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邦画もいいもんだ

『踊る大捜査線』で
白黒に切り替わり、
煙突から色のついた煙が出ていたシーンで
沸いた人はどのくらいいたか…

名シーン
天国と地獄

このシーンは
黒澤明監督『天国と地獄』のオマージュである。
ほかにも「蒲田」のセリフなどは『砂の器』だったりしたわけで、
ところどころに散りばめられたオマージュ

なので『踊る大捜査線』を見たあとは
『天国と地獄』を見るか『砂の器』を見るか
悩む。

砂の器より

そのあとは『男はつらいよ』
を見たくなるという
どっぷりと映画に浸かった人間が私なのである。

しかしここで記載した作品を観た日本人はどれくらいいるのだろうか

悲しいことに黒澤明、小津安二郎など知る人は少ない気がする。


小津安二郎 黒澤明

黒澤明、コッポラ、スコセッシ、スピルバーグ、ルーカスなどは黒澤明を尊敬し、スコセッシは大学の論文に黒澤明について書いたほどである。

小津安二郎にいたっては
その静かで慎ましく、リアリティを求め続けた作品、
そして独特のアングルにより
ジム・ジャームッシュなどがアングルを参考にしていた。
他にもいるのだが名前を忘れたので割愛、ごめんなさい。

なぜか日本人は日本映画を観ない。
私はそう感じる。

賞を取った映画は見るが、
昔の映画には興味を示さない。

例えば三船敏郎がベネチア映画祭主演男優賞をとった映画など
どんな演技をしているのか気にならないのか、
誇りに思わないのか
と疑問がわく。

三船敏郎『椿三十郎』


基本的に三船敏郎は三船敏郎なのである。
何を演じても三船敏郎。
だが迫力、存在感、哀愁を表現するのが非常にうまい

私は『椿三十郎』が好きなのだが、
この三船敏郎が最高なのだ。
刀の腕前は文句なく、飄々と茶目っ気がありながら迫力はあり反面優しさ、つまり父性を滲ませついていきたくなる。頼りたくなる。

今は岩下志麻さん、加賀まりこさんなどの往年の女優の若い頃の画像がSNSに出てくるが、
「可愛い」
「美しい」
「色っぽい」
とコメントはすれど
どれくらいの人が彼女たちの作品を観たのか疑問である。

ザ・女優 岩下志麻
小悪魔、加賀まりこ
黒い十人の女より

逆に海外はドラマを観ていても
過去の映画の作品名やセリフ、俳優の名前
などよく出てくる。

カサブランカ
地上より永遠に

「君の瞳に乾杯」
浜辺で抱き合ってキスをするシーン
スカートをあげて脚を見せるシーンなど
あげればキリがない。

日本でよく使われるシーンは
『スケキヨ』ではなかろうか?

そういえば、
私は市川崑監督の『金田一耕助シリーズ』が好きである。

女の切なさ
複雑な人間関係


とにかく見れば見るほどこの監督独特のよくわからない演出がおもしろい。
おもしろいだけではなく、
女としての哀しみもしっかりと演出している。

それだけではない魅力がある。
見てほしい…

そして語り合いたいと切に思う


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