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裁判傍聴記

学生時代から、一度は行けと言われてきた裁判傍聴。結局、学生の頃には行かなかったので、それをこの機会に取り返すために、行ってきました。もちろん結論として、

行ったことのない若い人。是非、行って下さい!

私も学生時代に行くべきでした。とは言え、この歳になって行ったからこそ、わかることもありますが。

で、以下、いろいろ書きますが、人によって、注目点も、感じることも、全く変わると思います。だから、私の感想を読むより何より、行くのが最優先だと思います。本当に、勉強になりました。

私が感じたことをざっと書きます(あくまでも個人の感想です)

・トラック運転手として、交通事故の裁判は、到底、他人事ではなかった
・TVで見たシーンは、そのまま再現されるものも多い
・本来の裁判の機能である「検察による立件事実の立証」は、誠実に行われていると感じた
・証拠類は既に確認済みであり、確認は機械的に進む。また、被告への質問等も、原稿はおおむね決まっており、事務的な面もある。その分、状況を知らない傍聴者には、内容の理解が忙しく、密度が濃く感じる
・私が見た裁判については、罪状認否で争うことはなかった
更生の道筋を明確に示せるかどうかが、判決に影響を与える。従って、犯罪を犯した時こそ、被告を取り巻く人たちの協力が、大きくものを言う

当たり前だが、被告を助ける人がいるかいないかは、再犯を防げるか、本当に更生できるかに、大きな意味を持つ。
個人的には、ピエール瀧さんを助けた友人の石野卓球さんは、どんなに批判を浴びようが、友人として、正しいことをしたのだと思う。

被告の取り扱いについて

まず、私が見た裁判について、罪状認否では争うことはなかった。おそらく、大半の裁判がそうなのだろうと思う。正直な感想を言えば、

取り調べの段階で、徹底的に洗脳が済んでいると感じた

法廷に連れてこられる段階、証言台に立つ姿勢、質問への答え方。全て、「調教」されているがごとくの、しおらしさ。一件、外国の方が傷害事件で被告に立った案件もあったが、その方でさえ、判で押したように従順だ。
情状酌量を求め、更生の可能性をアピールし、再犯しませんと誓う。必要な手続きではあろう。だが、あまりにも日本的、洗脳的。これで良いのか、他にやり方はないのか。
まぁ、これを言うと、また日本を否定すると言われるだろうから、疑問に留めるが、海外の事情を是非、勉強してみたいと思う。私は法曹界にいたことがないので全く知らないが、たぶん、違うやり方はあるだろう。

ただし、これは繰り返して触れておきたいが、「検察による立件事実の立証」は、誠実に行われている。被告に対する証拠提示もきちんと行われ、被告自身も敬意を持って遇されている。たとえ、「調教済み」であるという手続きがあったとしてもだ。

人質司法について

裁判の段階では、取り調べは察するしかない。事実としては、裁判の中で、取り調べが40日間あったことに言及する場面があり、長期拘留が事実として存在することを、確認したに留まる。人質司法に対し、私は批判的だが、それを確定的に論じることはできないし、この話に主観が入っていることを、全く否定しない。

そして結局、どう事実を確認するのか、どう反省を求めるのか、どう更生への道を敷くのか。私はこの「洗脳方式」「だけ」が正しいとは思わない。このままでは、被告によっては茶番で終わる可能性も高く、本当に更生を望むのであれば、他のやり方もあるべきだと思う。が、現時点では個人の感想以上のものには全くならない。

最後に余談

TVで見た裁判官の説諭だが、本当に、TVで見た通りに、服役で脅し、家族の心配に言及し、訥々と諭すように話す場面があり、なるほど、これか、と感じた。若い被告だったので、余計に、更生に期待する部分があったのかも知れない。

外国の方の裁判には通訳の方が入る。事務的だが、裁判進行は手際よく、皆さん慣れていた。英語ではなかったので、通訳内容はわからなかったが、通訳に問題があるようには全く見えなかった。

これまた極めて個人的感想だが、外国の方への質問を行う検事の方が、被告が答えている場面ですら、一切、被告を見ず、原稿に目を落として読み続けているのが気になった。裁判官の方はきちんと、ほぼずっと、被告を見つめておられたのに。
また、同じ法廷で同じ検事の方が、別件で、他の被告に質問する場面を見たのだが、きちんと被告を見て質問していただけに、その違いが気になった。
まぁ、これは私だから気になったのであろうし、私としても、その検事の方を責めようという意図は全くない。

細かいことまで書けばきりがない。非常に多くのことを学んだ。気になる点も書いたが、個人の感想の域を出ないことは十分に理解している。
私は総体として、裁判への信頼を増した。それは最後に確認しておきたい。

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