とっておきの場所の話。今夜はれんこんつくねあんかけとむかごご飯。
谷根千だったらあのお店。中央線沿いならあの店とあの店とあのお店。地元ならあのお店。
自分が"すぽっ"とはまる感覚がある。そして居心地よく過ごせるお店を、パワースポットな店と呼んでいる。その店に行けば、必ずいい時間を過ごせて、いい気分で帰れる。そういう場所たちのこと。
海外を巡っている時、シアトルやモロッコ、ポルトガルでもそういうお店にいくつか巡り合った。そういう場がある街は居心地が良くて好きになって、数日間滞在していた。またあの店に行きたいな〜と思うこともある。
住んでいる街にだいたい一つはそういう場所を持って生きていたのだけど、実はこの街に越してきてからまだ出会えていない。
好きなお店や美味しいお店はたんまりある。もちろんそこにはよく行くのだけど、ここというとっておきのお気にいりをずっと探している。
昨日のこと。もしかして、もしかしたら、"それ"になりうるごはんの店をついに見つけたかもしれない。
用事を済ませるとお腹が減っている。お昼を食べようと思い歩くが、初詣シーズンでどこも混みあっている。ふと思い立ちすでにいったことのあるその店にいくと、開店のタイミングでスムーズに入れた。休日は並んでいることも多いので、心の中でガッツポーズ。
そこはかもめ食堂の映画を思い出すようなきもちのいい食堂。女性がふたりでテキパキ切り盛りしている。窓際の端っこのカウンターに座る。大きな窓からは駅のホームが見え、旅路に出ようとする人たちを観察。目が合った気がする。メニューの定食は一種類。いつも身体にやさしい献立。
丁寧に丁寧に作られた。それがわかる料理というのはどうしてこんなに気持ちがいいのだろう。胃の中が浄化されていくような、そんな気がした。ゆっくり味わって定食を平らげて、ひとりで格別な時間を過ごしたような気がした。
その感覚がパワースポットな店を見つけた時のそれに似ていて。もしかしたらこの街にもついに見つけられたかもしれないと思い、小躍りしながら(してない)店を出た。
午後はある夫婦に会いにカフェまで。この場所もきっと誰かのパワースポットなんだろうなと思ういいお店。お客さんが本当にいい顔していた。
きっと、みなそれぞれにパワースポットなものや場がきっとある。誰かのそんなとっておきな場所の話、聞いてみたいなと思う。
今夜は丁寧につくられたあの店の里芋の蒸しまんじゅうがおいしくて。タネまで作っていたつくねを一手間加えて、炒めたレンコンとあんかけにした。蒸しまんじゅうの要素はほとんどないけれど、その手間を受け継ぐ気持ちで(それにしては雑)。料理名は不明。
あとは、大好物のむかごごはん。むかごごはんにも特別な思い出があるけれど、それはまたいつか。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?