【一般TCG理論】カードゲームにおける"駆け引き"とは何か?
序文
皆さん、こんばんは。
今回の記事は、カードゲームにおける"駆け引き"の定義とその中身について、改めて考察していく内容となります。
……いやいや、カードゲームの"駆け引き"なんて、カードゲームごとに違うものなんじゃないかって?
確かに、細かいところまで見ていけば、カードゲームにはそれぞれ独自の"駆け引き"が存在しています。
特に、トレーディングカードゲームやデジタルカードゲームに代表される"戦略カードゲーム"の類は、使用されているカードが非常に多彩で、かつ、ゲームごとに全く性質の異なるカードが戦略の焦点となったりするので、実践におけるカードごとの相性や噛み合いまで語りだすと、流石にキリがないでしょう。
ただし、現代における多くの"戦略カードゲーム"は、専用のカードデッキを組む点をはじめとした、いくつかの共通項を持っているため、その中で発生する"駆け引き"にも一定の傾向のようなものがあると筆者は考えています。
なので、今回はそんな戦略カードゲーム全般に共通する理論――俗に"一般TCG理論"と呼ばれているらしい内容を中心に、話を展開していこうと思います。
辞書で調べてみた
そんなわけで今回は"駆け引き"の内容を掘り下げるという趣旨なのですが、こういうテーマの時は、まず辞書でその言葉の定義をはっきりさせるところからですよね。
なので、まずは「駆け引き」がどんな意味を持つのか、軽く辞書で調べてみましょうか。
すると、以下のような内容が。
……なるほど、分からん。
なんとなく「状況に合わせて押したり引いたりする」というイメージは持てますが、それ以上に具体的な内容は何一つとして掴めませんね。
辞書というのも、存外役に立たないな(失礼)
とはいえ、ここでまごついていても仕方がないので、もう少し内容を掘り下げていこうと思います。
まずは"駆け引き"が発生する状況について。
辞書の文面によれば、この"駆け引き"は商売/交渉/会議/戦場などで発生するもののようですが、これらの共通点は一体なんでしょうか?
筆者も改めていろいろ考えなおしてみましたが、これは主に3つあると思われます。
まず1つ目は目的がある点。
人間が何かしらの事柄を実現させようとしている場合ですね。
これは改めて説明することでもないと思いますが、商売にしても闘争にしても、それらは基本的に"勝利"と呼べるような目標を掲げて行うものです。
商売で金儲けを目標としないのなら手持ちの物品を無料で配るだけでいいですし、勝利条件のない闘争は無意味に人間同士が傷つけあうだけですから。
そして2つ目は相手がいる点。
特に、同じ目標を奪い合うような競合相手ですね。
交渉の場においては双方が勝利条件を満たすような展開もなくはないですが、その場合でも、自分の勝利条件を捨てて相手に勝ちを譲るシチュエーションはそうそうないと思うので、基本的には勝利(利益)を奪い合う相手と考えていいでしょう。
最後に3つ目は選択肢がある点。
これは徒競走のような単純な競技を思い浮かべてもらえると分かりやすいですね。
勝利条件(この場合は1番にゴールすること)があり、同じ目的の対戦相手がいたとしても、その目的を満たすための手段が一番速く走りきることだけでは"駆け引き"が生まれているとは言いづらいです。
そのため、駆け引きを発生させるためには、目的を達成するためのルートが複数ある状況――特に、自分と相手がどの選択肢を選ぶかで戦況が多彩に分岐するような状況が必要となるのです。
そうでなければ、ただの力勝負になってしまいますからね。
そんなわけで、この目的/相手/選択肢の3つの要素が加わった時に発生するものこそが"駆け引き"であると筆者は考えています。
これ以外にも"駆け引き"を生む材料がないとは言い切れませんが、最低条件となるのはおそらくこの3つだろうなーと。
カードゲームにおいて
では、これをカードゲームに置き換えると、どうなるでしょうか?
