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書評

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読書の喜びは、他のなにものにも代えがたい魅力が有ります。そういった喜びを皆さんと共有すべく、知的刺激を受けた書、好奇心満載の書、ためになる書その他この他、わたしの狭い読書領域の中…
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2023年12月の記事一覧

「マスメディアを見ているとわからない日本の財政状況:財政は逼迫していない!『来年度予算「借金漬け」のウソ 海外と異なる日本の国債制度、各部の数字にも疑問…財政危機を煽るのはおかしい』(高橋洋一、zakzakby夕刊フジ)をご覧ください」

日本の政府財政はマスメディア報道を見ていてもわからない 来年度政府予算案112.1兆円、国債費27兆円などと政府財政の危機を煽るようなメスメディアの記事が踊る年末でした。 そして、2番目の記事にあるような、日銀の金融政策正常化を見越して、国債想定金利を1.1%から1.9%へ変えた予算案になっていることから、これから益々その金利負担が嫌が応にも増すことをも国民に知らしめ、増税の已む無きに観念させようという財務省の魂胆にお追従するようなメディアの醜い心性があからさまに出ている

「ギリシャ人の物語Ⅰ 民主政のはじまり」塩野七生著(新潮社)/ローマ人の物語を読めば手を取らざるを得ない。トロイ神話からギリシャ文明のはじまりと興隆:ここに西洋文明がはじまる、、、

「ローマ人の物語」から「ギリシャ人の物語」へ 「ローマ人の物語」全十五巻プラスアルファ(スペシャルガイドブック)を読了してみると、実に味わい深い思いが胸に残りました。 それはやはり塩野七生さんが、日本人としての視点をかっちりと維持しながら、古代ローマ帝国の人間模様を子細をしっかりと追いながら描いて見せてくれたからに他なりません。 本質的な意味で言うと、一神教キリスト教徒でない日本人塩野七生が一神教に乾いた目をもって描いたものだからこそ、日本人あるいは日本にとっての意味が深く

「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック」/事後編として全15巻を楽しみ返し、頭を整理できる。写真豊富で第Ⅹ巻同様映像でイメージを拡張できる、お薦め本

「ローマ人の物語」全15巻を楽しみ返せる 「塩野七生『ローマ人の物語』スペシャルガイドブック」のご紹介です。 これは、「ローマ人の物語」全15巻の執筆、刊行が成り、それらを振り返り、エピローグのように余韻を楽しむためのガイドブックです。 全編写真が豊富、塩野七生さんを見出した編集者との対談、新潮社の塩野さんへのインタビューが掲載 全編写真が非常に豊富に掲載されています。この「スペシャルガイドブック」は、第Ⅹ巻の「すべての道はローマに通ず」もローマ帝国の今に残されているイ

「日本民族の叙事詩 祖国を形づくるもの」西村眞悟著(展転社)/日本人は大東亜戦争の意味を再認識しなければならない。”昭和天皇と明治天皇そして乃木希典大将”

西村眞悟さん 平成九(1997)年に衆議院議員として、はじめて国会で拉致問題を取り上げ、同年腰の抜け続けていた政府をよそに尖閣列島魚釣島に国会議員として初上陸・視察を行ったのが、西村眞悟さんです。 その功績は、日本の歴史に応え得るものと私は思っています。 西村さんは、六期務めた衆議院議員時代から、数年ごとに日本の国家としての存在意義を問う著作を出版されてきました。国会議員としての実践と国家としての思想とも言える著述をともに行ってきたことに敬意を評さざるを得ないものがありま