見出し画像

二次創作小説 佐野晶哉主演 『ヘビ系男子の大型犬』 Ep7. 年下男子はお嫌いですか


花梨が着てるワンピースのイメージ

色はもうちょい薄い。ストライプ柄。

参考:コットンローンティアードウエストリボンワンピース《S Size Line》 N.…
[楽天] https://item.rakuten.co.jp/nnaturalbeautybasic/hd4915/?scid=wi_ich_androidapp_item_share #Rakutenichiba



__
___
____

 花梨が行きたがっていたカフェは混みすぎて待っていられない、ということで、行先はファミレスに変更になった。




 宅見は向かいでサンドイッチを食べる花梨をじっと見ていた。相変わらず花梨は冷たく接しているけれど、もう手を繋ぐことは受け入れてくれていることを思うと宅見は嬉しくて仕方なかった。


「アイスコーヒー、でしたっけ、それ」
「シロップ1個は入れたけどね」
「僕、まだコーヒー飲めないんですよ。シロップ入ってるなら飲んでみてもいいですか?」


 お好きにどうぞ、と花梨はテーブルの上のバスケットの中に入ってるストローを出して、宅見の方にストローを置いた。のに。


 宅見は花梨が使っていたストローでアイスコーヒーを飲んだのだ。


「ちょっと!!!」
「うん、まだまだ苦い。」
「そこじゃなくて!!」
「えへへ、間接キス〜」
「わざわざストロー置いたのに!!」


 花梨は怒ってアイスコーヒーを自分の方に戻し、宅見が使ったストローは宅見のサンドイッチのお皿に戻した。


「あら、花梨さんが使ってるストローなのに、いいんですか??」
「宅見くんが口付けたストローでしょ、何言ってんの」
「やったー、じゃあ持ち帰ろうかなー」
「は!!??」
「すみません、調子乗りました…」


 花梨は宅見用に出した新しいストローを自分用にした。


「あんまり変なことするとはっ倒すわよ」
「変なことですか??俺としては健全な男としての行動をしてるつもりです。まだまだ未成年ですけどもう19ですけど色んなことに興味津々です。」
「なに言ってんの、まだ未成年でしょ、色々開き直らないで」


 こうやって発言に突っ込みを入れてくれてるだけでも嬉しいと感じているのは重症だろうか。
 今日のデートで振り向かせてやる。宅見はそう思っていたし、気合いも入っていた。




「そういえば、あの彼氏さんってどんな人なんですか??俺と似たタイプなら、俺も望みあるかな、なんて考えてますけど(笑)」


 宅見はストレートに、でも、探るような質問をした。こんな野暮すぎる質問に花梨がまともに答えるだろうか…


「宅見くんとは大違いです。元子役の大学生と教員を目指している大学生を一緒にしたくないね。」
「あら、じゃあ将来は教師の旦那か音楽家の旦那か、その2択ですかね。」
「何その2択、ていうか音楽家って」
「僕、音楽科のある大学に通ってるんです。音楽やりたくて」
「どんな仕事したいんだか知らないけど、教師の方がよっぽどいいと思うけど?安定してるしねー」
「あはは、それ言われたら何も返せない(笑)」
「まあ音楽家もヒット出せれば印税でのんびり暮らせるかもねー、宅見くんがどういうセンスなのか知らないけど」
「その場合を狙って僕と一緒に「なるわけないでしょ、何言い出すんだか」



 宅見に興味を示すが突き返してくる。最近知り合った2人である上に、むしろ宅見の近づき方からしたら警戒されてて当然だが、宅見はそれをツンデレと思っているのだからしょうがない。


 最初こそ嫌がられていたが、エスコートを受けていくうちに、花梨が心を許してくれればそれでいいと思っている。
 手だって繋いでくれるし、まだ彼氏にはなれてないけど、弟にはなれた。

 少しずつ、少しずつ。


 あの彼氏さんには申し訳ないけど、好きな人が被っているなら戦うしかない。絶対に花梨さんを振り向かせてみせる。

 今日のデートで宅見はずっとそう感じていた。





 しばらく色んな話を続けていたが、お店が混んできた。



「もう食事は終わってますもんね、もうお会計しましょうか。」
「そうだね。」

ここから先は

3,085字
この記事のみ ¥ 100

この記事が参加している募集

恋愛小説が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?