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キャリアコンサルタントのmoghedgeです!
私は、キャリアコンサルタントを通じて、
多くの学生や、相談者とお会いしたのですが、
そもそものキャリアに対する認識のズレ
を感じることがありました。

偏った捉え方のせいで、
「自分のキャリアは良くない」
と自分を苦しめてしまっている方もいました。

そんな経験があったので、少しでもキャリアに対する理解を深めてもらうベく、今回のテーマは、
【良いキャリアとはなんぞや?】にしました!

私のキャリアってどうなんだ?
どんなキャリアが良いキャリアなの?
という方は、ぜひ読んでみてください!


1.そもそも、キャリアとは

まずは、「キャリア」という言葉の定義から。
キャリア組、キャリアウーマンといった言葉から、キャリア=仕事 とイメージを持つ方が多いのですが、元々の言葉の由来は、ラテン語で
「馬車が通った後の轍(わだち)」
なんです。

つまり、キャリアとは仕事そのものではなく、
「これまで人生を歩む中で、歩んできた道・経験」
のことなのです。

皆さんは、『ライフキャリア』という言葉を聞いたことがありますか?
これは、仕事だけでなく、個人の活動(趣味・ボランティア・家庭)における経験も含めたキャリアのことを指します。

プライベートも含めて、自分のキャリアだと捉えるのです。今は仕事に全力を注いでいても、将来家庭ができて、仕事にかける時間が減るかもしれません。

仕事だけをキャリアとして捉えている方は、
仕事より家庭を優先してすることは、
なんだか良くないことのように思われていたりします。

ですが、ライフキャリアはプライベートも含めた人生全体をキャリアとして捉えています。
「仕事のボリュームを抑えて、家庭に時間を充てることができている。」
といった具合に、全体がどうかをみて判断するので、ネガティブな思考になりにくいのです。

まずは、キャリア=仕事 という思い込みを捨てましょう。
仕事もプライベートも含めた人生そのものが、
あなたのキャリアなんです。

2.キャリアはどう評価する?

自分のキャリアが良いか悪いか、
を考えるにあたって、2つの捉え方があります。

それは、
<外的キャリア>と<内的キャリア>
です。

■外的キャリア
これは、外から見てもわかるキャリアのことです。

例:学歴、年収、職位、技能、会社規模…

「大手で部長職として年収1000万以上もらっているからすごい。」
「名前を言ってもわからないような、中小企業で、たいした給料ももらえずに働いているからダメだ。」

といった話をしているのであれば、それはまさにキャリアを外的キャリアで捉えているということです。

確かに、有名な企業に入ることや、年収を上げたいという気持ちは誰もが考えることでしょう。
ですが、外的キャリアは、

 高い=良い
 低い=悪い

でキャリアを捉えてしまうので、
悲観的になるケースがほとんどです。

そもそも、
日本の99%以上が中小企業ですからね…

私も社会人になりたての頃は、
自分が高学歴でないこと、無名のベンチャーに入社したことを悲観していました。
(今となっては、なんでそんなこと気にしてたんだろうって思います。)

外的キャリアで、自分のキャリアの良し悪しを図るのはオススメできません。
そこで、内的キャリアの考えが大事になってくるわけなんです。

■内的キャリア
内的キャリアとは、自分自身の内側にある価値観のことを指す言葉です。

例:やりがい、喜び、満足感

本人が口にしない限り、外からはわからないのが特徴です。

「元公務員だったが、仕事を辞めて今は自給自足をしている。」
という方がいたとします。
公務員を辞めるなんて勿体無い、給料がなくなってしまうじゃないか、など、外的キャリアで捉えるとビックリな決断です。

ですが、

・野菜や果物を育てるのが楽しい
・オフィス街よりも、田舎で過ごす方が好き

など、その人の中にある価値観に当てはめれば、
これも良いキャリアと言えるのです。

このように、内的キャリアは、自分のものさしでキャリアを捉えるので、周囲と比較してツラくなることがありません。あなたが良いと思っているかどうか、が大事なので、内的キャリアを大事にすることで、満足感も高まります。

