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大石静「駿台荘物語」


再放送されている約24年前の朝ドラ「オードリー」

昔は朝ドラを観るという習慣が無かったので、今回再放送を初めて観ているけれど、なかなかに面白い
何というか癖になる面白さ

まだ初々しい堺雅人や佐々木蔵之介が見られるかなと思ったら、初々しいどころか、見た目も今とそんなに変わらず、演技も完成されている二人に圧倒されつつも、今とはちょっと違う、昔風の朝ドラを楽しんで観ている

この大石静著のエッセイ集「駿台荘物語」は初版が1994年というから今からもう30年も前の本

オードリーが、脚本を担当している大石静の実話を元にしているというので、俄然興味が湧いて読んだのがこの本

「いったいどんな環境で育ったんだ!」
と、気になって

駿台荘が神田駿河台の崖の斜面に建てられたのは昭和元年の頃
見晴らしもよく、雛壇状の和風旅館は文人にも愛された宿だったと

今はマンションに建て替えられているけれど、昭和52年までは営業していたというのを知ると、実際の建物を見たかったなと思う

私も昭和40年代には、駿台荘近くのすずらん通りに住んでいたので、もしかして通ったことはあるかしら?
と思いつつも、小さな頃なので記憶の片隅にもないのが残念

ドラマの中では賀来千香子演じているけれど、実際の大石静の母親も相当美しい人だったらしい

この本、駿台荘がタイトルにもなっているけれど、実際エッセイの中では割と短く扱われていて、あとは割と思った以上に男女関係がアグレッシブだったりする著者の日常エッセイになっている

思うに、まだこの著書を書いている時点では、駿台荘こそないけれど、女将も著者の母親も健在で、あまり込み入ったことは書けなかったのではないか、ということ

もう関係者の方々も鬼籍に入っておられるだろう今こそ、駿台荘のあれこれを、再度書いてもらいたいなあと思うけれど、大河ドラマも真っ最中だし、お忙しそうだな、とも思ったりもする