体幹至上主義

ピラティスという名のリハビリを始めて3年半になります。

いや、先生の名誉のために言っとくと、ちゃんとしたピラティスのプライベートレッスンですよ。
単に私のカラダがいけてないがために、たまたまレッスンの内容が、

「座ったままちっちゃく首を上げたり下げたり」
「寝たまま股関節を静かに開いたり閉じたり」
「その場で背伸びしたり足踏みしたり」

だというだけで。

そんでもって、
「これ、はたからみたら老人ホームのリハビリだよねー」と、やりながら自分で思ってる、というだけで。

でもですね。

言い訳するわけじゃないですが(と言っときながら言い訳なんですが)、老人ホームのリハビリなりにも、ちゃんと効果はあるもので。

「背中に空気を送り込んで頭の上から出す」
とか、
「横隔膜をストレッチする」
とか、

最初は「いったいせんせいなにを言ってるんですか」状態だったのが、回を重ねるごとに、だんだんその感覚がイメージとしてつかめるようになり、つかんだイメージを身体に伝えることができるようになり。

3年半たった今は、たとえば仕事中に姿勢が前かがみになってくると、「おっといかんいかん」と、自主的にまっすぐ仙骨で座りなおすようになりました。

そしてなにより、「人間、体幹がすべて」ということを、がっつり実感するようになりました。

肩こりも腰痛も股関節や首の痛みも、すべて体幹がしっかりしていないから起こることなんですよねえ。

とまあ、ここまではいいことづくしなんですが、ちょっとだけ困っているのが、何を見ても体幹が気になるようになってしまったことです。

たとえばスポーツ観戦。
体幹がしっかりしていない選手がいると、試合の行方よりも、もっぱらそっちが気になってしまう。
対戦型スポーツだと、「こっちが勝つだろうな、だって体幹が違うよ」と、いっぱしのうんちくをたれる(そしてこれがまた結構あたる)。

百歩譲って、スポーツ観戦はカラダを動かすという点でまだ許容できるとして、街中とか電車の中とか会議中とか、日常生活のあらゆる場面においても、とにかく他人の体幹がやたら気になるようになってしまいました。

会議中に、前の人が足組んで座っていると、思わず手を伸ばして直したくなる。

どんなにかっこいい人でも、電車内で前にずりーって座ってると「あ~ざんねん」。

きれいなお姉さんが、思い切り猫背でスマホ画面を凝視してると、脇から手を入れて、「はいっ背中伸ばしましょー!」ってやりたくなる。

そして、この「体幹至上主義」のせいで、ダンス動画とかも、以前のように「きゃああ~ かっこいい♪」だけのお気楽な視点でみることができなくなってしまいました。
困った。

いや、もちろんワクワクするんですよ?
するんですけど、「この人、ちょっと軸がぶれてる」「この人、上半身だけでカラダを持ってってる」とか、ダンスに関係ない余計なことが気になっちゃうように。
困った。

でも、実は私がSnowmanにはまったきっかけって、「ザ・体幹」だったのです。

7月初旬の某音楽番組のダンス対決で、Snowman選抜隊3人のダンスを見て、真ん中のキャップかぶったムキムキの人の強靭な体幹に、文字通り驚愕。

だってあの曲=Survivorの「Eye of the Tiger」って、バリバリのハードロックですよ? ダンス曲じゃなくないですか? 踊るリズムじゃなくないですか?(←興奮のあまり日本語おかしい)

で、3人ともすごかったんですけど、特に真ん中のひとの、リズム感?余裕?ギリギリまで間をとる感じ?(←ダンスのことわからないんで、これまた無意味に疑問形)
あれいったいなんですか。どういうことですか。すごすぎません?!

というわけで、一瞬で骨抜きに。

最初にみたときは、彼がアイドルだとは思わず(だってあまりにムキムキだし、深めキャップでお顔も見えなかったんですもの)、そのあとSnowmanのリーダーだということがわかり(ついでに顔もかっこいいことがわかり)、で、もっと知りたくて彼らのMVを見まくり、そのままずぼっと沼にはまって(いや、この場合は雪にはまる、かしら?)今日に至ります。

今は、Snowmanのダンスについては、9人それぞれの個性が好きですが、誰がいちばんか?といえば、やっぱり岩本くんのダンスが好みです。

体幹の強さがあるからこその、頭から指先まで一切軸がぶれない美しさ。
体幹の強さこそが可能にする「絶妙な音とりの間」と「余裕」。
体幹の強さなしでは絶対に成しえない、高さと強さとしなやかさとエレガントさとセクシーの奇跡の共存。

ビバひかるくん! やっぱり体幹がすべて。

私の体幹至上主義はこれからも続きます。


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