もちろん、収入アップや出世を目指すことも悪いことではありませんが、そこに自分の意志がないのであれば危険です。

キャリアを評価するときは、周囲の反応や評判を気にしすぎてはいけません。自分がどうありたいか、をもとに評価することが大事なのです。

3.自分の価値観や軸がわからない

内的キャリア(自分の価値観)でキャリアを捉えると良いとお伝えしましたが、

「いきなり価値観と言われても…」

という方もいらっしゃると思います。
そういった方は、今からご紹介する、キャリア・アンカーをもとに考えてみるといいでしょう。

キャリア・アンカーとは、組織心理学者のエドガー・H.シャイン氏が、個人が持つキャリアに対する譲れない価値観を船の碇に例えたものです。

海に浮かんでいる船が、碇で潮に流されないように、個人にもそこから動かしたくない価値観や軸があるのです。

キャリア・アンカーは8つのタイプに分類されています。

<キャリアアンカー8つの分類>
①管理能力
 経営者やマネージャーを目指す
②専門・職能別能力
 何らかの分野のエキスパートを目指す
③保障・安定
 経済的に安定していたい
④自立と独立
 自分の裁量で仕事を進めたい
⑤起業家的創造性
 自分のアイデアを活かしたい
⑥奉仕と社会貢献
 社会の役に立つことをしたい
⑦純粋なチャレンジ
 困難なチャレンジに挑みたい
⑧ワークライフバランス
 仕事と生活のバランスを取りたい

自分が持つキャリア・アンカーを理解しておけば、
例えば転職をする時に、『友人が働いているから』『給料が高いから』など、うわべの誘惑にブレることなく、自分にとってどのような生き方・働き方がいいのかを選択できるようになります。

「たぶん、私は④かなぁ」
「②と③かな?」
など、曖昧でも構いませんので、
自分はどんなことに喜びを感じるのか、
何を大事にして生きてきたのか、
キャリア・アンカーを見ながら考えてみてください。

4.結局どんなキャリアにしたら良い?

キャリアの定義と、捉え方をお伝えしたので、いよいよ本題に入ります。

良いキャリアとはなんでしょう?

おさらいも含めてお話をしていくと、
まずキャリアは、仕事のことだけではありません。プライベートも含めた『ライフキャリア』という言葉を紹介しましたね。
人生全体を見たときに、“良い状態” にあるか、を確認することが大事です。

そしてその、“良い状態” は何かというと、
地位や給料など、外から見てわかる
外的キャリアではなく、
内的キャリア(自分が持つ価値観)で
捉えた時に、良い状態かどうか、が大事とお伝えしましたね。

