3冊目②「発達の扉[上](かもがわ出版)」白石正久さん
さて、昨日までは序章でしたが、今日から内容に入っていきます!
核心は
「発達とは矛盾を乗り越えること」
です。このイメージを共有できないと話が進まないので、今日はそんな話を。
まず、「矛盾」ってなに?からお話しします。
発達は
「◯◯がしたい!」という力強い意図=目的がなければ成立しません。
この目的は生まれたての赤ん坊の頃、
「大好きなお母さんの顔を見たい」
から始まります。
生まれたてでは寝返りはおろか、
赤ちゃん特有の非対称性緊張性頸反射が生じた姿勢からなかなか動くことができません。
「大好きなお母さんの声が聞こえる!」
「お母さんの顔が見たい!」
という目的のため、姿勢を変えようとする。
でも「できない」の矛盾がある。
これが発達における「◯◯したいけど、できない」の矛盾です。
この矛盾をあの手この手で乗り越えようとするから、発達していくのです。
しかし、重度の肢体不自由児は寝たきりが多いです。
姿勢を変えて好きなところを、好きなように見ることができにくい。
だから、耳でよーく聴いています。
しかし、だからといって、大人が
「身体が動かないから、声だけでも」
と諦めるのは、まだ早い。
ちゃんと「視線」が動いています。
大人にわかるか分からないかの大きさの動きをみせます。
「ピクリ」かもしれませんが、確かに動きます。
この動きを認められたとき、子どもは嬉しいのです。承認された、気持ちをわかってもらえたと、よろこぶのです。
さて、ここまでの、矛盾を乗り越える発達
大人で言うと
「うわ、このズボンがはきたい!」
と思いつつも
「今のままの体型では、はけない、、」
という矛盾に出会い、乗り越えようと今までにない頑張りでダイエットして筋肉を発達させていきますね。これと同じ、いや、それ以上の力強さ、エネルギーで子どもは生きています。
だから、赤ん坊の数年の発達は爆速なのです。
さて、お次はお母さんから
「ガラガラ」なる心を鷲掴みにするおもちゃを見せつけられます。
そう、「見せつけられる」のがポイントですね。
「いや、見せつけられても!ちょうだい!
それ、自分で触りたい!自分で振りたい!」
さあ、ガラガラを見せつけられた赤ん坊はどのように発達していくのでしょうか。
次回は、チンパンジーにはない、人間特有の「欲張り」が人間たらしめる。
という内容をしていきます!
乞うご期待!
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