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【スチームコンベクションオーブン活用法】 焼き物・蒸し物・煮物編

スチームコンベクションオーブン(スチコン)の有効活用を紹介します。

調理現場にこだわりを持ち続け27年   

社員食堂、身体障害者施設、老人ホームの勤務経験有り、給食会社在籍中  

内容は、
私が実際に行っている作業になります。
少しでも、参考になれば幸いです。

他現場では、どのように活用している?

作業効率は本当に上がるのか?

メリット・デメリットは?

などなど、
記載していきます。

最後まで読んでいただけると嬉しいです。



そもそも、スチームコンベクション(スチコンとは、

オーブンと蒸し器を組み合わせた高性能調理機器になります。


スチコンには3つのモードがあります。

・スチームモード

「蒸気」を庫内に循環させ加熱します。

例)
温泉卵、茶碗蒸し、プリン、蒸しケーキ、粉吹き芋、低温調理、低温での煮込料理、茹でもの

スチームを低温から高温(130℃)まで温度設定ができるので、繊細な蒸し物調理が可能です。

メリット
*卵料理の温度管理に重宝
温泉卵、茶碗蒸しは、温度さえ間違えなければ、とてもにキレイに仕上がります。

*いも類を吹かす時は105℃で
高温の状態で蒸すと、ホクホクした粉吹き芋が出来上がります。

*下処理の下茹でに活用
例えば、酢豚の人参
本来ならば油通しするのですが、
フライヤーの油の劣化度にもよりますが、大量だと油っぽくなりがちなのでスチコンで蒸し、柔らかくしてからタレと絡めています。
中華系のメニュー時に、
油通しの代わりにスチームモードを活用しています。

*煮込み料理
じっくりコトコト煮込みたい時
すじ、ホルモンの煮物や、角煮、おでんなど
高温120℃のスチームで何時間も!!
柔らかくなるまで加熱します。

途中で混ぜる作業がいりません。

焦げる心配がありません。


用途により温度設定を変更し活用しています。


デメリット

*葉物野菜を茹でる
⇒鍋で茹でた方が早くてきれいに仕上がります。

鍋の場合
茹であがった野菜を冷水や氷水で色止めをします。

スチコンの場合
茹であがった野菜の冷却は、ボールやザルに移し替え冷水、氷水で色止めをします。

効率が悪く、洗い物が増えるのでほとんどおこないません。

また、
ブラストチラー(急速冷却器)がある現場は、スチコンで茹でた方が、
香り、色などを封じ込めるのでおススメです。

・熱風モード

「熱風」を庫内に循環させて加熱します。
家庭のオーブンレンジと同様なモードになります。

例)
肉、魚の照り焼き、漬け焼き、豆腐ステーキ、焼き野菜など

実は、このモードはあまり使いません。

なぜなら、コンビモードの方が取り扱いがよくジューシーに仕上がるからです。

水分量が多い食材の時に使用します。

豆腐ステーキが代表的です。

焼き野菜時に使用
特に、冷凍ブロッコリー、冷凍カリフラワー、ポテト、南瓜、蓮根などになります。

冷凍野菜は、水分が多いので焼き野菜の調理法はおススメです。

茹でるより水っぽさがなくなります。

焼き南瓜になります。

南瓜を並べサラダ油をふり塩胡椒をします。
230℃で12分 熱風モードで加熱



焦げ目をつけたい時
高温の熱風モードでもよいのですが、焦げむらができてしまいます。

いろいろ試した結果
食材の加熱後に、バーナーで焦げ目をつける方法に落ち着きました。

・コンビネーションモード

「蒸気」と「熱風」を組み合わせて庫内へ送り込み循環させて調理します。

このモードが、スチコン最大の特徴です。

蒸気と熱風を組み合わせる事で、焼き物、煮物、炒め物、炊飯、炒飯、ピラフと様々なメニューが調理可能にです。

*焼き物
肉、魚の焼き物
ハンバーグ
180℃~230℃(メーカーにより温度は異なります)
蒸気量30%~50%

蒸気を加える事で、ジューシーに焼き上がり柔らかく仕上がります。

*煮物
おススメは
南瓜の煮物、里芋の煮物、厚揚げの煮物、肉じゃが煮、鯖の味噌煮、カレイの煮付け
120℃~140℃
蒸気量80%

メリット
煮崩れがなく食材ロスが少ない
鍋の場合、大量調理だと食材の重みで煮崩れが発生します。

煮魚は鍋からウォーマーに移す時に煮崩れが発生します。

そんな悩みを解決してくれます。

デメリット
スチコンは煮詰めるという調理工程は不向きです。

炒り煮の時には、必ず鍋を使用します。
ごぼうのきんぴら、ぜんまいの炒り煮など

肉・魚の照り煮
照り煮は、煮詰める工程がスチコンでは難しいです。


スチコンで煮あがった肉・魚の煮汁を別の鍋に移します。

その煮汁を照りが出るまで煮詰め、煮あがっている肉・魚に戻します。

ひと工程、増えてしまいますが、、こちらがおススメです。

大量調理だと水溶き片栗粉でとろみをつけ照り煮にする場合もあります。
が、、、
やはり、鍋で煮詰める方が私は好きです。

*スチコンで煮物をすると煮汁がたくさんいる??

感覚的な表現になりますが、
煮汁はヒタヒタより少なめに用意し、落とし蓋の代わりにクッキングペーパーを被せます。

厚揚げと椎茸の煮物

煮汁の量はヒタヒタより少ないめ
クッキングペーパーをかぶせます。


*アクを途中で取れない
加熱途中に一度、取り出しアクをとる
⇒効率がとても悪いです。

ほとんどおこないません。

アクを取ってくれる便利アイテム

クッキングペーパー

クッキングペーパーは、とても優秀です。

アクを取ってくれます。 

味が染み込みやすいです。

アルミホイル、クッキングシートを落とし蓋の代わりに使用する時もありますが、スチコンでの煮物にはクッキングペーパーが一番です。

注意)
キッチンタオルを落とし蓋の代わりに使用すると溶けてしまうのでご注意下さい。



ほとんどの調理員が煮汁を多めに作っているというイメージです。

ダボダボ(食材が煮汁に浮かんでる状態)で調味料がもったいないです。 

調味料も原価のうちです。

ほとんどの煮汁を、排水溝に流しているようではいけませんよね。

まとめ

スチコン講習会、WEB上のスチコンレシピなどを拝見すると、

すべての工程をスチコンで行うレシピが多いです。

現場では、何種類ものメニューを同時進行で調理しなければなりません。

現場にある調理機器をフル活用する事が、効率化に繋がると考えます。

スイッチを押したら、、ほったらかしにできる事が最大のメリットと感じています。

つまり、

その間に、他の作業が可能となります。

加熱中に、

日々の義務をどれだけこなせるかが、

効率化のポイントと考えます。


次回は、
炒め物、揚げ物、炊飯、炒飯編を考えています。

美味しい食事の提供を頑張っていきましょう。

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