雨の日に

皆さん御機嫌よう。
いきなりだが私は結構な雨女だ。
今日も大切な用事があったが窓の外は雨。
午後から止むかなと思ったけれどやはり雨。
思い返せば修学旅行だって、合宿だって日程のうちの一日は大抵雨だったし、初対面の人と会う時に「そんなに濡れて大丈夫ですか?」と言われた記憶は多分人より多い。

何となく損な気がしていたし、雨女(雨男)って言葉はまずなんとなく聞こえが悪いし、基本的にほぼ1年365日自転車移動をしない日はない私としては強く降るとカッパの襟元から水が侵入して大変不愉快であるし、非常に雨に対してネガティブなイメージを持っていた。(いや、今も持っているか…濡れるのキライ)

ある暇な6月の日に私は近所の大型書店に行った。
「本屋に行けば何かあるっしょ」そう思って。
自分がどうしようもなく空っぽな気がする時、私は全力で本屋に甘える。
色んな本がある場所に行くと心の隙間が埋まった気がする。

そしてそんな中手に取った本のタイトルは 「雨を、読む。/佐々木まなび」だった。
水色の美しいその本には日本語の美しい雨の表現や雨にまつわる伝説について、筆者の雨にまつわるエッセイが書かれていて夢中で読んだ。
その中でも頭に残ったのは雨女や雨男は龍神に憑かれているという話だ。
「えっ、私龍神に憑かれてるの?それ、カッコよくない!」
そう思うとちょっと神秘的で悪い気がしなかった。
以来雨が降ると「へへっ、私龍神の御使いですので…。」と心の中で言っている。
なんだか少し前より雨の日が楽しくなった。
でも、濡れるのは相変わらず嫌い。



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