［詩］覆す

何度でも覆す

早寝早起き
けして叶わない
そもそも寒い朝の
むくむくとした
毛足の長い掛け布団が素足に絡みつく
その感覚しか
生を感じられない
今のところ

飽くほどに
指し示された指南

禁酒したい
心の傷から
目を逸らすために飲んでいる
のだが
そもそも酒の
味が好き　というのも
否定されるのはいただけない

Control＋S
保存する
人類の基本
敢えて1万字ほど
待ってみる

ピアスはお守り
誰からも贈られない
手作りで平にした
燻銀の指輪を中指に
つけている

ほぼ自己陶酔の
域である

巡り合う男性
好きなところを探そう

なにもない
どうせ
大して相手の琴線にも触れていない

少しでも早くなるように
得意のタイピングの
指のポジションが
矯正された
薬指なんて
キーボードに触れさせたこともなかったのに
随分図々しく
指図するものだ

それでも感謝している
感謝している
感謝している？

ずっと浮遊していたいな
リトルマーメイドは
もしかしたら魚を恋人にも
できもしたのだろうか
果たしてどちらが
幸せだったのだろうか

どうせ
王子を選んでしまうんだろう

何度でも覆そう
先人たちは言った
覆水は盆に返らずと

だけど私は
何度でも
覆す

飽きるほどに