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「トウモロコシ」と人違い

そろそろ札幌の大通公園に「とうきびワゴン」が出る時期だ、普通の茹でた“ゆできび”と、表面を焼いて焦がした“焼ききび”がある。私は後者の方は好きだ。「トウモロコシ」は北海道では「とうきび」と呼ばれており、「唐から伝わった黍(きび)に似た穀物」から「とうきび(唐黍)」と呼ばれるようになったという説が有力。東北や九州の一部の地域でもそう呼ばれているそうだ。呼ばれるといえば、ちょうど5年前、札幌の大通公園を歩いていると、後ろから若い男の人の声で「おう!相馬」と呼ばれ、肩を叩かれ、振り向くと「すみません、人違いでした・・。」と。またしばらく歩いていると、今度は前から全速力で走ってきて「お~い、相~馬~!」と呼びながら近づいてくる。顔が見える距離に近づくとその若い男の人は「ごめんなさ~い、似ていたもので~、すみませ~ん」と。なんだこれは、私は「相馬」ではなく「高橋」だ。一日に2回も人違いされ、それも同じ名前のやつに人違いされた。「相馬」はどのくらい私に似ているのだろうか、もしかしたら、自分が「相馬」なのではないか、彼らだけは「高橋」のことを「相馬」と呼ぶのかもしれない、など、変な空想さえしてしまった。まさにドッペルゲンガー現象だ。「相馬」をみてみたい。あれからしばらく時間がたつが、もうそのようなことはない。でもいつか私がススキノあたりで若い女の子と手をつないで、歩いているところを目撃されたら、あっ、それ「相馬」だよ、という準備はできている。

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