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突然交通事故にあった長男の闘病日記

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アメリカ在住。ビジネススクールでmaster degreeを取った26歳の長男が新しい職に就く前に交通事故に遭う。長男と家族(夫、次男、私、愛犬)での闘病日記。
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【突然交通事故にあった長男の闘病日記】3月24日(木) 0日目:突然の事故

朝4時頃に誰かが家のドアをノックしている。 昨晩友人宅に行くと言って出かけた長男だと思ったがどうもポリスのようだ。 夫を起こして彼が対応してた。外で話し込んでいるので私も行ってみた。 どうも交通事故を起こし今ERにいる、critial conditionだという。 すぐに服を着替え、寝ている次男に声をかけ夫と二人でERへ向かう。 向かう先は隣のcountyにある大学病院のshock trauma center。 ERへ向かう道中は深い霧だった。雨も少し。標識も見づらい。これが

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月20日(水) 27日目: Rehabilitation Center 2日目

今日はリハビリ施設には訪問できない日。 ただし、長男の携帯電話が大学病院に忘れられていたので、夫が携帯をピックアップした後にリハビリ施設にドロップオフして来た。 夫は先週末から仕事に復帰した。 夫の仕事は早朝から午前中に終わるので、その仕事終わりに携帯電話の対応をしてくれた。 私は長男が使っていた部屋の掃除をした。 案の定、埃だらけ、ゴミは散らばってるし、バスルームも汚い…。 ベッドのシーツ、枕、ブランケットを洗濯した。 今後、この部屋は次男が使うことになる。 大学が5

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月21日(木) 28日目: Rehabilitation Center 3日目

長男の agitation に凹んでる私の代わりに夫がリハビリ施設へ行った。 というより、長男の入院で私の持病の検査が出来ずにいたので、今日は私は自分の血液検査に行ってきた。 今日の長男は一日中忙しかったようだ。 TBI病棟には、専門医、看護師、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士、他 多くの人たちがteamになって各患者のケアをしている。 ENT(ear, nose, throat) doctor が長男の耳、鼻、喉の確認をしに来たようだ。特に問題はなかったらしい。

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月22日(金) 29日目: Rehabilitation Center 4日目

Cooperate : 協調する 今日はリハビリ施設へ訪問できない日。 午後、長男の携帯から夫に着信。 夫は長男だと思って電話に出ると、言語聴覚士からだった。 「trach(気管切開)のチューブを外して検査をしようとするんだけど、cooperate してくれないの。長男を諭してくれる?」 夫は、長男に説明をするのだが agitation が酷く聞いてくれない。 私も側から 「ちゃんと言語聴覚士の言うことを聞いてよ。そうすれば、早く退院できるのよ!」 と言ったら、携帯が

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月23日(土) 30日目: Rehabilitation Center 5日目

夫が次男を大学の寮でピックアップした後に、リハビリ施設へ行ってきた。 私は家で留守番。 夫からテキストメッセージが届く。 「まだ長男は agitation がある。着替えを持ってきてくれて感謝している。今は、次男が長男の部屋を訪れていて作業療法士との訓練を見ている。」 *ひとりしか病室には入れないので、夫と次男は入れ替わりで長男を訪問 次男の様子が気になる。 次男が最後に長男に会ったのは、事故当日、ERからICUへ移動になった時だった。 あれから次男は長男に会っていない

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月24日(日) 31日目: Rehabilitation Center 6日目

一か月前の3月24日(木) 長男は交通事故を起こし生死の境をさまよった。 今日はリハビリ施設へは訪問できない日。 夫は仕事のついでに次男を大学の寮にドロップオフしてきた。 夫が朝11時頃に看護師と電話で話した際、今日の長男は朝から agitation もなく静かに過ごしていたらしい。 その際、夫が看護師に 「昨晩、長男が電話をしてきた時に母親に”死にたい”って言ったらしいんだ。カウンセラーに相談したいんだけど。」 と伝えると 「今日は日曜なので担当医はいないけど、引き継ぎ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月25日(月) 32日目: Rehabilitation Center 7日目

Respiratory Therapist : 呼吸療法士 今日は夫と二人で研修の日。 リハビリ施設に9時過ぎに着いた。 長男はベッドの上で寝ていたが、 「もうすぐ理学療法士と訓練があるよ。今日は僕たちも一緒に訓練を受けるんだよ。」 と夫が長男を起こす。 長男の側には介護のシッターさんが椅子に座っていた。 夫が長男のブランケットをめくると、Tシャツに下着のパンツだったので、スウェットパンツを渡すと、長男はベッドの上で履き始めた。 その後、ソックスを履き、靴を履く。

