泥を選ぶ。

やってから諦めるのと、やらないで諦めるのとで、雲泥の差があるのは重々承知の上で。
日向坂のファンになってから、人を元気にする職業ってすごいなぁって心の奥底から感じてて、自分もそういう仕事がしたいと、身の程知らずにも思ってしまって。
でも、顔もよくなくて、歌も上手くなくて、ダンスもできなくて、性格もむいていないように思うから、どうあがいても諦めなくてはいけないように思えて。
そもそも俺には無理だからって逃げ道作って、今できる努力も怠る人間はますます無理だって言うのは自覚してて。
それでももやもやが残るのがうざったくて仕方がない。
輝いているように見える別世界の人たちは、自分よりずっとずっと努力と研鑽を重ねてきているのに、それを知らないふりして棚に上げて、才能があるからだと思ってしまうのはあまりにも卑屈で。
とにかく俺はもう、そういった憧れと現実の自分との差異を受け止めることを覚えなければならない。
自分のことにさえはっきりと信じられない人がどうやって人に元気を分けられるだろうか。
俺は、やらない。
　　　　　　　　　　　　　　　11/4                   ＃２４７