Snowmanに学ぶリーダーシップ②

以前に、「強いリーダーこそ隙をみせることがスキルとして大事」ということを書きました。

ここは、長年管理職として仕事をしてきた中で、私自身が苦手分野だということもあり、個人的にこだわってきた+苦労してきたところなので、今回、少し掘り下げてみたいと思います。

私が若いころ、漠然と思い描いていたリーダー像は、

・論理的に方向性や、やるべきことを整理して、
・メンバーに理路整然と説明して、
・私についてきて!とぐいぐいひっぱる。

というものでした。

そんな私が、約40年にわたって複数の会社で仕事をしてきた中で、私自身のリーダーシップについて他人からもらったアドバイスで、今でも鮮明に覚えているものが2つあります。

ひとつは昭和の時代、私がまだ20代のペーペーの頃に、当時の上司から言われたセリフ。

「あなたは将来リーダーになる人だと思うけど、そのときは、部下に逃げ場を作ってあげることを意識して。ロジックだけで話をすると、人によっては追い詰められてしまうから」

もうひとつは、50代になって、いわゆる「ぶちょー」的役割を担っているときに、隣の部の部長からもらったアドバイス。

「ロジカルなのはBunkoさんの強みだけど、ときにはエモーショナルなメッセージ出しも意識するとよいと思う。自分もここなかなかできていないんだけどね」

いずれも目からうろこでした。

そうか、リーダーはロジックだけではダメなのか、と。

スキを見せたり、エモーショナルな発信をすることも、リーダーという「役割」をこなす際に「スキル」として必要なのか、と。

リーダー(いわゆる上司)が隙を見せて、それをメンバー(いわゆる部下)がいじったりつっこんだりすることで人間関係ができていって、メンバーはより自由に行動しやすくなるし、リーダーもひとりで全部背負わなくてよくなって楽になる。

結果、組織全体の風通しがよくなるとともに、組織の底上げにつながって、成長が加速する、という図式です。

たしかにリーダーが「いじるな危険」の「スキなしロジカルモンスター」だと、メンバーは萎縮しちゃいますもんね。アドバイスをもらった当時の私は、きっとさぞかし扱いにくかったのだろうと、今になって思います。いや~、申し訳ない。

エモーショナルなメッセージングも、根っこは同じ。
ロジックだけで人を動かすのは、限界があるのです。
だって組織はヒトで、ヒトには感情があって、想いで動く。人間だもの。

ただ今回、話はそこで終わらなくて。

メンバーからいじられる能力とでもいうか、「いじられるのもリーダーの度量・器量だ」、というのが、私が強く思っていることなんです。

器が大きい・度量が大きい・懐が深い。

いろいろな日本語がありますが(それだけ日本人が、昔からこの能力を重視している、ということかもしれないですね)、リーダーにこれが備わっていないと、なかなか目下のひとたちから、おちょくられたりいじられるのウェルカム、とはならないのですよ。

実際のところ、私自身、つい最近まで、周りからいじられるのがとっても苦手でした。

なので ⇒ここからいきなりSnowmanの話になります

Snowmanの「ふっかさん」こと深澤くん、いつも、「すごいなあ」と感心してみています。

ふっかさんの「愛すべきダメ男ぶり」をメンバーがいじるのって、もはやあのグループの定番ですもんね。
また、嬉々としていじられてる&しばしば自らいじられにいっている、最年長ふっかさんが、なんとも愛らしいんだなあ。

Snowmanの公式リーダーは岩本くんですが、リーダー的な役割を彼1人が担っているわけではない、というのも、グループとして正解ですよね。

ふっかさんが「面倒見がいい、いじられリーダー役」を担っていることで(おそらく意識的にその役割を担っているのじゃないか、と私は見ているのですが)、よりグループとしての風通しがよくなっているように見えます。

メンバーやファンのみなさんの間で、「ふっかママ」などと言われているのも、きっとその証でしょう。いじられながらも頼りにされている彼の存在を、よくあらわしていますよね。

そして、エモーショナルなメッセージングは、岩本くんの真骨頂。

彼が話す時の、なにげに不思議なワードのチョイスとか手の動きとかも、個人的には好物なんですが(ファンの人しかわからないですねごめんなさい)、リーダースキル的に勉強になるのは、彼が「こうなる(ある)べき」じゃなく、「こうなり(あり)たい」という形で発信するところ。

加えて、「自分のインタビューを使ってメンバーを評価する」というテクニックを使っているところです。

例えば「リーダーとしての苦労?」という問いに対して、彼は「苦労はない。なぜならみんなが自発的に意見を出してくれるから。Snowmanはそういうグループ。だから自分は恵まれている」みたいに答えます。

これって、会社におきかえると、「部門長会で別部署の部長と会ったときに、自分の部下たちのいいところを、エピソードとしてさらっとインプットする」みたいなことだと思うのですが、私自身の経験上、これって意外と効果があるんですよね。

話がまわりまわって(会社って、本当に話がまわりまわるのですよ)「おたくの部長、みんなのここをほめてたよ」みたいな形で、メンバーに噂として伝わり、「うちのボスは自分たちをちゃんと評価してくれてるんだ!」と、彼らがやる気になる、という図式です。

もちろんチーム会議などで、メンバーに直接感謝を伝えることは必須ですけど、それに加えて、こういうテクニックも有効なのですよね。
岩本くんすごいや。

それにつけてもSnowman、知れば知るほど彼らから学ぶリーダーシップ、まだまだありそうです。今もっとも勢いがあるグループから、この先もどんどん学ばせてもらいましょう!


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