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ロン毛の男が好き

中高の六年間は女子校で育った。
思春期、青春、反抗期、文化祭、合唱コンクール、クラス替え、遠足、修学旅行、全て女子だけの空間だった。女子校に行きたいと決めたのは小学五年生頃の私で、在学時も卒業後十年経つ今も、本当に女子校に行ってよかったと思っている。幸い、私の行っていた学校はいじめやスクールカーストのようなものは無いに等しく、各々の個性がギラギラと煌めいている場所だった。むしろ、みんながみんな部活や趣味にのめり込んでいて、それぞれの領域を侵さないように共生していたような思いでがある。多かったのはジャニーズ、アニメ、宝塚など憧れをもって応援している生徒が多かった。
そんな女子校で過ごしているあいだ、私は恋愛をしたことがなく、当然彼氏もいたことがなかった。全然良かった。「彼氏が欲しい」と思ったことはあったし、電車通学で目に入る学生カップルを見て羨んでいた。めちゃくちゃうらやましかった。制服デートしたかった。私服の学校だからなおさら無理だった。制服で自転車押しながら帰るとかしたかった。私服で電車通学だから無理だった。でも周りの女の子たちと遊んでいるのはすこぶる楽しかったし、突然始まる大喜利大会なんて共学にいたらできなかったと思う。
しかし、その六年間の代償はあまりにも大きかった。

バキ童的マインド

十八歳になった直後の2013年4月、私は大学に入学した。六年ぶりの男女共学の学校である。私は経済学部で七割ほどが男子学生だった。「男子」に関する情報がおじいちゃん先生以外になかった私は、「男子」についての印象が声も見た目も小学六年生で止まっており、「うわ・・・大人の男の人や・・・」と教室に男性がいるという感覚が不思議で落ち着かなかった。意図的に視界から消していた。
それから、最初の一年間は男性と目を合わせられないし話すのも挙動不審だった。十五秒以上雑談を話せた記憶がない。どこを見て話したらいいか分からなかった。目が合ったら好きになりそうだった。優しくされたら好きになってしまいそうなので、関わらないようにしていた。完全にバキバキ童貞のマインドだった。バイト先では下の名前で呼び合う習慣があったので、なんとなく仲良くなれた。しかし、大学ではめちゃくちゃ社交的な陰キャを発揮してしまい、最初だけ盛り上がるものの、二回目以降時間を合わせて一緒に教室に行くとか、一緒にお昼ご飯を食べるとかが面倒くさくなってしまい、友達作りに失敗してしまった。同じ学部で最初の方に出会った地方の進学校の共学出身の女の子も、なんだかノリが明るく怖くてついていけなかったので徐々に距離をおいてしまった。その頃から、一人の時間がないと息が詰まるという感覚を覚えてしまい、会社に属している今もお昼休憩は出来るだけ一人で過ごしたい。大学入学直後に乱立する新歓コンパやサークル見学にも一つも行かなかった。そこにいる人たちが怖かった。男女間だけでなく新しく出会ったノリの違う人たちとのコミュニケーションがとれない自分が幼く、情けなかったのだと思う。こじらせている。めちゃくちゃこじらせている。
結局大学二年生の終盤に初めて彼氏ができて、大学卒業直後に遠距離になるまで付き合い続けるのだが、当時は彼氏ってできたところで何をすればいいのかよく分かっておらず、ただ同じコミュニティに属しており、仲良くなった延長で付き合ったような気がする。恋愛偏差値が低すぎて、恋愛とは何なのか、男性とは何を話したらいいのか、彼氏ができたら何をすればいのか、一つとしてよく分かっていない状態で付き合い始めてしまった。

恋愛偏差値が低すぎる

思春期に恋愛をしてこなかった弊害はたくさんある。その中でもこれは生きていく上できついなと思ったこと。

・「手を繋ぐ」みたいなことが分からない
 まじで分からない。手を繋ぐタイミングとか分からない。いつどこでどういうきっかけで繋ぎ始めるのか、本当に分からない。雑貨屋さんやビルのエレベーターでも手を繋いでるカップルを見ると「おっほwwww」とオタクク~ンwが出そうになる。なんで?!手を繋ぐ理由があるの?!そこで!!???でも少しうらやましい。人前で手を繋いでみたい人生だった。
 屋外でいちゃいちゃいちゃいちゃしているカップルを見ると、微笑ましい気持ちでいたいのは山々だが、それを上回る「今ここでせなあかんか?」が襲ってくる。今そこでいちゃいちゃするのは急を要するのか?今一度問いたい。でも一日の間に何度(特に改札が多い)もそういう様子を目撃するので、ある一定以上の層には外でいちゃいちゃマインドが根付いているんやろう。開放的で何よりである。うらやまし~。