といっても、ここまで考えてしまえば、そう難しい話ではないと思います。
目的は、当然ながらゲームの勝利条件。
相手のライフポイントを0にしたり、相手の山札を0枚にしたり。ここはゲームによって話が分かれる部分ですが、それでも勝利条件のない対戦ゲームはまず存在しないと思います。
そして、対戦ゲームであるため、これも当たり前ですが、対戦相手となるプレイヤーが自分の目の前にいます。
対戦相手のいない1人用ゲームの場合、勝利条件があったとしても、そこで発生するのは"駆け引き"ではなく"攻略"でしょうから。
最後に、選択肢。これも言わずもがな、デッキ構築やプレイングなどで発生する状況に合わせた選択がこれに該当します。
更に、今回の場合は互いのプレイヤーがどういったデッキを持ち込むか、また、実践の中でどういったプレイングを取るかによって、プレイヤーの選択肢が乱反射するように変化するため、これ以上なく"駆け引き"を生む場になっていると思われます。
なので、結論としては「カードゲームにおける"駆け引き"とは、それぞれのプレイヤーが勝利条件を達成するため、もしくは対戦相手に勝利条件を達成させないために、デッキ構築やプレイングなどで自分が有利になる選択肢を選ぶこと」と定義づけられることになりますね。
当たり前のことを言っているようにも見えますが、きちんと言語化して理解を深めるというのは大事なプロセスなので、こういった話はやはり欠かせません。
勝利条件の定義
では、カードゲームにおける"駆け引き"の定義がなんとなく把握できたところで、次はその内容について深掘りしていきます。
第一に、ゲームに参加するプレイヤーが達成しようとしている勝利条件について。
これはゲームのルールやゲーム性によって多少違いはあるでしょうが、大体のカードゲームでは以下の3パターンが主な勝利条件となることが多いです。
①:対戦相手の"ライフパラメータ"を0にする。
②:対戦相手の勝利条件達成を不可能にする。
③:何らかのコンボやカードの能力などで特殊な勝利条件を満たす。
まず、①の"ライフパラメータ"というのは、遊戯王/MTGなどの"ライフポイント"やデュエルマスターズなどの"シールド"にあたるもので、要するにプレイヤーの命や、それを守る盾を数値化/リソース化したものになります。
というか、大体のカードゲームは、その可視化された対戦相手の体力を0にすることをメインの勝利条件としていますよね。それが一番直観的ですし。
一応、ポケモンカードゲームのサイド(相手ポケモンをダウンさせた時に獲得できるボーナス)を6枚取ったら勝ちというのもありますが、あれはあれで、その前に場のポケモンでライフリソースの削り合いをしているようなものなので、あれも厳密にはこれに該当するゲームシステムだったりします。
……あとは、ガンダムウォーのような山札をライフポイントとするゲームシステムもなくはないんですが、そこまで語りだすと話が長くなるので割愛。
次に、②について。
これは勝利条件と対戦相手、2つの構成要素が混ざり合った末に発生する、自然的なゲーム攻略のひとつですよね。
自分が勝利条件を達成するのではなく、自分以外のプレイヤーが勝利条件を達成できないようにすることで、間接的にゲームに勝利しようという考え方。
友達を失くすタイプの戦略なので、ゲームによってはこういった勝ち方が不可能になっている場合もありますが、これができるゲームとそうでないゲームでは戦略性に大きな差がありますよね。
なにせ、対戦相手の妨害に徹していても、それが自分の勝利条件の達成に近づかないのであれば、ただ相手に嫌がらせをするだけで終わってしまいますから。
そういうゲーム性の場合、妨害用のカードの質が他といろいろ違っていたりするんですが、まぁ、これもまた語りだすと話が長くなるので割愛。
そして、③の特殊勝利について。
こちらはカードゲーム特有の醍醐味というか、多彩な能力でゲーム性をいかようにでも変化させられるカードゲームならではの勝利条件ですよね。
単純に「このゲームに勝利する(対戦相手は敗北する)」といったカードテキストに則った特殊勝利だけでなく、ライブラリーアウト(相手の山札を0枚にする戦略)や特定のカードを揃えた場合、特定のシチュエーションに陥った場合などで疑似的に勝ててしまう"コンボ勝ち"など。
少々裏技めいた勝ち方には独特のロマンがあります。
まぁ、こういった勝ち方も、ゲームによっては積極的に規制されていることもありますが……
ただ、こちらの場合、カードテキストの自由度をかなり阻害してしまうため、かなりガッチガチにゲーム性を縛るか、予想外のところから悪どいコンボが発見されて定期的に大騒ぎになるかって感じですよね。
これはこれで、カードゲームを語る上では避けて通れない戦略だと思います。
とはいえ、カードゲームのシステムは非常に多彩で、場合によっては、これらが該当しないゲームシステムのものもあるとは思います。
例えば、ヴァイスシュヴァルツ。あれはゲーム性が特殊すぎて、通常のカードゲームのセオリーが当てはまらない場合が多々あります。正直ちょっとプレイに困る。
ただ、そのような場合でも、そのゲームにどのような勝ち方・戦略があるのか。ないし、実践の場において、全てのプレイヤーの勝ち方を種類別に分けられないか、考察してみるのも悪くないかもしれません。
いずれにしても、そのゲーム内にどういった勝ち方があるのか。その全容を把握することが、そのゲームの"駆け引き"を理解するために必要なことなのです。
速度と相性
さて、ここまでの話で、カードゲームには多彩な勝ち方があり、プレイヤーはそれらの中で自分が有利になるよう選択肢を選んでいく。
その中で発生するものが"駆け引き"であるということを、なんとなくは理解していただけたかと思います。
では、何をすれば、プレイヤーは有利になるのでしょうか?
