私の音楽遍歴⑪若い才能達との出会い①
2007年に、再び東京に戻ってきてから、僕は
'Bebop'が、音楽性の根幹に据わったドラマーに、少しずつ、亀の歩みで成長してきた。。
今回以降、何回かその過程で出会った、
5歳から15歳!?年下の、凄い
才能を持った若手ミュージシャン達に述べることにする
(出会った年と、当時の彼の年齢)
楠井五月(bass)
(2007年頃。当時22歳。)
伝統をいち早く消化した早熟のベーシスト。
破竹の勢いで日本を代表する奏者に、駆け上がっていく活動の最初期に出会った。
彼は、とにかく、誰よりも音楽に対して熱い!!その場のアンサンブルに対して懸ける熱量が、桁外れ。。
印象に残っているエピソードがある。
とあるセッションで、日本在住の経験豊かな、
NY出身のドラマーがあたかも自分の表現力を
ひけらかす様に、ポリリズムや、タイムモジュレーション(拍子が変わったかのように演奏するテクニック)など、非常にトリッキーな演奏をしていた、、。周囲は『おおースゲー!さすが〇〇だなあ!』と感心していたが、、
そのアンサンブルに加わっていた
楠井くんだけは、演奏後、顔を真っ赤にして
憤慨していた。
彼は明らかに、そのセッションで、ドラマーが、その場にそぐわない、ひけらかすような演奏をしたことに、憤慨していた。
彼は、ミュージシャンを
上手い下手いでは判断しない。
『そのアンサンブルの中で、どれだけ、周りを聴いて、かつ自分を表現し、トライし、
swingしようとし、良いサウンドを作ろうとしたか否か』について、
誰よりも熱い、、、
年齢や経験や技術レベル関係なく、
良い瞬間があれば、喜び。
手抜きされたり、惰性だったり、
技術をひけらかしたり、独りよがりだった演奏者に対して、一様に憤慨する。。
彼が日本のトップベーシストになった理由は、
技術、知識は当然のことだが、
この音楽に対する熱量の深さ なんだろう。
彼は7歳下だが、その音楽に対する姿勢が、真に尊敬に値するミュージシャンとして、強く印象に残った。
今も、たまにセッション等で共演するが、
彼の音楽への熱量と、人間臭い、愛すべき人柄は、
今日も、全国各地で、人々の日々の塵を洗い流し、元気を煥発しているに違いない
楠井五月
https://twitter.com/satsukionbass?s=21
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