・段階の踏み方が分からない
 好きになる→アプローチ→デートを重ねる→付き合う→結婚を意識する→プロポーズ→結婚
 みたいな流れを理解はしているが実践できない。机上の空論とはこのことをいう。進研ゼミでやった!!みたいなことが全く無い。周りが「結婚って勢いだよw」みたいなこと言うから「結婚する?」って聞いたら「いやまだかな^_^;」って返ってきた。この日から結婚することはあきらめた。なんか、もっとキュンキュンする恋愛がしたかった。好きだけど!この気持ちを抑えられない!みたいな。少女漫画みたいな恋がしたかった。デートを重ねるうちに「これって・・・脈あり・・・!?」「え!彼も私のことが好き・・・なの!?どっちなの~!?」みたいな。駆け引きをしたかった。時すでに遅し。

・シンプルにモテない
なんだろう。顔に出てるんですかね。本当にモテない。
人から好きだと言われたことが人生でほとんど無い。
そもそもプライベートで「親しい男性」がいない。関わりがない。確かに男性が好きではない顔をしている気がする。強い女。友人には「土屋アンナ、沢尻エリカ系だからあんたは、モテない」と言われている。だよね~。優しい顔に生まれてたら違ったのかな。たしかに小学生の時「しのちゃんのこと好き」なんて噂聞いたことなかったな。まさか今でも変わらんとは思わんかったわ。

これらはどのタイミングで克服しておくべきだったか本当に分からない。
シンプルにオタク、喪女というステータスである自分を人に晒したくなかったというのはある。趣味が多く、結構のめりこむタイプだったので恋愛とか不要だったと言い聞かせていた。
そんな喪女である私の歴史を辿れるような写真がいくつか見つかったので供養しておこう。

高三頃の私(右)

まだモテとか考えたこともなかった頃の私。一緒に写るのは大親友の杉江。
「JESUS CHRIST SUPER STAR」と書いたTシャツを着ている。これで梅田を歩き回っていた。新興宗教顔負け。彼女の大好きなミュージカルだ。杉江のこともまた書く。

二十歳頃(上)

この写真、意味が分からな過ぎて愛おしい。9/10に撮ったという情報しかない。どここれ。何で撮ったん。一緒に写るのは、こちらも愛するたまちゃん。先述のバイト先で出会い、大学一年生の頃からの付き合いになる。お互い遠く離れていても心がつながりまくっている。
今は一児の母となり、仕事も育児もこなしていて偉い。彼女は私の人生においてかけがえない存在。たまちゃんについても詳しく書きたい。

大学三年生くらい(一番右)

このように、モテないので、女の子とばかり遊んでいた。
昔の写真を見るいい機会になったが、男性と写る写真はほとんどなかった。ずっと女の子とばかり遊んでいる。モテるとかよりも面白いかどうかで生きていた。いやこれは今もなんだけど。
こうして羅列すると、本当に私モテなそう。モテたことなさそう。

ロン毛で面白い人が好き

そんなこじらせた私だが、生意気なことに理想というのがある。理想というか、妄想の中にいる男性像・彼氏像というのが正しいのかもしれない。気持ち悪いですよね。わかる。
第一に、最近気づいたのだが、好きな男性のタイプは「ロン毛で面白い人」だった。というのも、今まで「いいかも・・・」と思った芸能人に共通するのがこの点で、まずキュンとくるビジュアルはロン毛で面白い人だ。面白いというのは笑いが起こるというのもあるが、私より頭がキレることや趣味や興味に関して熱心であり、私にとって知らないことをたくさん提供してくれるというのが一番良い。お互い「知」を高めあっていける関係性に憧れる。私自身もすごく探求心が強く、色んな事に興味を示すので、「今こんなことにハマってんねん!!!!」に対して一緒にのめり込んでくれるとお互い成長出来て良いと思っている。あとは大喜利が強い人が好き。
ロン毛という点については、今まで私が好きだと感じた皆さんを見てもらいましょう。

R-指定さん


金子ノブアキさん
エドワード・エルリックさん


松田翔太さん

こうして並べて思ったのですが、めちゃくちゃ長髪の男性ってよくないですか?????????????????????????????????????????????特に髪を縛っている状態の男性が大好きなんですがご理解いただけましたでしょうか???????????????????????????????????
ちなみに顔の系統はマチマチなので、多分長髪が似合うという部分で好きなんだと思う。まあどの人も顔がすごく整っておられるので、顔がキレイやから好きなんやろ!面食い乙!と思われるだろうが、見た目だけでいうとZAZYやハイキングウォーキングのQ太郎、又吉なんかも好きである。かが屋の賀屋も好き。ちなみに今、これを渋谷センター街のプロントでプレミアム・モルツ(香るエール)パイントを飲みながら書いているが、丁度R-指定の画像を検索していると2way nice guyが流れ出して焦った。見てるんか。