単純に考えれば、それは自分の勝利条件に近づくことですよね。
もっと言えば、より勝ち方が明確なデッキを構築し、より自分のデッキの勝ち方に近いプレイをする。
本当に単純な話ですが、自分の勝利条件を満たそうとする――勝ちに近づくことこそが、自分の有利に繋がる。
これは自明の理だと思います。
しかし、実践の場において、全てのプレイヤーが、まるで徒競走のように勝利条件を満たして奔走するという展開は、まず起こりえません。
なぜなら、多くのカードゲームにおいて、ゲームが始まった時点でプレイヤーのスタート位置は同じではないため。
こうなる要因は2つ。
1つは、デッキの勝ち筋や先攻後攻などによって、そのプレイヤーが勝利条件を満たすまでの速度が違うため。
これは、多くのプレイヤーが「カードゲームは先攻が有利」と認識している、あのセオリーの延長線上にあるものです。
そもそもの話、カードゲームに限らず、多くの完全手番制ゲームにおいて先攻は圧倒的に有利とされています。
例えば、将棋の世界でもプロ棋士の勝率は先手の時と後手の時でそれなりに違いますし、囲碁に至っては"コミ"と呼ばれる後手へのハンディキャップが一般的なルールとなっていますよね。
それぐらい、この手のゲームで相手より先行して動けるというのは重要なファクターなのです。
では、なぜ手番制ゲームにおいて、先攻を取るのがそんなに強いのか?
理由は単純です。かけっこでフライングスタートができたら、そっちの方が有利じゃないですか。
少し前のトピックで、選択肢が無い場合のゲームは徒競走のようだと話しましたが、それと同じですね。
もし仮に、お互いが相手の行動に対して何もしないまま、同じ速度でゲームを進行させた場合、勝つのは先んじて動き出したプレイヤーです。
同じ速度で走っているのに、先んじてスタートを切ったプレイヤーに追いつく一発逆転のようなシステムは徒競走にはありません。
そのため、後攻のプレイヤーは、前を走る先攻のプレイヤーに対して、何らかの"対処"をしなければなりません。
自分の速度を上げたり、相手の走行を妨害したり。徒競走でそれやったら一発退場ですけど
そうしないと、自分より先に相手が勝利条件を満たしてしまいますから。
加えて、カードゲームの場合、本来そのデッキが持っている勝ち筋を達成するまでの速度――俗に"テンポ"などと呼ばれるものも、問題になりやすいです。
基本的に、多くのカードゲームではカードのプレイ回数や1ターン中の攻撃回数、同名カードの効果使用回数などに制限が設けられており、プレイヤーは限られた行動回数の中で最適なプレイを模索することになりますよね。
が、カードゲームの世界では、こちらがコストの重いカード1枚をプレイする間に相手がコストの軽いカード2枚をプレイしたり、こちらがクリーチャーで攻撃して1ダメージ稼ぐ頃に相手は2ダメージ稼げていたりすることがしばしばあります。
これが、俗に"テンポ差"と言われるものです。
自分が勝利に1歩近づく間に、相手は勝利に2歩近づいている。となると、徒競走理論で言えば、このままでは自分が負けてしまう。
そのため、"テンポ"で負けているプレイヤーは先攻後攻に関わらず、後手側に回らざるを得なくなります。
まぁ、実際はどのカードゲームも、ゲームスピードが一定になるよう調整されているので、言うほどデッキの速度差で勝敗が決することは言うほど無い気もするんですが。
ただ、それでも、カードゲームにおいて、自分の勝ち筋を達成するまでの速さは非常に重要な要素です。
それだけで勝敗が決まってしまう事も少なからずありますしね。
速さは何よりも優先されるのです。
そして、単純な速度以外にも、ゲームの勝敗を大きく左右する要素があります。
それが、対戦するデッキ同士の相性です。
例えば、早期にクリーチャー(ないしモンスター/ユニットなど)を並べてガンガン攻撃していく速攻戦略を主眼に置いたデッキと、クリーチャーの攻撃を封殺する戦略のデッキが戦った時、有利なのはどちらのデッキでしょうか?
