸福を追求しなければなりません。

いまあるいは近々数年は少なくとも、
デフレの完全払拭緩やかなインフレ経済のために、
大規模緩和政策を継続しなかればなりませんし、
財政を拡大し需給ギャップを埋めなかればなりません。



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