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ブラマジVS環境デッキ in ティアラメンツ環境編【遊戯王マスターデュエル】

序文

皆さん、こんばんは。
今回は、主にデュエリストカップ予選で使った【ブラック・マジシャン】デッキの調整案を軸に、いかにしてブラマジで現環境に立ち向かったのかという話です。

先に言っておきますが、この環境、本当にブラマジに対して向かい風な要素が多いです。
【イシズティアラメンツ】に勝ち越すのはもちろん、墓地メタを積んだ各種環境デッキ全般にも厳しい戦いを強いられます。
実際問題、筆者もまだデュエリストカップ予選でLv.18~19の間を往復している最中ですし。
なので、個人的に現状の問題を書きだしたいというのが半分、あまりのどうしようもなさを愚痴ってしまいたい気持ちがもう半分という、割と私欲にまみれた記事となりますので、そのへんご了承ください。

現状の問題点

現環境を戦い抜く中でクリアしなければならない課題は、大きく分けて2つあります。
ひとつは言わずもがな、現環境の顔役【イシズティアラメンツ】デッキへの対策
そして、もうひとつは、その【イシズティアラメンツ】一強環境が生み出した過剰な墓地メタへの対策です。

【イシズティアラメンツ】デッキへの対策

【イシズティアラメンツ】は「墓地へ送られた時、手札/フィールド/墓地から融合素材をデッキに戻して融合召喚する」という共通効果を持つ"ティアラメンツ"モンスターを主軸としたデッキで、特に、墓地肥やしとして優秀すぎる"イシズ"カードと組み合わせた【イシズティアラメンツ】が現環境で猛威を振るっています。
その最大の特色は、なんといってもその爆発力
何らかのカードで墓地を肥やして"ティアラメンツ"モンスターの固有能力を発動して《ティアラメンツ・キトカロス》を融合召喚。彼女の効果で追加の墓地肥やしを行い、墓地に落ちた"ティアラメンツ"カードが再び効果を発動……といった具合で墓地肥やしと墓地誘発効果が連鎖し続けるため、一度回り始めたら手が付けられなくなります。

また、こちらのターン中にも同様の連鎖アクションを行う手順があるため、単純に一人回しを見せられる時間が長くなり、精神的に消耗しがちです。
展開ルートがランダム性を含んでおり、放置しているとたまに妨害でどうにかなることもある(本当に数%程度の頻度だが)ので、一応は動きを確認しないといけませんし……
実際に強いかどうかはともかく、対戦していて非常に疲れる相手なのは間違いないと思います。

墓地メタへの対策

では、そんな【イシズティアラメンツ】相手はどうしようもないのかと問われると、実はそんなこともなく、むしろ明確な対処手段が1つあります。
それは、墓地利用を咎めること。
【イシズティアラメンツ】は何をするにしても墓地にカードを落として動くデッキなので、各種墓地対策がもろに刺さります。
特に、"ティアラメンツ"モンスターの固有効果による墓地融合は、その効果を誘発したモンスターを融合素材に含まなければならないため、この効果にチェーンし、そのモンスターを《D・D・クロウ》で除外すると、その墓地融合も止めることができます。
この要領で《墓穴の指名者》や《剣神官ムドラ》などで墓地融合を止めたり、そもそも大元の墓地領域を《ディメンション・アトラクター》や《深淵に潜む者》などで封じてしまうのが【イシズティアラメンツ】デッキへの主だった対策になります。
【イシズティアラメンツ】は《灰流うらら》の採用を渋るほどに自分の動きを重視しているデッキなので、そういった対策への対策カードにもあまり枚数を避けない(らしい)ですし。

しかし、この対策が周知のものとなり、ほぼすべてのデッキが墓地利用への対応策を増やした結果、今度はこちらが墓地利用する際にそれを咎められるケースが爆発的に増えました。
とりわけ【ブラック・マジシャン】デッキは【イシズティアラメンツ】とは別の方向性で墓地に依存しまくっているデッキなので、墓地対策カードもそこそこクリティカルに刺さります。
単純に《マジシャンズ・ソウルズ》の特殊召喚にチェーンして《D・D・クロウ》で《ブラック・マジシャン》を除外されるだけでも致命傷ですし、おまけに同じ要領で【イシズティアラメンツ】からも《剣神官ムドラ》なんかが飛んできたりして、もう、なんか、踏んだり蹴ったり。

