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胆管癌

現在、胆管癌に対する化学療法

今までは胆道癌に対する1stラインの化学療法はGC療法(ゲムシタビン+シスプラチン)であったが、2022年1月に発表された論文で、抗PD-L1抗体薬であるイミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)を併用した場合、全生存期間、18ヶ月全生存率、24ヶ月全生存率、無増悪生存期間、客観的奏効率のいずれも改善させることが報告された。

https://ascopubs.org/doi/10.1200/JCO.2022.40.4_suppl.378

この研究によると、上記の項目は以下のようであった。

上記の論文より作成

注意すべき副作用

安全性に関する項目

グレード3もしくは4の治療関連有害事象(TRAE)発症率、TRAEによる治療中止率は

となっており、有害事象も管理可能と考えられる結果であった。

GC療法の副作用

<シスプラチンによる代表的な副作用>
・腎障害:投与前後による輸液や水分摂取が必要。
・悪心・嘔吐:高頻度に見られる。必要に応じて制吐剤を使用。
・聴力障害:高音領域の聴覚障害。総投与量300㎎/m2以上で出やすい。
・末梢神経障害:手足のしびれが見られる。

<ゲムシタビンによる代表的な副作用>
・間質性肺炎:胸部Xpによる経過観察と、空咳等の症状に注意。
・発熱:投与後に発熱が見られることがある。適宜解熱剤を使用。

イミフィンジ®(一般名:デュルバルマブ)による副作用

免疫チェックポイント阻害薬においては、殺細胞性抗がん剤で出現する一般的な有害反応である悪心・嘔吐や食欲不振、便秘などの消化器症状、骨髄抑制などに加え、非特異的な免疫反応の増強による免疫関連有害反応が報告されている。有名なものに、infusion reactionがある。投与中、もしくは投与後に発熱、悪寒、掻痒感、発疹、高血圧、低血圧、呼吸困難などの症状がみられるものである。見られた場合、程度が軽ければ投与速度を緩めることで対応できるが、重篤であれば速やかに投与を中止し、全身状態の管理を行う。

他に起こる副作用としては、頭から順番に、
脳:脳炎、下垂体炎、下垂体機能低下症
甲状腺:甲状腺機能低下症
肺:間質性肺疾患
心臓:心筋炎
肝臓:肝障害、肝炎、硬化性胆管炎
膵臓:1型糖尿病
腎臓:腎障害
副腎:副腎機能不全
筋肉:筋炎、横紋筋融解症、重症筋無力症
大腸:大腸炎、重度の下痢、消化管穿孔
皮膚:皮膚障害(TEN、Steven-Johnson症候群、多形紅斑、類天疱瘡など)
末梢神経:末梢神経障害
血液:免疫性血小板減少性紫斑病、静脈血栓塞栓症
などがある。

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