2023年2月現在の推し

今の一番好きなロン毛でおもしろい人は、ダイヤモンドの野澤輸出さん。

野澤輸出さん

ダイヤモンドというお笑いコンビを昨年からよく見るようになり、今や毎週3~4回は劇場で見るようになった。M-1で知ったという人もきっと多いだろうが、今この人たちのお笑いが一番面白いと思う。勢いとか流行とかかわいいとかそういうのではなく、本当に面白い。なんでそんな面白いこと思いつくの?みたいなことをネタにしている。どんな脳内しているんだろう。それから、ネタも多く、覚えるの大変やろうなあという構成はわかりやすいけどトリッキーな言葉遣いばかりで、聞いてるこっちが「もういい!!!!やめろ!!小野さんのライフは0よ!!」と叫びたくなるような言葉を交わしあう。特に好きなネタをいくつかリンク貼ります。

最後の二つに関しては、これまた大好きな怪奇!YesどんぐりRPGとのコラボレーションである。短歌と返歌みたいなやつ。もしくは加藤ミリヤと清水翔太みたいなやつ。アンサーソング。もうなんでこんな面白いんだろうこの人たち。野澤輸出さんのnoteにも書いていたけど、世の中の人たちがもっと色んなことに対して「面白い」と思えるようになればいいのにね。
野澤輸出さんは東中野ハウスというシェアハウスで芸人の後輩たちと一緒に住んでいるが、その動画で出てくる髪をくくった野澤さんが非常にキュンである。オフの野澤さん、ゆるくて優しくて笑顔がとても素敵で大好きである。ちなみに生で見ていると、どんどん堂本剛さんにしか見えなくなる。
最近は、ダイヤモンドの単独ライブ「原石」@ルミネtheよしもと(2023.2.5)にも行ってきた。今までのダイヤモンドの歴史を振り返るようなライブだった。レトロニムで始まり、スタバで終わる。ダイヤモンドらしくてとても良かった。ご家族も栃木から見えていたらしく、良い家庭で育ったんだなとほっこりした(その瞬間、思い出したのは初詣のことであったのは言うまでもない)。
このライブに行けて、今までダイヤモンドに対して「この人たち本当に面白いな」と思っていた気持ちがかなり増した。ここ最近何度か劇場でダイヤモンドのネタを見ることがあったが、ほぼ毎回違うネタでどうなってるんだと思っていたし、この日の単独ライブもベスト盤で最近見ていなかったネタで心から大笑いした。竹ブラジルを生で観れたの嬉しすぎた。梅弱サッカー梅竹とか、どんな生き方してたらこんなワード思い浮かぶん?好きすぎる。
機会があれば、野澤輸出さんと飲みに行ってみたい。この人の頭の中はどうなっているのかと聞いてみたい。絶対楽しくする自信があるので、もし見ていたら飲みに行きましょう。
たった半年ほどしか彼らのことを熱心に応援していないが、今後もっと好きになると思っている。この半年間の東京生活は、間違いなく彼らのおかげで楽しかった。毎日笑うようになった。今回、GERAでのラジオがレギュラー化してすごく嬉しい。太いサポーターになりたい。ありがとう、ダイヤモンド。ずっと応援してます。

結婚することにメリットを感じない

と、強がっている自分がいる。
二十八歳にもなると、周りは結婚している人が多数派となり、子どもを持つ人も少なくない。いや、早くね???と言いたい気持ちを押し殺し、祝福してきた。結婚はおめでたいことで、ご家族への安心の提供や日本の国としてのメリットは大きいと思う。
しかし、考えれば考えるほど、私にとって「結婚」はメリットがなさすぎるので、自分ごととは捉えられないようになってきた。ここも大きな大きなこじらせポイントである。周りが結婚して子どもを持つことに対しては「おめでと~」と思うし、私の代わりに少子化問題解決の一歩を踏み出してくれてありがとうと思う。ただ、前述のような結婚までのステップを踏まなきゃいけなかったり、名前を変えないといけなかったり、相手の家族と親睦を深めないといけなかったり、夫婦共働きで子どもを持たなければ(DINKsという生き方)理由を言わないと詮索されてしまったり、めんどくさいことが多すぎる。しかし、晩婚化が進んでいるとはいえ三十歳や三十五歳を超えるタイミングで結婚していないと「なんか理由あるんちゃうw」「独り身かわいそw」と、からかわれてしまうことが多々ある。めんどくさ~。
たしかに少し前までのアップデートしていない世の中だと三十歳という区切りまでに結婚する人が多数派で結婚しない人は変わり者みたいな価値観だったと思うが、今はそうではない。でも田舎の価値観は前時代的で、結婚していないと「紹介したろか?」みたいなおじさんが沸いてくるのである。はやいところ脱出しよう。
ただ、冒頭に書いているように、これは強がりなのである。一生と共にする人がいるなんて、これほど心強いことはない。楽しいことも辛いことも共有して生きていけることって幸せだと思う。ただ、ここで妥協をしたくないと思っているので、じゃあ結婚するまでの段階を踏んでいくのってめっちゃ大変やんとなり、結婚に対するメリットとデメリットだとデメリットの方が大きく感じてしまっている。このデメリットを乗り越えてでも結婚したい人と出会えればいいな~くらいに思っている。

野澤さんと飲みたい~~~

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