環境デッキを使うという選択肢

そんなわけで、墓地利用を咎める手段があるわけでもないので【イシズティアラメンツ】のぶん回りを止められず、その上【イシズティアラメンツ】狩りを目論む他のデッキからもついで感覚でメタられているという、ブラマジにとって良い材料がなにひとつ見当たらない逆境環境なんですが、こういう時、多くの人は【イシズティアラメンツ】を使う側に回ればいいと思うやもしれません。
無理に【ブラック・マジシャン】にこだわる理由もないですし、なにより、現代のカードゲームはデッキの相性が勝敗を左右することも少なくないので、基本的にはタイプの違う2~3個のデッキを極めるのが強くなるための近道となるでしょう。

しかし、それでも【イシズティアラメンツ】を使う側に回ろうとは思いませんでした。
理由は単純に同型戦が難しそうだったから。
特に、デッキのキーパーツである《古先兵ケルベク》あたりが相手の墓地まで肥やしてしまうので、同型戦だと、その際のカードの捲れ方次第でゲーム展開が無数に変化します。
それ以外にも、いろんなところで相手のカードとの"噛み合い"が発生するマッチアップなので、なんか、もう、考えるだけでげんなりしますよね。
普通に回すだけでも頭がパンクしそうなのに、一番多い【イシズティアラメンツ】相手にそんなことになるのなら、このデッキはもはや【イシズティアラメンツ】環境で一番握ってはいけないデッキでもありますよね。

それに、環境全体が墓地対策を欠かさないようになっているため、上位に行けば行くほど簡単に勝てるデッキではなくなるとも思いました。
手札の噛み合い方にもよるでしょうが、基本的にこの手のデッキは墓地対策を地力だけで乗り越えるのは難しく、何らかの対策に対する対策が必要になるはずなので、そんなことをするぐらいなら、もっと回すのが簡単かつ墓地対策が容易な他のデッキを握った方が安定しそうです。勝率はもちろん、精神的にも。

そんなわけで、最初は【エクソシスター】あたりでランクマッチを回っていたんですが、なんやかんやで【イシズティアラメンツ】に墓地メタを超えられることも少なくなかったので、なんか、もう、筆者はそこでいろいろ考えるのが面倒くさくなりました。
結局、使い慣れているデッキを使うのが一番いいんですよね。
ブラマジとかいう毒にも薬にもならないデッキを回すのが一番慣れているっていうのも変な話なんですけど。

墓地利用と墓地対策への対策

そんなわけで、いつも通り【ブラック・マジシャン】でゆるーくやっていこうってなったんですが、何度も言っている通り、現在のブラマジの立ち位置は非常に悪いです。
テーマ内に墓地利用を咎めるカードはなく、《黒の魔導陣》による除外も【イシズティアラメンツ】相手にはそこまで有効ではありません。どちらかというと《ティアラメンツ・キトカロス》を咎めるモンスター効果無効の方が欲しいかも?
それになにより、環境全体の墓地対策具合がよろしくありません。
ティアラメンツに刺さるカードは軒並みブラマジにも刺さります。
なので、少なくとも、この双方に対して有効なカードが最低でも2種類以上なければ勝負にもならないだろうという話に。

しかし、墓地利用と墓地対策、その相反する2つの要素を同時に対策できるカードなんか……

……待てよ、"墓地"利用と"墓地"対策?

これ、両方とも墓地のカードを狙っているのでは?

この点に気づいた時、筆者はとあるカードの存在を思い出しました。
そのカードとは――

2枚生成したら1枚ロイヤルになった

《灰流うらら》の親戚こと《屋敷わらし》です。

《屋敷わらし》は墓地のカードを別の領域に移動させる効果を無効にできる手札誘発で、普段は手札誘発を多めに採用するデッキで相手の《死者蘇生》系の追加行動を咎めることが多い1枚です。

そして、当然ながらこの効果は"ティアラメンツ"モンスターの固有効果にも有効で、その効果がチェーンの一番上に乗っていないと妨害できない点で《D・D・クロウ》には劣るものの、汎用性が高いので多くのマッチアップでいぶし銀な活躍が期待できます。
特に【ブラック・マジシャン】デッキの場合、《ブラック・マジシャン》と通常召喚したこのカードで《フルール・ド・バロネス》をシンクロ召喚できるため、他のデッキで使うよりも手札で腐りづらかったり。

