ちひ

ぽよよ〜ん

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最近の記事

電話。

懐かしい話を一通り終えると3時間半が経っていた。 「そろそろコナン見るから電話切るね」私がそう言うと彼は「バイバイ」と言い、私は電話を切っ た。  コナンを見ながら6年前の学生の頃を思い出していた。今から思うとあの頃は輝いて見える。 全てが楽しいと思えた。いろんな人と出会った。その出会いの場には彼と行ったこともあった。 あれだけ笑いあって、楽しいことをして、なんであんなに笑えたんだろ。なのに、あの時・あの瞬間の共有が今ではもう戻らないことを、私は理解した。 会話の中で、彼に

    • 第一章 沖縄旅行

      彼と付き合ってた当時、大阪と北海道の遠距離だったから、旅行するにしても現地集合だっし現地解散だった。 「ちひろが好きそうな場所たくさん入れといたよ」 沖縄旅行が決まって彼が隣で言う。プランを考えてくれたり飛行機を予約してくれたり、とても慣れた手付きでどんどん未来が出来あがっていく。 「ありがとう。楽しみだね」 隣にいる彼に寄りかかりながら、一緒にワクワクする時間を過ごした。それは、私がずっとずっと待ち望んでいた時間、淡くて優しい水色みたいな、私がずっと欲しかった時間だ

      • 幸せとは。

        私のだいすきな人へ  ずっと元気に過ごしていますか。私は今日とても良いことがありました。それを伝えたくて、お手紙を書きました。でもその前に、あなたは運命を信じますか。  私は、あなたと離れている時にツインレイのことや運命の人のことをずっとネット検索していました。そう言った記事は正直、信じ難いものばかりで私も心の底から信じたものはあまりなかったです。しかし1つだけ、心にずっと残っていた誰かの体験談が書かれた記事がありました。その内容は「原因不明の病で入退院を繰り返していた女

        • 狭小邸宅を読んで。

           私にはこのお話があまり理解できませんでした。罵声や暴力を受けてまでやらなければならない仕事などありません。主人公は一刻も早くその環境を変える必要があったと思います。「自分に合った仕事を探せ」というアドバイスは間違っていると思います。そんな仕事存在しません。どんな仕事でも長年続けていれば「違ったかも」と感じることは常に出てくることと思います。色んな仕事や経験を通して、自分の中で折り合いを付けることができる環境で、やるしかないとも思いますが、そもそも仕事自体を本気でやることが間

        電話。

          #一歩踏みだした先に

          「ちひろじゃん。」  私が久しぶりで電話をしたのは元カレだった。詳細に言えば元々彼氏。中に1人を挟んでいた。彼の声色はとびきり嬉しい様子もなかったが、そこには確かに何か感動しているようなやわらかな雰囲気を私は電話越しに感じていた。 「久しぶりだね、元気にしてた?」  他愛もない会話からしか始められなかった。彼と連絡を絶って半年ほど経っていた。あの時はもう彼と会うことはないと思っていたし、自分なりにも相当な覚悟を決めていた。間違った選択ではないと言い聞かせていた。  去

          #一歩踏みだした先に