見えない被害者たち

今回の台風10号による停電の影響で、鹿児島県の養鶏場では停電による換気用ファンの停止で鶏たちが酸欠状態になり3万羽も死んだ。

また養豚場でも停電で扇風機が停止し室温が上昇し豚100頭が熱死した。

被害はこれだけに止まらないだろう。

このような災害が起こった時に多く犠牲を払うのはいつも決まって畜産動物たちである。危険が迫って来てもどこへも逃げることも出来ず狭い檻の中で苦しみながら死ぬしかないのである。

畜産農場はこのような自然災害や伝染病に対して商品である動物たちの生命保険に加入しているので実際動物たちがどのように死のうが懐が痛まないどころか心も痛まないのだろう。

このような企業が畜産動物たちの命の尊さを重んじるのであれば自家発電などの発電機を常備するのが当然である。台風で停電することなんて当たり前に誰にでも想像がつくことだからである。しかしそれが全くなされていなかった時点でこれらの企業がどのように動物たちを取り扱っていたのか想像は容易である。

以前大きな洪水があったときにも水かさが高くなっていく時点でなぜ牛たちを解放しないのかという答えが保険をおろすためだったと聞いたことがある。彼らには牛が溺れ死のうが苦しもうが保険金さえ入ればどうでもいいのだろう。

どんな災害が起こっても真っ先に殺され苦しむのは何の罪もない動物たち。そしてそれらを促進しているのは畜産商品を買う消費者である。人間はいつまでこのような悲劇を繰り返すのだろう。

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