加えて、墓地対策に対するカウンターとしても非常に優秀です。
採用率の高い《D・D・クロウ》や《剣神官ムドラ》はもちろん、汎用カードの《墓穴の指名者》による除外まで咎めることができるため、このカードを握っていれば安心して《マジシャンズ・ソウルズ》を《ブラック・マジシャン》特殊召喚モードで運用できます。

しかし、1種類だけではまだまだ足りません。せめてあともう1種類は同程度の対策カードが欲しいところ。
そこで、今回は《墓穴の指名者》を採用することにしました。

地味に今まで使ってこなかった1枚

【ブラック・マジシャン】は《黒の魔導陣》で相手の《灰流うらら》を釣りだしたり、向こうが《増殖するG》を切ったのを見てから展開を止めることが可能なため、基本的に《墓穴の指名者》の存在意義は薄いです。
しかし、現環境には《D・D・クロウ》や《ディメンション・アトラクター》などの手札誘発型墓地対策や、こちらのターンなのに動いてくる《ティアラメンツ・ハゥフニス》など、変種の手札誘発が多いので、それらを対策するために必要だろうと考えました。

で、結果から言えば、この2種類のカードの採用はかなりドンピシャにハマりました
とりわけ《屋敷わらし》の汎用性が予想以上に高く、割とどのデッキも《屋敷わらし》に引っかかる行動をしてくれるので、地味にゲームを決める要因となったことも少なくありません。
《墓穴の指名者》も、たまにある《灰流うらら》を打たれて困る初手の時にサーチを通す目的で使えたりするので、少なくとも手札で腐ることはありませんでした。そりゃ腐ることはないだろうって感じですが。

しかし、ここでひとつ問題が発生します。

調整の方向性とぶち当たる"壁"

ここまで語ったのはあくまでも【ブラック・マジシャン】を最低限戦えるようにするためのパーツであって、実践で勝とうとするなら、さらにもう一段なにかしらの対策を講じる必要があります。
ですが、この時点で【ブラック・マジシャン】デッキの汎用カード枠はギリギリまで埋まっているんですよね。
《灰流うらら》《増殖するG》《無限泡影》の三種の神器をガン積みして9枚、そこに《屋敷わらし》《墓穴の指名者》を2枚ずつ計4枚採用するとして、合計13枚。
三種の神器の枚数を削るとしても、結局は12枚前後となり、汎用カードを採用する枠はあと1枠あるかどうかというレベルになってしまいます。

そこで、今回は普段より汎用カードの枠を拡張する方向性で調整することにしました。
第一、メインギミックを十全に取ったとしても、基本的な最終盤面は《黒の魔導陣》と《永遠の魂》が並ぶだけなので、そんな力不足感の否めない盤面を整えるより、メインギミック枠をギリギリまで切り詰めて汎用カードで1:1交換を狙う方が良い気がするんですよね。
《黒の魔導陣》がしっかり刺さる仮想敵がいるならいいんですけど、ティアラメンツは召喚時誘発効果持ちが多いですし……

それに、今まで「【ブラック・マジシャン】デッキは《永遠の魂》と《黒の魔導陣》を揃えるデッキ」と語ることが多かったですが、《イリュージョン・オブ・カオス》の登場で《マジシャンズ・ロッド》へのアクセスが容易になったことで《永遠の魂》+墓地に《ブラック・マジシャン》and《マジシャンズ・ロッド》という最低限の動きが安定してできるようになり、無理に《黒の魔導陣》まで用意する必要性も薄まっています。
なので、多少メインギミックを削ってもデッキとして破綻するところまではいかないだろうという目算だったのです。
……が、構築を煮詰めていく中で、とある問題にぶち当たります。

汎用カード枠が15/40まで拡張されている

その問題とは、いわゆる"準初動パーツ"の減少からくる事故率の増加問題。

調整を始めた時点のデッキレシピ

最初は単に《黒の魔導陣》を1枚減らしただけだったんですが、魔導陣の枚数が減ると、自然にこれとシナジーを形成していた《魂のしもべ》も相対的に扱いにくくなっていると感じ、ここの枚数も1枚減。
続いて、同様に《黒の魔導陣》や《魂のしもべ》とシナジーを形成していた《成金ゴブリン》も効力を発揮しづらくなっていたため、思い切って3枚全部抜き。
すると、確かに当初の目的通り、メインギミックのスロットを減らして汎用カード枠を増やすことができました。

