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【落語】8.18 深川ひるま寄席

   せっかくお寺さんでの落語会なんだから、と、はじめた夏の本堂での怪談噺の会。昨年は悪疫禍で開催中止、二年ぶりの開催となりました。

   令和元年『真景累ヶ淵〜豊志賀』
   令和二年『牡丹燈籠〜栗橋宿』

   本年は、やはり大圓朝の御作より『鏡ヶ池操松影〜江島屋』を口演いたしました。
   暗くした本堂にて、和蝋燭での落語会。和蝋燭は、林家はな平が持ってきてくれたものでした。


お化け長屋/林家はな平

   ネタおろしだったそうです。つまり、初演。今回唯一の滑稽噺担当。この噺、歌司、三木助、両師匠とも演る噺で、今季はかけず仕舞いだったなぁ。噺を聴いたあと、楽屋でああだのこうだの話す時間もたのしいです。

もう半分/柳家小志ん

   何度か、カレの『もう半分』は聴いていますが、わたしのとは違った演出です。出所が違います。そして、大きく違います。ここまで違うと、噺のテーマ、眼目も、大きく違ってくるのではないでしょうか。いずれにしても、生きてる人間の業の深さ。それがあやかしを生んでいることは、間違いないでしょう。


江島屋/三遊亭 司

   独白、ひとり語りの噺は寝かせるんだよなぁ。と思いながら演っておりました。長く、複雑な噺の半ばです。
   自分で演った噺ですので、受け止め方は観客のみなさんにおまかせをして、座布団の上、高座から観た景色から申し上げますと、蝋燭って、あんなにパチパチと爆ける音がするもんなんですかね。噺が佳境に差し掛かるにつれて、まるで『死神』の蝋燭のように、いまが最後と燃える蝋燭の灯り。外は蝉時雨と、時折、烏の鳴き声が。
   あぁ、この光景が、夏の怪談噺なんだな、と。毎月やっている深川ひるま寄席てまはあはらますが、この夏の本堂公演は、間違いなく深川ひるま寄席の名物公演だと、三回公演して自負しております。
   それには、もちろん演者からの発案もありましたが、お客さんからの声も多く、また、大きかったとおもいます。
   また来年も、怪談、ことに三遊亭圓朝師の作品で、なにか出来ればと思っております。

   さて、羽田の祭も終わり、六郷の花火も近所の盆踊りも中止で、深川の怪談も終わり、わたしの夏もこれでおしまいかな。そんな風に思ったら、今朝の風に、こころなしか秋を感じました。

わすれもの探しにもどる夏の果

   

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。