見出し画像

5.1 きょうおもったこと

2013年5月1日 二ツ目昇進

これが、わたしの経歴の一部です。

以前を言えば、

98年6月 四代目桂三木助に入門
00年6月 同師から破門される
01年2月 三遊亭歌司に入門

と、なります。

よくおはなしすることですが、プロフィールに、むかしは「破門」と書いていたのですが、「これはあなたの売りものではないでしょ?」とお客に言われて、いまは載せてません。

そのときに「黙っているのは、ウソをつくことではないんだよ」とも言われましたが、そういった了見がわたしは好きではありません。が、さりとて、さらけだすのが正直か、というと、たしかにそれも違う気がします。

さて、二ツ目昇進。

落語家誰もが、異口同音に口にするのが「真打になった時より、二ツ目になった時のほうが嬉しかった」ですが。確かに、その時はそう思いましたが、そして、いまだから言えることかもしれませんが、真打になった時のほうが、嬉しかったような気がします。

それでも、寄席での修行の年季が明ける、二ツ目昇進。前日まで前座だった若者が-ときおり、おじさんが混じりますが-翌日から、羽織を着て、それっぽく高座にあがります。

40日、寄席の高座があるのですから、まぁ、嬉しかったですね。そして、やっぱり、苦しかったですね。

わたしはどうも、自分の力以上ものを、持っている以上のものを、ひと前で出そうという虚栄心というか、根拠のない自信というか、そのようなものがあって、それに時折、勝手に苦しめられているようなのですが、24歳、まさにその盛りではなかったでしょうか。そんな40日間。

ひるがえって、真打披露はこれで何年もやってきたんだもの、売り物ぐらいありまさぁ。ってなもんでした。だから、圧倒的に楽しかった。これが、嬉しかったという感想に、5年ですり替わっているのかもしれません。

二ツ目になって2、3年は、寄席の修行から離れて、好きなように落語をやって、それでもヒマだなーって毎日があったりして、なら、稽古に本腰を…なんてこともなく、仲間と一緒になってヒマだなーってぐだぐだしていて。ああ、ヒマじゃなくて、やらなきゃいけないんだ。と、あとから気がついたりして。

そんなことを、当時の仲間と笑うことがあるから、まぁ、いいのかな、と。

あのとき、やっとけばよかったかって?

わたしにとって、なにかに一生懸命になってた時間も、ただただあそんだ時間も、おんなじように大切な時間です。


書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。