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顎変形症はこんな病気

顎変形症はこんな病気
顎変形症とは、歯のズレ・ねじれと上下の顎のズレが両方あることで、不正咬合(かみ合わせ不良)になる病気です。これは、矯正(きょうせい)治療と手術を組み合わせて、外科的矯正術で治します。

顎変形症の治療法
上下の顎のズレがなく、歯のズレ・ねじれだけの問題であれば、矯正治療のみですが、顎のズレが大きい場合は、外科的矯正術が必要となります。一般的な不正咬合を治す矯正治療は、健康保険の対象にはなりませんが、手術も必要となる矯正治療である外科的矯正術は、健康保険の対象となります。

顎変形症症状のサイン
特徴的な症状は以下の3点です。
(1) 顎が出ている、曲がっている、ひっこんでいるなど、顎の形が気になる
(2) うまくかめない、奥歯しかあたらない、どこでかんでいいか分からないなど、咬合不全の機能的な悩みがある
(3) 顎がカクっと音がなる、まっすぐ口が開かないなど、顎関節症状がある
顎変形症早期発見のポイント
原因は遺伝的(家系的)なことだけでなく、口唇裂(こうしんれつ)や口蓋裂(こうがいれつ)のような先天的な疾患、もしくは、内分泌系の疾患、顎骨の腫瘍(できもの)や外傷による二次的な要因までさまざまです。
早期発見には、6歳ごろから、歯科医院で虫歯治療を含めた定期検診を受けることをおすすめします。顎のズレがなければ矯正治療だけで治り、幼少期に治すと、将来手術をしなくて済む場合もあります。
話をしたときに息が漏れるなど発音障害がある場合は、骨格的な開咬(かいこう:前歯がかみ合わずに開いてしまう)の状態であるといえます。そのため、口呼吸となり正常な鼻呼吸ができず、アデノイド増殖症、鼻中隔弯曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)といった耳鼻咽喉疾患を持つ患者さんも多いので、鼻の症状がある場合も、早期発見のポイントになります。
最近では、顔の長さ、例えば、オトガイ(下顎)が長い、中顔面が長い・高い、といった顔面の高さなどに関する整容的な悩みを抱えて来院する患者さんも多くみられます。ガミースマイル(笑うと歯肉が見える)を訴える患者さんは、口唇閉鎖不全やオトガイの筋緊張などを自認し、劣等感による心の病を併発していることもあります。

顎変形症予防の基礎知識
顎変形症の予防には、子どものころから生活習慣に気をつけることが大切です。指しゃぶりや頬杖をやめる、早寝早起きをする、好き嫌いをなくす、よくかんで食べるといった、顎の成長に気を配ることが予防につながります。虫歯や歯周病などにならないようにし、定期的に歯科医院で診察を受け、必要であれば、専門医(矯正医・口腔外科医)の診察を受けましょう。
最近の器具機材の進歩により、外科的矯正手術は安全で確実にできるようになっています。輪郭の改善と上下の顎のズレを充分に治すため、手術による上下顎移動術(じょうげがくいどうじゅつ)をする機会も多くなってきています。
また、矯正ミニスクリューの発達により、手術をせずに矯正治療だけで治せる場合もあります。顎変形症の治療は期間がかかる長い治療ですが、必ず治るので、心配しないで安心してください。



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