見出し画像

多様化への道

今回はあくまでも、思考実験として考えてみた。
出発点として、外出自粛に従わない人はどう考えているのだろうか? を考えてみる。

どうせ上級国民しか検査も治療もしてもらえないんだから、うちらには関係ないよな~と思っている人が増えているのではないか。格差がこういう形で広がっているのではないか?

と、推測として思っている。言うまでもなく、

1.PCR検査を厳しく制限している
2.医療崩壊への訴えが初期から言われ、病院へ行くなという話さえ出ていた
3.経済活動停止への補償がほぼ皆無であった。現時点でも十分とはほど遠い
4.マスク、アルコール消毒液等、感染を防ぐためのアイテムや、紙製品等の日用物資が手に入らない、あるいは極めて高額になった

この状況で、実際に生活に困窮している人たちの立場を、自分なりに勝手に察してみたのだが。

新型コロナに感染して死ぬのも、普通に肺炎で死ぬのも一緒ではないか。これだけ検査を制限してたら、どうせ自分たちが感染したとしても、検査なんかしてもらえないし、死んだ後に感染がわかろうがもはやどうでもいい

病院へ行くなと言われるが、そもそも自分たちは、病気になっても病院へ行く余裕などない。仕事を自粛しろ、営業を自粛しろと言われても、家賃も生活費も払えなくなるのに、どうしろと言うのか。だったら、病気で死ぬのも、飢えて死ぬのも同じことだ。

まして、感染を防ごうにも、マスクもアルコールも、日常必要なトイレットペーパーさえも思うように買えない。暇な人は朝から並ぶかも知れないが、そんな余裕もない。持ってないのにマスクをしろといわれてもどうにもできない。

つまり、単一民族で均質な社会と言われてきた日本も、ようやく世界標準に格差の広がった社会になったのではないか。

あくまで私の個人的思いつきだが、そう想像している。

私自身、情報格差が広がったとは、ずっと感じてきた。前々からずっと言ってきたことだが、何せ、どんなに正しい情報を集めても、見たくないものを見ない、聞きたくないことを聞かない人には絶対に届かない。

冒頭の話だが、「何故、この人達はちゃんと外出自粛をしないのだろう?」と思っている人は、世の中には多くいるだろう。

正直に言うが、そんなの私はこれまでに、イヤと言うほどたくさん見てきた。論理的に正しいことを、星の数ほど否定されてきた。今さら何を言っているのか。

もう、話のわからない人には絶対に届かないほど、社会の分断は深い。そうなったのだということだ。そしてそれはたぶん、世界標準だから、諦めるしかない。諦めて、そういう社会だということを前提にして、今後、どういう社会を構築していくかを考えるしかない。

何故、世界で強制ロックダウンになって、場合によっては警察が取り締まり、罰則があるか。そうしないと、言うことを聞かない人が存在している社会なのだ。で、おそらく、遅まきながら日本も今後、そうなっていく。

で、それを悲観的に捉える考え方もあろうが、私はこれは良いことだと思っている。言うまでもなく、そうなれば、ようやく日本も、多様化を認識せざるを得なくなる。そして最終的には、多様化を容認せざるを得なくなる。

そうしなければ、社会が崩壊するからだ。

もはや、同調圧力で運営できる社会は帰ってこない。阿吽の呼吸も通用しない。空気を読めない人がたくさん生まれる。「日本人だから」でカテゴライズできなくなる。
そうなって初めて日本人は、人とのコミュニケーションの大切さを、もう一度本気で考え、基本的な会話、やり取りを大切にするようになるのではないか。

知り合い以外は仲間と思わない。だから、困った人がいる時に、日本人が声をかける率は世界で最低レベルに低い。それは、同一民族という幻想に甘えているからではないか。

ヨーロッパでは、アメリカでは、差別が日常的にある。日本にはない
という夢物語を、日本人が日本人同士で差別し憎悪するようになって、ようやく打ち破ることができるのではないか。日本には外国人は入れない、という偏狭な考えを、ようやく捨てざるを得なくなり、日常的に外国人や異民族が隣に住んでいる、という現実がやっと日本で実現する(実はすでに実現しているのだが)のではないか。そして遅まきながら、真の多様性を学べる機会を、ようやくこれから日本人が手にするのではないか。

おそらく今回の新型コロナ感染症は、短期では終息しないし、前回の新型インフルエンザのように、最終的には共存を選ぶしかないだろうと私は思っている。ロックダウンによる人の行き来の不自由、経済活動の停滞、おそらく各国が巨大な変化を余儀なくされる。正直、日本がこの事態に適切に対処できるとは私は全く思っていない。おそらく、世界に恥を晒すことになるだろう。

だがそんな中で、希望の光を見つけることがあるとすれば、多様化ではないかと、私は想像している。

サポートしてくださるなら、それは奇跡としか思えません。心より、感謝申し上げます。