答えは当然、後者のデッキになります。
なぜなら、前者にそのクリーチャー封殺への対応策が無ければ、自分の勝利条件を満たすことができなくなりますから。
……まぁ、ここまで極端なパターンはそうそうないでしょうが。
ただ、それでも、使用するカードや戦略によって、相手に対応しているわけでもないのに、自然と相手の勝ち筋を妨害できてしまうことがあります。
これが相性とか、俗に"噛み合い"だとか言われるやつですね。
先ほど語った、速度の遅いデッキが速度の速いデッキに不利というのもこれに該当しますし、他にも、自分のデッキのキーカードの能力が相手のコンボをもろに咎めている場合や、相手の妨害に特化したデッキが相手の変則的な攻め筋に対応しきれない場合など。
これに関しては、例を挙げるときりがありません。
カードゲームによって、そのゲーム独自の"噛み合い"があったりしますし。
ただ、いずれにしても、カードゲームには細かいカード同士による相互互換から、互いの基本戦略から来る抜本的な噛み合いまで、大小さまざまな相性があり、それがゲームの勝敗を大きく左右することもあるんですよね。
それこそ、カードゲームの攻略は"相性の攻略"であるといっても過言ではないほどに。
極端な話、どんなデッキを相手にしたとしても、そのデッキの戦略を見極め、それに対して有利な戦略をぶつけることができれば、どんな相手でも勝ち星を拾うことはできるでしょう。
それぐらい、デッキ相性というのはゲーム攻略において重要な要素なのです。
勝利条件を満たすまでの速度と、使用カードや戦略のぶつかり合いによって発生する相性。
これら2つの要因によって、カードゲームによる競争は平等なスタートラインから走り出すものではなく、むしろ、卓につき、先攻後攻を決めた時点でプレイヤーの有利不利の立ち位置がはっきり分かれるものだといっても過言ではありません。
実際、ベストなプレイをしたのにテンポ差で捲られたとか、相性上の問題でどうやっても勝てなかったとか。カードゲームをやっていると、そんな文言を日常的に見聞きすると思います。
それだけ、実践の中でのプレイングではどうにもならないシチュエーションが、カードゲームの世界では多々発生しているということです。
駆け引きの本質
では、これらの話を踏まえて、改めて聞きましょう。
カードゲームにおける"駆け引き"とは、一体なんなのでしょうか?
もちろん、先の項目の内容に則って言えば、勝利条件に近づくための行動をすること。これが基本中の基本です。
自分のデッキが目指す勝利条件に向かい、適切にカードをプレイすること。
これ以上に、カードゲームのデッキ構築やプレイングを語る上で大事な目的はありません。
しかし、実際に勝敗を左右しているのは、勝利条件を達成するまでの速度と戦略的な相性という、どちらも事前準備によるところが大きい要素です。
先ほども言いましたが、これら2つによってゲーム開始前に大勢が決していることも少なくありません。
そして、これらは"駆け引き"と表現するには、あまりにも一方的かつ偶発的すぎます。
自分のデッキが勝利条件を満たすまでの時間は相手の行動に依存しない(むしろ、相手の妨害にたじろがない事の方が重要)ですし、使用デッキ同士の戦略的な相性も、対戦に使用するデッキを選ぶ余地がなければ、偶然の巡り会わせで決まるところが大きいです。
では、果たして、このゲームのどこに"駆け引き"と呼べる要素が介在しているのか?
