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Sugar Body
この包まれてる時が私の至福だ。どこかへ行こうと試みてもいつも頭の中だけで、結局冷蔵庫の中に残ったアイスキャンディーを惰性で舐めてしまう。ラジオが今日の天気を陽気に話す。北の方は雨らしいのだが他は基本的に晴れで、窓の外をみると青い空が一面に広がっている。きっと自分と同い年の若者は今頃幸楽に勤しんでいるんだろう。南の小島に集まってエメラルドの海に全身を染めて肌をこんがりと焼き、夜にその土地にしかない珍
もっとみる日本海でまた会いましょう。
「灰色に濁った海、代わり映えしないな。」
この町には一際目立ったものがない。というか何もない町だ。昔何か注目を集めた名残が今の腐った街並みの基盤を担っている。平日の朝には大都市が若者を吸い取って、日が暮れると駅から何者でもないカスが町いっぱいにそまる。ベットタウンというよりもシンクの生ゴミ入れって言ったほうが正しい。それが母の実家だ。
私は正月になるといつも防波堤にきて、海と空を見る。ごま色
ただ映画を見て面白かった話
久しぶりに映画を見た。
「パーフェクトブルー」今は亡き今敏監督の映画だ。彼の映画は毎度そのカットの滑らかさが魅力で毎度感心してしまう。
今回もとても魅力的な世界観でかつ今敏が作ったんだと言えるような映画だった。同じパースの場面転換。幻想と現実の混合。時間の変異。全てがあまりに滑らかであった。
最近よく平沢進の「夢の島思念公園」聞いてるのだけれど、2番あたりからラスサビに入る間の音のバグみたいなもの
ただの言い訳もいいとこで。
国語の問題はおかしい。なぜならそれは文学作品という読者の娯楽であるからだ。
よく文章題でこの人の気持ちを答えてくださいというものがあるが、そんなものわかるのはちゃんちゃらおかしく、笑ってしまう。例えば彼女に振られた主人公が泣いているシーンを見てどう思うかと聞かれた時、大半は別れたという悲しみというのが正解だとなるとしよう。しかし彼が「悲しみ」という言葉一つで終わらせられる感情にあるとは思えない。彼
逃げの徹夜の愚痴話。
夏の終わりにしてはやけに涼しく気持ちが悪い。窓の外からは秋風めいた寒さが肌を、昔覚えて忘れた虫の鳴き声が耳を、そこなく悲しくなるやめが目を。やけに眠たいのはこの前の寝不足のつけがまわってきたみたいである。にしても最近、あまりぱっとしやしない。というのも生活感があまりにもないことがすごく自分を悩ましている。来月の終わりにグループ展があり、私はかなり大きさのあるものを作らなくてはいなないのだが、そのア
もっとみる読み終わってない本を読んだ話
絵があまりかけなさすぎるせいで時間が刻々と無駄に減っていくことが怖くなって、読みかけだった本を読んだ。すごく面白かった。なんか何を持って描くのかということを改めて考えさせられた。最近、手を機械的に動かして絵を描く自分が死ぬほど嫌いだった。この手から生み出されるものがいかに無駄なのか。いかに無意味なのか。周りの人は褒めてくれたりもするけど、自分自身がそのことを真っ直ぐに飲み込めないのは一番そういうこ
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