見出し画像

極東はカニと海氷まみれ

 しばらくロシアはサハリンに滞在していました。
サハリン、中々行こうと思わない場所なので、事前に色々調べようと思っていたのですが、結局何も調べないまま渡航してしまいました。持ち合わせていた知識と言えば、1)その昔流刑地であったこと、2)第二次世界大戦前まで島の半分が日本領だったこと、ぐらいでしょうか。
出発前日、「ウォッカはこれ以外で飲むな。」と上司の方がとても小さいショットグラスをくださいました。これのおかげて本当に助かりました。
(ロシアの人と乾杯すると、グラスを一気に空にしないといけなかったので)

 現地までは札幌・新千歳空港からプロペラ機で2時間足らずで着いてしまいます。しかも航空券は往復5万円程度!ただ、ウラジオストックとかに比べるとどうしても小さいので、観光では中々選ばれなさそうな場所です。
ビザはオンラインで事前申請を行うのですが、日本語のページを選択すると強制的にロシア語に切り替わってしまったり、発見されるeチケットがロシア語で全然読めなかったりと、中々癖が強かったです。英語とか何それ?って感じの扱いでしたね。

 ユジノサハリンスク(旧豊原)はイメージしていたよりも栄えていて意外と活気もあるのですが、何せ寒いので散歩しようなんて気はあまり起きませんでした。といっても、とんでもなく気温が低いのかというとそうでもなく、山から吹き下ろしてくる風が強いのが原因だと思います。
スキー場が町からすぐ行けるところにあり、意外と賑わっていました。ただ、雪質はニセコなどと比べると、どうしても見劣りしてしまいますね。

 町の中心部付近にはサハリンの郷土博物館(旧樺太博物館)がありました。外見は小さいのですが、アイヌやギリヤク人の展示が充実していたり、日露戦争や第二次世界大戦の資料が多く展示されていたりと中々興味深い内容でした。また、展示内容は非常に客観的且つ丁寧な説明で好感が持てました。
アイヌの家(夏用、冬用)が外に展示されており、どっかで見たなぁと思ったら、ゴールデンカムイ(漫画)で説明していた内容でニヤニヤしてしまった…

 滞在期間中のほとんど、私は海岸線近くの山などで作業をしていたのですが、サハリンの東側(オホーツク海側)は見事に海氷が張っていて、素晴らしかったです。海氷の上をどこまでも歩いて行けそうでした。

画像1

 個人的にポイントが高かったのはカニの価格が安いことです。
カニは海岸沿いのバス停近くなんかで普通に売られていて、立派なサイズのものが1杯約700円程度で購入できてしまいます。
上司らと私は仕事後にカニを購入し、ホテルの私の部屋で食べてみました。
「カニ用のはさみとスプーンを持ってくればよかった…」と思いつつも、部屋にあるティースプーンを駆使して無心で食べつくしました。本当においしかった…

先週帰国しましたが、急にサハリンに関して色々調べたくなり、沢山本を買ってしまいました。また、昨年直木賞を受賞した川越宗一さんの「熱源 」もあわせて購入し、大事に読んでいるところです。

しばらくサハリンブームが(自分の中で)続きそうです。