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【酒】おーるどちゃいにーず

華/都橋商店街

今月二度目。この日はひとり。

18時過ぎ。先客4名。華は4名が間隔空けて座っていると、おや?一杯かな?ってなる。

一杯そうでも、ま、とにかく顔を出してみる。
この前もそう。立ち飲みのフレンチでそこそこ飲んで、観ていた横浜阪神戦も、決着つきそうだったから、もう一軒行こうか?って、華へ。

川沿いの廊下、先を歩くおふたりが、なぁーんか華へ行きそうだなって見ていると、華のドアをそっと開けて、肩を落として、また外へ。

いっぱいなんだね?

んん、顔だけ出してみよう。

こんばんは、司ですよ?

何人?

ふたり。

ふたり?なら、奥。

ありがとう。ほらね、入れた?

どうして?

ま、そういう店だから。

と、まぁ、そういう店。
ママの店なんだから、それでいいの。

この日も奥へ。

うるさいから奥へ入れちゃおう。

ってね、おれはうるさくないですよ。
もの閑かな藝人ですから。シズかだって、こんな字書いちゃうんだから、三語楼や三朝と違うんだから。

そこに瓶ない?

自分の紹興酒の瓶を探して、檸檬が入ったロックグラスを貰って、からんころん、と。

司さん、なにか食べてきたの?辣油雲呑食べない?

食べてきたとて食べますよ、辣油雲呑。ママの雲呑が旨くないわけがないもの。華は餃子が旨いんだけどね、あるときしかないもんね、雲呑。

・辣油雲呑

小ぶりな雲呑に、薬味どっさり。
これ、旨いよ。

そうしているうちに、先客のご常連が「野球に変えていい?」とTVKに。そうか、華はその手があったか。

つきだしはきゅうりの大蒜醤油と煮豚。しっとりとぴりっ。これと雲呑。紹興酒。野球中継に目をやり、ご常連の話に耳をかたむけ、ママとふた言み言の繰り返し。

香腸つまもうかなーって考えてたら、カシラ食べない?って。あ、食べます。ものに逆らわないヤツです。

・カシラ

白井の肉?

これはね白井じゃない。

と、横浜橋商店街トーク。
どこの肉屋だか訊いたけど、忘れた。

野球は残念ながら、横浜の負け。
そうこうしているうちに、おはなしがたのしいご常連のクニさんもきて、わーわーと。

すっかり遅くなって、あわてて勘定。
鶴見川と多摩川越えて帰らなきゃいけないからね。

そんな華は今年で40年ですって。

書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。