密会という名の音楽会【若戸大橋と地獄坂】
魂の揺らぎという祭りのために
数年前から参加してる祭り「魂の揺らぎ」。その芯にあったブラックホールというお店が銀河に旅立ってからも、この祭りは続く。
2023年は11月3、4の二日間、若松の高塔山音楽堂で開催される。
その前に「山に登るまでの行程」としてのシリーズライブがある。
そのラストステージに今回、参加した。
会場 若松スカンクノォト
日時 2023年10月7日(土)
14:00 OPEN 15:00 START
出演
トムとゼチとプラ
ダーオカ
gn8mykitten
彩虹
カサガミ
sunny
秀
地獄のような坂を登ったところに楽園があった
今回の会場は個人宅なので秘密。
でも、ものすごい坂を登ったところ。
すぐそこに若戸大橋があって、風が吹いて、猫がうろついて。
つまりここは宇宙。
草と空気と猫と音楽
坂道を登って汗をかいた体
深呼吸にぴったりのコーヒーを飲みながら
美味しい唐揚げやたこ焼きをいただく。
ありがとうございました。
音楽がなくてもこのままで天国だけどね
ライブレポートぽい散文
トムとゼチとプラ
溢れる音と、寄り添わない距離感が素敵
「トムとゼチとプラ」
見るのは二回目。それぞれ一人一人で独自の世界を構築してる3人が集まって何をするのか?
それは「一から泥人形を作る」ような音楽。
楽器とか声とかでメロディーとか打音を作る。
実験的というよりは呪術的、土着的。
星巡りの歌を散りばめて。
お互いを尊重してるけど、寄り添ったり気を使ったりしない感じに見えた。とても危うい、あやふやな多角形。
でも揺れながら立つ免震構造のバンド。
みんなに愛されるのがよくわかる
「ダーオカ」
何度か観てるけど、歌の優しさがすごい。何十年会わなかった友達に、駅の立ち食い蕎麦屋で隣り合わせて「あ、久しぶり。一味とってくれる?」って言われるような。
人と人との間にある小さなイガイガをするっと抜けてくる歌。
いいなあ。僕には絶対できない愛しさに溢れてる歌。
実はしっかり安定した歌唱。
ここがあるから安定してるんだろうなあ。
いつも完璧な音を鳴らす僕の憧れ「gn8mykitten」
メタリックなギターとエッジを砕いた声。
あり得ないほどの熱量をこめた言葉。
いつも「あんたはちゃんとやってる?」と聞かれてる気がするから、心にやましいところが多い時は聴くのがつらい人もいるかも。
ギターを手にすると聞いた時は「ラップの邪魔をするんじゃ?」と思ったこともあったけど、僕の知ってる中で一番のリフ氏。
全てが揃っていて、しかも満足してなくて。
遥か先を一人で歩くたいまつのような男
一緒に音楽をやっていたなんて夢のよう「彩虹」
しばらく観ない間に、多くの人に愛されて可愛がられて、影響を受けながらも自分の場所を作り上げたみたいだ。
しかもその場所を掘り続けてる。
ほんとにすごいな。天晴れだ。
いらないものは何もないし、聞きたくない人は聞かなくていい。
それが拒絶ではなく、自然に洗われるのがすごい。
僕みたいに「人に好かれようとして惨めになる」ことなどないような圧倒的な「潔さ」を徹頭徹尾。
部屋を舞台に変える力「カサガミ」
初めて、かもしれない。
素晴らしかった。
ギターを弾いて歌うとなると、どちらかが脇役になることが多いんだけど、「右と左」もしくは「上と下」「前と後ろ」みたいに支え合って組み合って、中央でガッツリと音楽世界を作ってる。
お芝居を見るような、というより会場を「芝居小屋」に変えるような。
歌ってる人、というより「舞台装置そのもの」のようなライブ。
美しかった。ギターも言葉も。
余韻のための音楽。
僕は変わらず「サニー」なだけ
ここまででもう満足したんだけど、歌うよ。
カサガミさんの余韻を吸って、曲目を変えた。
スカンジナビアから始めた。
あとは「太陽の当たらない人たちの人生」を歌う。
ここんところ「すごく楽に」歌えるようになった。
体力の衰えがいい作用をしてるのかも。
「どこかの未来で会えたらな」
今はこの言葉に一番重たいものを感じてる。
あなたが嬉しそうなだけでみんな幸せ「秀」
お祭りもいよいよおしまい。
最後はやっぱりこの人。
観てるだけで幸せになる。
山田さんも含め、こんな大人がいることを知ることができたのが「ブラックホール」に関わったことでの最大のギフト。
秀さんの歌はみんなのうた。
ただ、彼が歌うと「ああ、もう今日は終わりなんだな」と寂しい気持ちにもなる。
三号線を往復した日々を思い出す
ブラックホールが動いていた頃。
夜中の三号線を80キロでかっ飛ばしてた日々。
最近はなかなか来れないけど、どうか忘れないでね。
細長いくらい部屋での暖かい掛け声、合いの手。
勝手に割り込んでギターが弾ける幸せ。
それはもうなくなってしまった。
たった数年間しかその船に乗っていないくせにね。
でも人生において重要な日々だった。
広島の人たちの素晴らしい音楽に触れる機会がまだまだ足りないけど、僕は僕で生き延びてる。
心はいつも、すぐ隣にいるよ。
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