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5.9 きょうおもったこと

わたしは器用なほうではないので、かといって、不器用ですから、というのも、なんかカッコつけているようで-ここらへんが、めんどくさい人間なのですが-こういう世の中になっても、なにかを変えるということがなかなかできません。

まぁ、じたばたしなさんな。

と、長らくつきあっている、わたしのなかの三遊亭 司が、そう言っているので、それでいいのでしょう。まえにも言いましたか、わたしはわたしが好きですから。

ですから、おもに毎日、読書、散歩、料理、酒、時々落語。と、いったところです。

それにくわえて、毎日こうしてみなさんとおなしをするのと、朝のわずかな時間に、手紙を綴っています。

だいたいが、みなさん、メールで返事がきます。時代でしょうか。わたしが歩いて会いに行ったのに、特急に乗って「やぁ」と来るような。そんか感覚もまた、なかなか面白いです。

そんななか、よく前座を勤めてもらった、二ツ目から葉書で返事を貰いました。

あ、かえって、手を煩わせてしまったな。

とも、思いましたが、どうせ時間がありますでしょうから、まぁいいです。落語家同士、葉書のやり取りをするのも、これから先、なかなかないでしょうから。

その葉書を見て、ああ、そんかことしたためたんだった、と思い出しました。秋になったらとある噺の稽古をしよう。と。

以前、飲んでるときに。もちろん、酒です、牛乳じゃありません。一番好きな噺は?って訊いたところ、彼はその噺の外題を口にしました。ああ、おれも好きな噺だよ。師匠、お演りになりますよね?おう、演るよ。わりとよく。

…。

…。

この微妙な沈黙の間合い。女と男なら、完全に、アレ?告白されるのか?という間合いです。

いやいやいや、あのね、この噺なら〇〇師匠に習いなよ。な、いま、一番乗ってる師匠なんだから、な。

と、ひとまずかわしておきました。

目の前のことで不安になっているだろうから、「秋になったら〇〇の稽古をしよう。」と、書いた記憶があります。返事にもそうふれてあったので、間違いないでしょう。

きのうも、これはそうそう後輩というほど下ではない仲間から、夏の噺の稽古を頼まれました。

そうか、夏の噺の稽古をしなきゃいけないのか。

そうか、秋になったら、冬の噺の稽古をしなきゃいけないのか。

少し先の約束はいいですね。
きょうを生きる、言い訳になりますから。

ささやかだけど、はっきりとした、そこに未来が見えました。



書くことは、落語を演るのと同じように好きです。 高座ではおなししないようなおはなしを、したいとおもいます。もし、よろしければ、よろしくお願いします。 2000円以上サポートいただいた方には、ささやかながら、手ぬぐいをお礼にお送りいたします。ご住所を教えていただければと思います。