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月26日(火) 33日目: Rehabilitation Center 8日目

recreational therapist : レクリエーション療法士 今日はリハビリ施設に訪問できない日。 昨日の夕方、長男から私の携帯に着信。 「ボクの財布はどこにあるの?」 そう、交通事故を起こしそのまま長男は救急車でERに運ばれた。 長男は事故のことを一切覚えてない。 だが、交通事故を起こしたことは知らされていた。 「救急車でERに運ばれた時に、あなたの貴重品も一緒に運ばれてるのよ。免許証、財布、車と家の鍵、AirPods に 携帯電話。 お財布の中のクレ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月27日(水) 34日目: Rehabilitation Center 9日目

今日はリハビリ施設訪問の日。 夫の仕事は午前中に終わるので、その後に寄ってくれた。 私は家で雑用。 朝から、喉のX線、眼科医の健診があり、予定されていたレクリエーション療法には参加できなかったらしい。 残念だ。 飲み込みの検査では、少量の水分の飲み込みはOKだったらしいが、多めの水分は飲み込めずに戻してしまったらしい。 詳しくは造影をして確認するらしい。 その後、理学療法士との訓練。 夫も一緒にジムに行って見学。 トレッドミルでの歩行の訓練では、疲れたのか途中でやめたら

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月28日(木) 35日目: Rehabilitation Center 10日目

朝の4:30に私の携帯に長男から着信。 「今日ピックアップしに来るの?」 と長男。 「今日はリハビリ施設に行けない日なのよ。 明日はお父さんと一緒に行くね。着替えの服も持っていくからね。 待っててね。 今、朝早いから寝ようよ。おやすみね。」 と言って電話を切る。 午後に作業療法士から電話。 明日、車の乗り降りや胃ろうのケア他の訓練などするから、朝9:30頃に来て欲しいとのこと。 月曜に続いて2回目の訓練。 昨日まで長男は事故前に働いていた職場のことは思い出せなかったよう

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月29日(金) 36日目: Rehabilitation Center 11日目

夫と一緒にリハビリ施設へ。 月曜に私たち夫婦は研修を受けたのだけど、まだ不足してるものがあるのでそのフォローアップをしてもらった。 朝9:30に長男の部屋へ着くと、ベッドの上で携帯をいじっていた。 着替えの服を持ってきたと伝えると 「長袖の服がほしい」 というので、持ってきたパーカーを渡す。 長男が 「How is ***(弟の名前) ?」 (弟はどんな感じ?) と、聞いてきた。 「大学の寮が18日にcloseするから、家に戻ってくるよ。夏のインターン先も決まったよ

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】4月30日(土) 37日目: Rehabilitation Center 12日目

今日はリハビリ施設へは訪問できない日。 昨晩、長男から携帯に着信。 「退院は火曜日?」 と長男。 「火曜日の予定だけど、金曜日に延期になるかもしれないのよ。 何か欲しいものある?」 と私。 「アイスクリームが食べたい」 「アイスは無理かもしれないけど、シェイクを持っていくよ。 看護師さんに持っていっていいか聞いておいてね。」 声は弱々しいが、普通の会話になっている。 今日のお昼に、長男から着信。 「クレジットカードがいる」 と長男。 「どうして?」 「Ap

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】5月1日(日) 38日目: Rehabilitation Center 13日目

今日はリハビリ施設へ訪問できる日。 昨日の夜、今日の朝、と何度も長男から電話。 「明日は何時に来るの?」 「ドリンクを持ってきてほしい。」 「キャッシュがいる」 etc. 日曜なのでリハビリ施設も忙しくなかった。 長男のセラピーも今日はお休み。 きっと一日退屈してるのだろう。 午後2時半にリハビリ施設へ到着。 一人しか病室に訪問できないので、まずは夫が先に行く。 約束したチョコレートシェイク他を持参して。 30分後に夫が戻ってきたので私と交代。 夫が 「シェイク

【突然交通事故にあった長男の闘病日記】5月2日(月) 39日目: Rehabilitation Center 14日目

今日はリハビリ施設へ訪問できない日。 明日、長男が退院するので、大工さんに、お風呂、トイレ、玄関の階段、裏口から庭に続く階段に手すりを付けてもらった。 手すりの設置はリハビリ施設から指示されたものだ。 夫は、毎日、病院や健康保険会社、息子の職場の人事などと連絡を取り合っている。 長男に不利になることが無いように、と出来る限りのことをしている。 次男は私と夫との子だが、長男は私の連れ子。 夫からすると、長男は step son になる。 しかし、実の子と同じように愛情を