18-19 PL 第34節 Watford × Arsenal
アーセナルは暫定6位、今節で勝利を挙げれば4位へ浮上。ワトフォードは暫定10位で勝利を挙げれば7位へ浮上する。アーセナルはCL出場権、ワトフォードはEL出場権獲得に向けて挑む今節。アーセナルはミッドウィークにELでホームにナポリを迎えた試合で2-0で勝利。そこから中3日とハードスケジュールながら良い状態で挑める。
アーセナルはソクラティスが累積警告の出場停止が影響し、右SBにムスタフィを、CBにマヴロパノスを起用。鬼門のアウェイに挑む。
PLでの前回対戦時レビューはこちら
18-19 PL 第7節 Arsenal×Watford
■チーム概要
【HOME】
ワトフォード(監督:ハビ・グラシア)
基本:3-5-2
保持:3-5-2
非保持:5-3-2
【AWAY】
・アーセナル(監督:ウナイ・エメリ)
フォーメーション
基本:4-2-3-1
ボール保持:4-2-3-1
ボール非保持:4-4-2
■前半の試合展開
アーセナルはCB2枚とCH2枚を中心にビルドアップするが、ワトフォードの組んだ3センターの圧力を前になかなかボールを前進させることが出来ない。特に右SBに入ったムスタフィは本職がCBということでなかなか高い位置を取れずビルドアップに関与できない時間帯が多かった。
ワトフォードのプレッシングに対して思うようにゲームに入れなかったアーセナルだったが、前半10分に思いがけない形で先制点を挙げることに成功する。ラムジーが蹴ったクロスがそのままサイドへ流れ、ワトフォードの右CBヤンマートがこのボールを拾いGKへバックパス。これに反応したオーバメヤンが猛然とGKへチェイスし、GKのキックをブロック。これがそのままゴールへ跳ね返る形に。思うようなゲームの入り方が出来なかったアーセナルだったが、オーバメヤンが快速を生かした事で少しラッキーな形で先制点を奪うことが出来た。
そして先制点からわずか数十秒。ワトフォードのFWディーニーがトレイラの顔へ肘打ちをしたということで、これが一発レッドカード。前半のまだ早い時間帯だということを考えると一発レッドカードは少し厳しいジャッジにも思えたが、これでアーセナルは俄然有利な立場となる。
枚数が減ってしまったワトフォードは、左SHだったマシナを左SBへ下げて4-4-1に布陣を変更。ワトフォードの前線の枚数が減ったことでアーセナルはDFラインでボールを保持できる時間帯が長くなる。しかしワトフォードはプレッシングの圧力は下げず、チャンスと見るや積極的なプレッシングからボールを奪取しアーセナルを攻め立てゴールへ迫る。人数が足りないことを感じさせない。
アーセナルはボールを保持するもワトフォードの守備ブロックの前でボールを回すことが多く、DF-MFのライン間にボールを入れられない。ワトフォードの守備が固く、アーセナルは長い時間、人数が多い状態だったが追加点は奪えず前半が終了。0-1で折り返す形に。
■後半の試合展開
追加点を奪いたいアーセナルは、後半開始早々から選手交代。トレイラに替えてエジルを投入し、ラムジーをCHに下げる。おそらく狙いはDF-MFのライン間。ここでボールを引き出すことに長けているエジルをトップ下に配置することで崩そうということではないかと思われる。実際に何度かエジルから良い形が生まれていた。
しかし、なかなか追加点が奪えないアーセナルは、59分に2枚目の交代。CBのマヴロパノスを下げてCHにゲンドゥージを投入。3バックへ変更しフォーメーションは3-4-2-1に。WBにイウォビ、ムヒタリアンを配置する攻撃的な布陣に。エメリの狙いは追加点を奪って早く楽な展開にしたいということだと思われる。
逆にワトフォードも同じ時間に選手交代。キコを下げサクセスを投入。フォーメーションも4-2-1-2のような形にして前がかりにする。
互いにフォーメーションを変更し前がかりになったことでゲームはオープンな展開になるが、どちらもゴールまでは至らず。このオープンな展開を嫌がったのか、エメリは早くも68分に3枚めの交代カードを切る。ラムジーを下げてナイルズを投入。フォーメーションは再度4バックへ変更となり、4-2-3-1へ。サイドが手薄となったワトフォードに対してサイドの枚数を増やして押し込もうという狙いではないかと思う。
オープンな展開はその後も続き、アーセナルはサイドから深く侵入することができるようになったものの、最後の精度が悪く追加点は奪えず。
なかなかアーセナルが数的優位とリードしていることを活かせず、ゲームをコントロールできない時間帯が続いたが、試合はそのまま終了。アーセナルが1点を何とか守りきり0-1で勝利を飾った。
■試合結果
Watford 0 × 1 Arsenal
■得点
10分:オーバメヤン
■交代
11分:ディーニー(レッドカード)
45分:トレイラ → エジル
59分:キコ → サクセス
59分:マヴロパノス → ゲンドゥージ
68分:ラムジー → ナイルズ
86分:マシア → セマ
■まとめ
アーセナルは鬼門となっていたアウェイで16試合目にしてようやく今シーズン初のアウェイでクリーンシート。順位も4位に浮上した。
ただ、前半早い時間帯に先制点を奪い、直後に相手の退場でかなり優位になったものの、早めにゲームを決められず消耗戦となってしまった。
エメリとしては早い段階で決めきるために交代策を用いたのだろうけど、2枚目の交代時にワトフォードが同じタイミングでフォーメーションを変えてきたのは想定外だったのだろうと思う。結果論ではあるが、状況としては不利でいつかは動かざるを得ないワトフォードの対応を見てから対処する形でよかったのかもしれない。
ただ、あそこで試合を決め切りに行くエメリの強気の采配は好感が持てる。
形はどうあれ苦手だったアウェイでクリーンシートの勝利を飾れたのは、この終盤戦で非常に大きい。
次はELでアウェイ、ナポリ戦を挟んでのホーム クリスタルパレス戦。CL出場権獲得に向けて勝たなくてはならない試合が続く。