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「眼球に鉄粉が刺さったら」鉄工作業での保護具の大切さと、その(セルフ)治療法。

鉄粉が眼球に刺さった話と治療について

鉄工作業をしているとたまに起こる眼球アクシデント。

僕らには「あるある」ですが、一般の人にとってはあまり馴染みがありません。

最近では溶接をDIYで楽しむ人も増えてきているので、その注意喚起と保護具の大切さ、そして実際にどうやって治療するのかを書いてみます。

※記事中の治療法は、眼球を痛めたり、視力低下の恐れがあります。マネしないようにして下さい。


眼球に鉄粉が刺さるってどういうこと?

先日グラインダーで鉄を削っていると、削った粉が目に入ってしまいました。
削られた鉄は赤く焼けており直接手で触れないくらい熱くなっています。
焼けた鉄が目に入ると、眼球表面に引っ付いてしまい取れなくなってしまいます。
入った瞬間はもちろん痛いのですが、白目に引っ付いた場合は痛みが引くのが早く、逆に黒眼部分に引っ付くと痛みはどんどん増して行き、涙が止まらなくなり夜眠れなくなります。


また鉄粉が引っ付いた部分は火傷のような傷になっています。
なので人の体はその部分を修復するのですが引っ付いた鉄粉をそのまま巻き込んで修復してしまい、取り出す際には切開しないといけなくなります。

そうなる前にできるだけ早く眼科に行くことをおすすめします。

眼科で眼球を針で突かれる

眼科に行くとまず鉄粉が目の中に残っているか、それとも取れているかを入念にチェックしてくれます。
鉄粉がなければ洗浄して点眼薬を処方して10分程度で終わる簡単な治療ですみます。
しかし高温の鉄粉は目の表面にへばりつきやすく、眼球上に残っている(刺さっている)ことが多いです。

目の中に入った鉄粉を取り除く際には細い針が使われます。
針の先端で鉄粉を引っ掛けて取るのですが、目に鉄粉が入ってから時間が経っていたり、眼球自体にめり込んでしまっている場合は、ピンセットで表面の透明な部分ごと引きちぎるか、ブラシのようなものでこすりとる必要があります。

目薬型の麻酔をしてくれるので痛みはあまりないのですが、慣れないうちは目を直接触られる恐怖がすごいです。
それに黒眼に引っ付いている場合は、ピンセットを見続けないといけません。
目を逸らせてしまうと、ピンセットで鉄粉をつかむ事ができません。
目に物が近づいてくると反射的に目を逸らせてしまうので、強い意志を持って針の先端やピンセットが迫ってくるのを見続けないといけないというわけです。

慣れている眼科医なら5分もかかりませんが、鉄粉が目の奥にある場合は何度も針で突かれますし、高齢の先生や細かい作業が苦手な先生だといつまで経っても鉄粉が取れず、冷や汗をかくことになります。
自分の目玉をぐりぐりされるのが好きな人は良いですが。。

鉄粉が取れれば炎症止めの目薬や、痛み止めをもらって帰ります。

後日、目の傷が治っているか見てもらい、順調であればそこで治療終了です。


自分で鉄粉を取る方法(マネしないで下さい)

作業中に目に違和感を感じたら、まず眼科に行くべきですが、慣れてくると自分で治療をしたくなるのが人の性です。

自分で手当をする場合は自己責任ですが、僕が溶接工時代にしていた自己治療法を紹介します。


目に入った場合、綺麗に手を洗いライトを照らして鉄粉が目に残っていないか探します。

この時真っ直ぐに光を当てると眩しいし、小さな鉄粉が反射した光に紛れてしまい発見しづらくなります。

なのでライトを瞼につけ極力角度を付けて照らします。すると鉄粉に影ができるので、発見しやすくなります。


鉄粉を発見したら自分の髪の毛を1本抜き、2つに折り曲げ輪っかを作ります。
その輪っかの部分の先で眼球を擦り、鉄粉を引っ掛けて取ります。
目に入った当日や、深く刺さったりしていない限りはこの方法で取れる事がほとんどです。

この自分で取る方法は人それぞれですが、綿棒を使う人もいれば、爪楊枝を歯で噛んで柔らかくしたものを使う人もいます。

人によって鉄粉を色々取る方法がありますが、一番衝撃的だったのが「人に眼球を舐めてもらう」という方法です。

(ここまでくると狂気を感じますが、細かいことは気にしないでおきましょう。)

舌のザラザラで取れるらしいです。。


保護具の大切さ

僕は今までで数回、眼科で鉄粉を取ってもらっていますが、自分の髪の毛で取る経験は数え切れないくらいあります。
ただ取り残してしまったり、髪の毛で傷を悪化させてしまったり雑菌が入ったりしますので、あまりお勧めはしません。

このような事態を防ぐためにも鉄を削る際はしっかりとゴーグルをして、目を保護しましょう。


ただゴーグルをしていても完璧には防げません。
それでも保護具の有る、無しでは怪我の危険性は大きく変わります。ちょっとだから・・・と思わず(眼球をぐりぐりされたくなければ)常に保護具は着用しましょう。

そして少しでも目に違和感を感じたら、すぐに病院へ行きましょう。

※鉄粉は眼球上で錆びてしまいますので、放置すれば治療も大変になります。

違和感があれば早めに眼科に行きましょう!



いつもお読み頂きありがとうございます!