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スネークキャッチャーというお仕事

オーストラリアにはスネークキャッチャーというお仕事が存在します。日本では聞いたことがなく私はこちらへ来て初めてその存在を知りました。

去年の秋頃、我が家の庭に突如、蛇が現れたのです。私がなにげなくリビングから庭へ目をやると窓の外枠のところでクネクネと動く物体が見えました。

とりあえず危険な蛇だと危ないので飼っている動物たちをみな小屋の中や家の中へ避難させてから窓の内側からその蛇をじっくり観察しました。ネットの画像と見比べてみるとそれは猛毒のイースタンブラウンスネークだとすぐにわかりました。

これは大変だと思いどうすればよいか判らない私はとりあえずこういうのはきっと役所だ!と思ってカウンシルに電話してみました。するとカウンシルの人に「こちらでは蛇に対応していないのでお近くのスネークキャッチャーへ電話してください」と言われました。

えーーーー、カウンシルなのに住民の危険がかかってるのに何もしてくれないの?と驚きました。年に二度もあんな高いカウンシルレート支払いさせておいてなんという冷たさ!と怒りを覚えましたが、カウンシルが蛇に対応してくれるなんて私の勝手な思い込みだったのでしょう。

スネークキャッチャーの連絡先さえも教えて頂けなかった私はスネークキャッチャーをネット検索して電話をかけました。焦りながらも最初にかけたところは遠すぎて無理と言われました。次にかけたところは今別の現場に出払ってると言われて次にかけたところで優しいお兄さんに「今からすぐ行くから待ってて」と言ってもらえました。

お兄さんの場所から我が家まで40分ほどの距離だと思いましたが急いでくれたのか30分足らずで来てくれました。その間に蛇は一旦デッキの下へ隠れたけどお兄さんが到着したときにはまた犬の飲み水を飲みに出てきたところでした。お兄さんは蛇を捕まえる棒と大きな袋みたいなものを持ってきたけどそれを全部地面に置いて、そーーーと そーーっと 近づいていき、なんと素手で蛇を捕まえました。

え??素手で???と思ったけどとても手慣れた様子で優しく「君はとても綺麗でとてもゴージャスだ。もう安全だから大丈夫だよ」と蛇に話しかけていてその蛇を愛する姿に私は感動さえ覚えました。そして私には「これはイースタンブラウンスネイクで猛毒の蛇だけどちゃんと安全な場所へリリースするので安心してください」と言ってくれました。

スネークキャッチャーにお支払いした代金は$100でした。命を張って蛇と人間どちらにも安全安心を与えてくれるそんな素敵なお仕事のお値段としては安すぎるのではないでしょうか。しかしなんて素敵なお仕事なんだろうと私は思いました。

帰宅した夫に私もスネークキャッチャーになりたいと言ったら危険すぎるからダメだと言われました。お仕事としては無理でも私もいつか蛇たちを安全に取り扱える資格くらいは取りたい。そうすれば野生動物保護するときにいつか役立つのではないかと思っています。

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