しかし、いざ、これでランクマッチやデュエリストカップに潜ってみたところ、予想以上に手札事故で負けるケースが多発
その原因は言わずもがな、《黒の魔導陣》や《魂のしもべ》などによるキーパーツ収集がおぼつかなくなった結果、《イリュージョン・オブ・カオス》や《マジシャンズ・ロッド》に手札誘発を当てられて自分の動きを十全に通せなくなったこと。
加えて、汎用カードを増やしたことで、逆に汎用カードを引きすぎてにっちもさっちもいかない展開になるなんてことも少なくありませんでした。

なので、いったん元の構築に戻し、ブラマジ本来の動きを通すのはどうなのかと試してみたりしたんですが、結局こちらも現環境のカードパワーに勝てないという結論に。
特に、対【イシズティアラメンツ】戦は手札誘発を最低でも1~2枚は持っておかないと話にならないレベルだったので、やはり普段以上に汎用カードを採用するべきでしたね。

ですが、困りました。
汎用カードを増やしたらブラマジ本来の動きを通せず、逆にブラマジ本来の動きを通しに行ったら環境デッキに勝てない。
完全に板挟み状態です。

おそらく、メインギミック枠と汎用カード枠を1枚単位できっちり切り詰めないといけない状況になっていますね。
普段からこのデッキはそういう悩みが尽きないところもありますが、いつも以上にこの点がシビアに響いてきています。

加えて、単純に40枚デッキにまとめるだけでなく、デッキの総枚数を底上げするという選択肢もあります。

メインギミックと汎用カードの割合がほぼ2:1

これに関しては前回の記事で語った内容なので詳しい話は割愛しますが、要するにメインギミック枠と汎用カード枠の割合さえ間違えなければ、そうそうデッキとして破綻することもないだろうという考え方です。

しかし、このパターンまで含めると、調整の組み合わせは無限大なんですよね。
正直、ここに至った時点で、筆者もどうしたものかと頭を抱えました。
そして現在進行形で解決策が見つからず、記事にして情報を整理しようと思った次第。

勝てなくなったらどうするか?

大前提として、デッキ調整は自分のデッキのメインギミックの旨味を損なわないようにするのが最優先です。
そして、そういった調整は環境の変化などで仮想敵が変わっても変化することはありません。
メインギミックは下手に弄るべからず。これがデッキ調整の鉄則です。

この記事を書いていく中で思い出したのは、そんな基礎中の基礎に当たることでした。
メインギミックの枠を減らして汎用カード枠を増やしたい。しかし、一見して減らせそうなカードも、実は他のカードと合わせた"準初動"としてデッキの安定感を底上げしていることが判明。
となれば、やはりメインギミックに手をかけるのはやめた方が良いように思えます。
《黒の魔導陣》1枚ぐらいならと思っていたんですが、そうもいかないみたいですし。

なので――

いつも通り、メインギミックを削らず汎用カードを増やす形でデッキをまとめ上げるか、

もしくは、《ブラック・マジシャン・ガール》や《イリュージョン・マジック》あたりの補助輪的なカードを抜いて、動きの幅を狭める代わりにメインギミックの安定感と汎用カードの枚数確保を両立するか。
この2パターンのどちらかが適正だろうという結論に至りました。

ただ、この時点でWCS予選期間は終了。あと数日でデッキを調整してデュエリストレベル20まで到達しろというのは流石に現実味がない話なので、今回はここでギブアップです。
……というか、レベル19まで上がってから18に落ちるくだりを3回もやったら流石に心が折れます。
もう一段デッキ調整を煮詰めれば行けそうな気がしないでもないんですが、そこまでして本戦に挑みたいわけでもないですし……

リプレイ動画

一応、対戦のリプレイがそこそこ溜まっていたので、今回も動画にしてみました。
5戦中4戦が対【イシズティアラメンツ】なので、ティアラメンツ恐怖症の方はご注意ください。

まとめ

いかがだったでしょうか。
結局、デッキ調整は間に合わなかったので、どうにも締まりに欠ける記事となってしまいましたが、まぁ、たまにはこんな日があってもいいかなーと。
とりあえず《ティアラメンツ・キトカロス》と《古尖兵ケルベク》《古衛兵アギド》は早く禁止になってください。
それでは、また。

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