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金属に印字する「エッチング」という技法 (43回目)

エッチングとは薬品で金属を溶かし、文字や図柄を印字加工する技術です。

エッチングの方法を簡単に説明すると、まず金属をシートや塗料でマスキングし、印字したい部分はマスキングを剥がして金属を露出させます。
その状態で金属を温めた薬品の中に入れると、マスキングされていない部分だけが溶けて印字されるというわけです。

深く刻まれたエッチング部分

薬品の中に入れた金属は、液温にもよりますが1時間から2時間かけてゆっくり溶けていきます。
長く浸ければその分深く印字されるので、溶け具合を細かくチェックして良いタイミングで引き上げます。

手描きの線もそのまま印字できます


エッチングのはじまりは1500年代と言われていて、とても昔からある技術です。
もともとは版画のための版を作る技術ですが、現在でも電子機器の細かいパーツを作る際にも使われています。

薬品にマスキングした金属を漬け込むというアナログ感と、掠れや細かい線まで再現できる表現の幅を持ったとても味わい深い技法です。
そしてなんといっても、金属の表面に直接文字やロゴを印字するので、エッチング部分は半永久的に消えることはありません。

長く使う看板や表札にはぴったりなので、個人的にもおすすめすることが多いです。

エッチング部分に白色塗料を入れた仕様
細かい図柄の看板


原色で刷られた派手な看板に比べ、決して目立つ種類の看板ではないかもしれません。
それでもエッチングで印字された看板は重厚で高級な雰囲気が出ます。
信頼感や安定感を店先に出したいとお考えであれば、ぜひおすすめしたいです。


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