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3分で読めるアルフレッド・ノーベル~世界の伝記④~


ノーベルはダイナマイトの発明者。

読む前にたまたま、ノーベル賞の話題がニュースになっていてノーベル賞の由来はダイナマイトを発明した人の名前からきているということだけ知っていた。


あらすじ

1833年、スウェーデンの首都ストックホルムで生まれる。
2人の兄と弟の4人兄弟で小さい頃は身体が弱く、病気ばかりしていた。

父親は、なにかを発明することが好きであまり仕事をしなかったため、貧しかった。4歳の頃に父親がフィンランドへ働きに行き、ノーベルは学校へ入学するが病気がちだったため休むことが多く、家で好きな本を読んで過ごしていた。

9歳の頃、父親がフィンランドからロシアのペテルブルクに渡り工場を経営していたため、一家でペテルブルクへ移る。

17歳でアメリカへ留学し、科学の勉強をする。

アメリカへの船旅でイギリスの詩人シェリーの、世界の愛と平和をたたえる詩に心を奪われ科学者になるか詩人になるか迷っていた。

シェリーの詩に夢中になり、なかなか科学の研究に身が入らず2年でアメリカからペテルブルクに帰り、父親の工場で働いていたが過労で倒れ、スウェーデンのストックホルムの祖母の家で半年間休養しペテルブルクに戻った。

1853年、ロシアは領土を巡ってトルコと争っており、イギリスとフランスがトルコの味方として加わってクリミア半島でクリミア戦争が始まる。

戦争が始まったので父親の工場で作っている、水中に浮かべて物がぶつかると爆発する仕掛けになっている爆弾「機雷(=機械水雷)」が役に立ち、ロシア軍が使用する。

1856年、クリミア戦争でロシアが敗北し工場の経営が困難になる。

26歳の時に父親は母親と弟を連れてスウェーデンのストックホルムへ帰ったため、兄弟3人で力を合わせて工場を経営していた傍ら、ノーベルは工場を手伝いながら研究を続けていた。

30歳の時にニトログリセリンを使った火薬を発明し、ストックホルムに戻り父親が借りた土地にニトログリセリンを使った爆薬を作る工場を建てた。

工場で作った商品は鉱山やトンネル工事など、様々な場面で素晴らしい力を発揮した。

弟が工場の爆発で亡くなり、警察から町で火薬を作ってはいけないと命令され父親も身体を壊したが兄の助けもあり、ストックホルム近くのウィンテルウイックに新しいニトログリセリン工場をつくった。

イギリスやアメリカにもニトログリセリンを使った火薬を作る工場が増えていき世界の国々にどんどん広がっていったが、世界各地でニトログリセリンによる爆発事故が起こった。

ニトログリセリンは液体なので振動に弱く、運ぶ時に事故が起きていると気付き、固体に出来ないか実験を繰り返した。
34歳の時、珪藻という水中の小さな植物の死骸が長い間積もって土になった珪藻土を使って、固体のニトログリセリンの火薬を発明した。

これが「ダイナマイト」と名付けられ、スウェーデン政府から特許を与えられた。
世界各地にダイナマイト工場が出来て、世界の産業が大きく進歩した。


1871年、プロシア(=今のドイツ)とフランスの間で起こった普仏戦争でダイナマイトが兵器として使われ、一部の人から「死の商人」と非難された。

パリに移りダイナマイトより強力な火薬を作る研究を始め、42歳のときに「ゼラチン・ダイナマイト」を発明する。

ノーベルは自分の発明した火薬が戦争に使われ、たくさんの人の命を奪ったことにいつも心を痛めていた。

当時雇っていた女性秘書が平和運動に積極的で、その考え方に大きな影響を受け世界各国にダイナマイト工場を作ってお金持ちになったため、そのお金を平和運動をしている団体に寄附するようになった。

54歳の時に煙の出ない火薬「バリスタイト」を発明し、特許を取得するが4年後にバリスタイトを作る権利をイタリアに売ると、フランスの敵であるイタリアに売ったと言われ研究所を使ってはいけない命令書を出された。


イタリアのサン・レモに移り住むが60歳を過ぎ身体を悪くして財産を文明の進歩や世界の平和のために役立ててほしいと願っていた。

62歳の時、自分が死んだ後に残した財産でその年に人類のために最も尽くした人に対して賞金を贈って欲しいと遺言状を書き、その翌年にノーベルは亡くなった。

ノーベルが亡くなった5年後からノーベルの遺言状通り、賞金が贈られるようになり、賞の名前を「ノーベル賞」と名付けられた。



学んだこと・感じたこと

・ダイナマイトは戦争以外にもトンネル工事や工業の発展など様々な場面で役に立ったこと
・亡くなった後も皆が知っているような有名な人は平和に対して世に働きかけをしている人が多い

行動すること

・自分が死んだ後も世界のために財産を残せる人間になりたい
・ノーベル賞の種類や受賞した歴代の人を勉強する
・ズットナー夫人が書いた小説「武器を捨てよ」を読む

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