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政権交代を起こす手がかり

安倍晋三氏が検査で病院を「訪問」したらしい。
これをきっかけに、前々からあたためていたネタを書いてみる。

現状では、自民党内部は、安倍氏の健康不安をあおり、メディアにも騒がせて、安倍氏本人が健康不安から勇退を言い出すのを待っている、というレベルではないかと私は推測している。たぶんまだ、誰も鈴をつけることができない。

自民党内部の「安倍降ろし」かも知れないが

そもそも、外から辞めろと言うまでもなく、自民党内部から、安倍総裁を降ろしたいという声はずっと前からある。特に、コロナ禍での対応のまずさから-これは安倍晋三氏だけの責任ではないが。ただ、長年の実績もあり、専制君主となりつつあることもあって、だれも鈴をつけられない。鈴をつけた者が戦犯として処断の対象になりかねない。問題はその一点と言って良い。
だから、安倍晋三氏を降ろす口実さえ見つかれば、自民党内部は一気に動く。
これは、前回参院選後から明らかだったと私は思っている。

衆院選は安倍総裁では大勝ちできない

つまり、自民党としては、極めて冷静な判断として、次の選挙は安倍首相ではもう戦えないと踏んでいる。前回の参院選も、公的には勝利ということにしているが、改選数では自民党単独で過半数を割っており、有力な若手候補が落選していて、不満の声も上がっている。
そもそも、次の選挙も安倍総裁では、もう圧勝は望めない。いい加減、国民にも飽きられている。次の衆院選で再び議席を減らすことになるのは間違いない。

それでも政権交代が起きるほどの波は全くないので、このまま戦っても政権を失う心配はない。
だが、実績の浅い若手有力議員が落選するようであれば、安倍離れが自民党離れになりかねないことは、当の自民党自身がよくわかっている。

フレッシュな総裁で衆院選圧勝というシナリオ

ということで、自民党として最も望ましいのは、総裁を入れ替え、とにかく看板を替えて、フレッシュなイメージで衆院選に臨むことだ。これで自民党の政権基盤は揺るがない。顔ぶれの変わらない野党への流れは起きておらず、新生自民党をアピールできれば、引き続き、2/3の議席維持も可能だろう。

よって、安倍晋三氏の通院は、安倍降ろしの一つのシナリオ、という可能性がある。健康不安~勇退、というストーリーだ。
ただ、安倍氏は、第一次政権時も健康不安から政権を放り出しており、安倍氏個人はこのシナリオを望まないだろう。だからあまり有力なシナリオだとは私も思っていない。

このシナリオが実現するとしたら、党内部に、安倍氏に代わる有力なリーダーシップが生まれた場合の話だ。これは個人のリーダーでなくてよい。

安倍降ろしを誰がやるのか

つまり、自民党が、この看板掛け替えをできるかどうか。それが、今後の政治状況を半分以上、決めると思っている。これを劇的にやられたら、野党に対抗手段はない。
自民党は、政権を維持するためには、どんなことでもやる。政策も、支持基盤も、必要に応じて取り替えてきた。だから歴史を見ることは大事だと言うのだが、まぁそれはいいだろう。

ご存じの通り、安倍晋三一強体制で、自民党トップにも思考停止現象が起きている。安倍総裁を降ろしたいとはみんな思っているが、できないでいる。
だからもし、何か口実ができたら、一気に安倍降ろしは進む。それがどういう形になるか、それが問題だ。

だから、誰もが納得する理由を、誰が見出すか。この際、自民党の失策、外的要因をどう利用するか、でも良い。

それを野党ができれば、政権交代は起きる。

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