自分が持つ価値観とは、
キャリア・アンカーでお伝えした通り、
独立や社会貢献、生活とのバランスなど、
人それぞれです。

つまり、全員に共通する明確な答えはなく、
個人の価値観次第で変わるものなのです。

今送っている人生を見たときに、
自分が満足している。自分の価値観に沿った生き方をできていれば、それはきっと良いキャリアを歩んでいるということなんです。

仕事とプライベートのバランスは問いません。

私の友人の中には、起業して、ほとんど休みなく
働いている人がいますが、とても楽しそうです。
仕事そのものが生きがいになっているんですね。

一方で別の友人は、子育てにやりがいを感じ、仕事は全くしていません。SNSに子供の写真をあげて、楽しそうに毎日を送っています。

かなり対照的な例ですが、どちらも本人にとって “良いキャリア” を築いている、といえるのではないでしょうか。

キャリアの価値観は様々なので、
どんな人生を送るのが正解なのかは、
あなた次第です。

その人生に喜びや、やりがいを感じているのか、
あなたにしかない物差しで、考える必要があります。

5.良いキャリアの築き方

自分の価値観や軸に沿った、キャリアは間違いなく、充実したものになることでしょう。
ですがここで、こんな声が聞こえそうな気がします。

「好きなようにできたら、とっくにしてるよ!」
「やりたいことができる?そんな都合の良い仕事ないだろう!」

はい。ごもっともです。
人生そんなに甘くありません。
これがやりたい!と思っても、100%叶うとは限らないのです。

なぜなら、

・世の中にはルールがある
・予期できないことがたくさん
 (天災、倒産、病気 etc…)
・周囲の価値観が自分と違う

からです。

なので、まずお伝えしたいことは、
キャリアデザインをするときは、
『望むキャリアに近づける努力をする』
ことが大事です。

“近づける” という表現を選んだのは、お伝えした通り、世の中はアンコントロールなことが多いから。ましてや、変化の激しいVUCA時代と言われる現代ですからね。

自分の理想を目指しつつも、
100%は求めない。
『5%好きなようにできている』を、
『10%好きなようにできている』
にするくらいの、
小さな一歩を踏み出していくイメージです。
望みすぎない、でも諦めずに一歩は踏み出すということです。

といっても、よくわからないですよね。
わかりやすいフレームワークがあるのでご紹介します。

<キャリアデザインの輪>
これは、キャリアを
 ・Will ⇨やりたいこと
 ・Can⇨できること
 ・Must⇨やるべきこと
の3つの輪で表したものです。

3つの輪が重なる職務につくことができれば、天職になりうると言われています。

Willには、やりたいことを書きましょう。
警察官・海外営業・youtuberなど、職業名でも構いませんし、人と話す機会が多い仕事、ファッションに関わる仕事、在宅の仕事など、曖昧でも良いので、自分の希望を記入します。

Canには、できることを書きましょう。
英語が話せる、PCスキルがあるなど、です。
他人と比較する必要はありません。
資格や賞を取るほどのレベルも求めていません。
ゲームが得意・時間を守れる・力が強いなど、ちょっとしたことで良いので書いてみてください。

書き終わったら、WillとCanの重なる部分がないか確認してみましょう。例えば、海外の人と話すことが好き(Will)・英語が話せる(Can)といった具合です。

このWillとCanの重なりに該当する仕事につくことが理想です。

ただし、ここで忘れてはいけないのが、Mustです。外国人と話すのが好きで、英語が話せてもそういった仕事につけるとは限りません。

例えば、ビジネスレベルの英語を求められたり、業界知識や、法知識が求められた場合などです。

世の中のニーズも加味しなければならないんですよね。Mustに届かない分は、努力で補うしかありません。

残念ながら、良いキャリアを築くには、一筋縄ではいかない部分があります。やりたいことがあっても、必要とされていなかったり、求めるレベルに自分が達していないことがありますからね。

ですが、少なくとも行動すればするほど、理想の状態に近づけることは間違いないです。
このキャリアデザインの輪では、3つの輪の重なりを大きくしていくことが大事と言われています。

努力次第で、知識・経験(Can)は増やすことができます。

やりたいこと(Will)にフタをして、嫌々人生を送るのはとてももったいないです。

過去は無理でも未来は変えることができます。
ぜひ、今からできることがないか、探してみてくださいね。

6.まとめ

いかがでしたか?そもそもキャリアとは何か、自分にとって良いキャリアは何なのか、についてお伝えしてきました。

キャリアの良し悪しは、他人が決めることではありません。自分がこうしたい!という価値観・軸に沿っていればOKなんです。

他人と比較したり、世間の評判を気にすることはやめましょう!

今、あなたが歩んでいるキャリアが、
100%理想の状態でなくても、
まずは10%⇨15%⇨20%というふうに、
少しずつ望む方向性に動かす努力をしてみてください。

そうすれば、あなたのライフキャリアの満足度が高まるはずです。
後半のフレームワークは、記事のボリュームも考慮し、少し端的な説明になってしまっています。また別記事でゆっくりと解説させてもらいますね。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。





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