天狗礫(1) | ヒマラヤをうろうろと 8
調査も終わり、氷河から一番近い標高4200 mの村に滞在していたある夜のこと。
私は山小屋の隅でお茶をすすりながら、データの整理をしていました。
砂糖と粉ミルクがたっぷり入った見るからに不健康なこのお茶は、山行中だと何故か最高においしく感じてしまいます。例えるならば、海の家やスキー場で食べるラーメンやカレーといったところでしょうか?
板を一枚挟んだ隣の台所では、コックのゴパールがヤク(高地にいる牛のような家畜)の糞を焚火に放り込んでます。標高が高い村では薪がないので、牧