結論から言うと、カードゲームにおいて"駆け引き"を発生させるために最も重要な要素はデッキ構築であると、筆者は考えています。
なにせ、先に語った速度も相性も、実践の中のプレイングだけではどうにもなりません。
先攻を相手に取られた場合にしても、デッキの相性的な問題に困った場合でも、手札に配られたカードでどうにかするしかない以上、プレイングでカバーできる範囲などたかが知れています。
そのため、真に重要となるのは、その不利な状況に対して有効に働くカードがデッキに入っているかどうかです。
戦況に対応するためのカードが無ければプレイングで出来ることは限られますが、逆に言えば、それに対応しうるカードがデッキにある、または手札に引き込めているなら話は別。
そのカードを適切なプレイングで運用することにより、危機的な状況を打開することだって不可能ではないでしょう。
要するに、カードゲームにおいて"駆け引き"の土俵に上がるには、それ相応のデッキが必要となるのです。
それも、ただのデッキではなく、明瞭な戦略感と、様々なシチュエーションに対応する柔軟性を備えた、ちゃんとしたデッキが。
それが出来てはじめて、プレイヤーは"駆け引き"のスタートラインに立つことが出来るのです。
ならば、カードゲームにおける"駆け引き"は既にデッキ構築の段階で終わっていて、実践ではその練り上げたプランを実践するだけなのでしょうか?
そんな自動操縦のようなプレイスタイルが、カードゲームの醍醐味であると?
筆者は、そうではないと考えています。
なぜなら、実践の場は口で言うほど簡単ではないから。
カードが場にたくさん並んで複雑な様相を呈することだってありますし、相手が手札にどんなカードを持っているか推理しなくてはならない難しい局面だってあります。
そんな時に、仮に戦況を切り開くための逆転の1枚が手札にあったとしても、それを正しく運用できるかはプレイヤーのスキル次第です。
手札のカードを無為に消費してしまうか、それとも、そこから起死回生の可能性を見出すことが出来るか。
全ては、あなたのプレイング次第――ひいては、あなたの実力次第なのです。
なので、結局のところ、カードゲームにおける真の"駆け引き"――それらしい"駆け引き"というのは、ゲームに参加する全てのプレイヤーが十全に練り上げられたデッキを持ち込み、それを適切なプレイングで以て扱い、さらには運がどちらにも偏らなかった時のみ発生する一種の極致のようなものなのではないかと思うんですよね。
デッキ構築、プレイング、天運。
その全てが噛み合った時のみ発生する、ある種の奇跡ではないかと。
もちろん、カードゲームは戦略対戦ゲームなのに"駆け引き"がそんなゴールめいたところにあるのは妙だと、そんな風に感じるかもしれません。
ですが、実際問題、多くのゲームの勝因になるのはデッキ構築とその日の運、そして、配られたカードを適切に扱うミスをしないプレイングです。
相手との駆け引きや読み合いを制するという勝ち方は、はっきり言って、そうそう起こるシチュエーションではありません。
それだけ、このゲームで真の"駆け引き"の土俵に上がるための道のりは、相応に長いということです。
しかし、それは同時に、その極限の瞬間を迎えた時の達成感の高さにも繋がるということですよね。
全ての事前準備が実を結び、最高の勝負を演出できている時の"面白さ"は筆舌に尽くしがたいでしょう。
なので、詰まる所、私達はそのチャンスを逃さないよう、日々デッキ構築を煮詰め、実践でのプレイングを仕上げていく。
そうやってカードゲームを遊び続けることこそが、真の"駆け引き"の瞬間を逃さないためには大事なのだろうと。
これを書きながら、筆者は改めて、そう思うのでした。
まとめ
いかがだったでしょうか。
なんかいい感じにまとめようとしていますが、最近の筆者は割とカードゲームやってないんですよね。ぶっちゃけサボってます。
そんなやつがこんなオチの付け方で大丈夫かと。
でも、まぁ、カードゲームはどこまで行っても所詮は"遊び"ですからね。
続けるも自由、降りるのも自由です。
ただ、長く続けていれば自然と"駆け引き"という名のボーナスチャンスは巡ってくるだろうと。
結局のところ、今回の話は、ただそれだけの話なんですよね。
それだけの話のために1万字近く費やしたのかって感じですが……
さて、最後にはなりますが、そもそも、今回の記事を執筆しようと思った動機は"一般TCG理論"というタグを見かけたことです。
それも、前回のサイドボーディングに関する記事を執筆した直後に。
……いや、ね。これを先に見つけていたら、普通にサイドボーディングの記事にもこのタグ付けたんですけどね。
サイドボーディングが一般的なTCGの話なのかはさておき。
ただ、多くのTCGに流用できる知識の共有という、この新ジャンルの提唱には非常に興味深いものを感じました。
そのため、もしかしたら今後も、このジャンルに沿う内容の記事を執筆するかもしれません。
それっぽいネタも一応なくはないですし。
なので、もしまた会う機会がありましたら、その時はよろしくお願いいたします。
それでは、また。